週末は自然豊かな環境でのんびり過ごしたい―そんな願いを叶えるライフスタイルが「二拠点生活」です。
都市部での仕事や利便性を維持しながら、自然豊かな地方にも拠点を持つ二拠点生活は、以前に比べて特別なものではなくなりつつあります。
一方で、二つの生活拠点を維持するためには、年代やライフステージに応じた資金計画や心構えが欠かせません。
今回は、二拠点生活を検討している方に向けて、年代別に必要となる予算の考え方や準備しておきたいポイントを解説します。
二拠点生活とは?

二拠点生活とは、主な生活拠点とは別にもう一つの拠点を持ち、定期的に行き来しながら暮らすライフスタイルを指します。
住民票は一方に置いたまま、週末や長期休暇、テレワーク期間などを活用して地方で過ごすケースが一般的です。
二拠点生活の魅力は、都市部の利便性と地方のゆとりある暮らしを両立できる点にあります。
自然環境の中で過ごす時間が増えることで、心身のリフレッシュや家族との時間を大切にできる点も評価されています。
一方で注意したいのが費用面です。
住居費や光熱費、交通費などが二拠点分発生するため、一般的な一拠点生活と比べて生活コストは増える傾向があります。
二拠点生活では、生活費が通常の約1.5倍程度になるケースもあるため、事前の資金計画が重要です。
【30〜40代】仕事・子育てと両立する二拠点生活

二拠点生活に必要な費用は、年代別でも大きく変わってきます。
ここでは子育て世代である30~40代の予算の考え方や気をつけたいポイントを紹介します。
必要な予算の考え方
30〜40代は、仕事や子育てを両立している人が多い世代です。
この年代の二拠点生活では、まず「無理のない範囲で始める」ことが重視される傾向があります。
地方側の拠点は賃貸物件や空き家を活用するケースが多く、初期費用は数十万円から100万円前後で抑えられる例も少なくありません。
ただし、家賃や光熱費、交通費などのランニングコストは継続的に発生します。
教育費や住宅ローンなどの支出と並行して二拠点生活の費用を賄う必要があるため、月々の支出がどの程度増えるのかを具体的に把握しておくことが重要です。
準備しておくこと
30〜40代では、二拠点生活の「目的」を明確にすることが欠かせません。
週末のリフレッシュが目的なのか、将来的な移住を見据えているのかによって、拠点の選び方や予算の考え方は大きく変わります。
また、仕事との両立も重要なポイントです。
テレワークが可能な環境か、移動頻度はどの程度になるのかなど、働き方と生活スタイルをセットで考える必要があります。
通信環境やワークスペースの確保も、事前に確認しておきたい点です。
気をつけたいこと
子育て世代では、二拠点生活にかかる費用が家計全体を圧迫しないよう注意が必要です。
特に、生活費が増えることを過小評価してしまうと、後々の負担につながります。
まずは短期滞在やお試し移住など、小さく始める方法を検討することが現実的です。
30~40代の予算例
想定ケース
- 家族構成
3人(夫婦+子供1人) - 滞在頻度
隔週末に滞在(月2回)
+長期連休 - 移動手段
レンタカーを利用 - 拠点住居
賃貸
① 住宅費用 約50,000~75,000円/月
- 賃貸物件
家賃約3〜7万円/月 - 初期費用
20〜40万円程度
② 移動交通費 約65,000~85,000円/月
※地方往復+滞在中の移動は月400kmで算出
- レンタカー(ミニバン・2泊利用)
26,000〜32,000円/回 - 燃料費
約5,000円/月 - 高速料金
往復 約4,000〜8,000円/回
③ 水道光熱費 約10,000~20,000円/月
地方ではプロパンガスや暖房燃料費により光熱費が高くなるケースが多い。
費用合計
約12.5〜18万円/月
※上記の他に、二拠点先で滞在中の食費や日用品、レジャー費用などが必要となってきます。
【50〜60代】将来設計を見据えた二拠点生活

二拠点生活に必要な費用は、年代別でも大きく変わってきます。
ここでは子育てが一段落した50~60代の予算の考え方や気をつけたいポイントを紹介します。
必要な予算の考え方
50〜60代は、子育てが一段落し、比較的自由に使える資金が増えてくる世代です。
この年代では、賃貸だけでなく中古住宅の購入やリフォームを含めた二拠点生活を検討する人も増えます。
その場合、数百万円規模の予算を想定する必要があります。
一方で、必ずしも購入にこだわる必要はありません。
将来的な定住を見据えつつ、まずは賃貸で生活を試してみるという選択肢もあります。
いずれにしても、老後資金とのバランスを意識した資金計画が重要です。
準備しておくこと
この年代では、「将来どう暮らしたいか」を見据えた準備が必要です。
二拠点生活を続けた先に移住を考えているのか、それともあくまで趣味や余暇の延長として続けるのかによって、住居選びや予算配分は大きく異なります。
また、自治体によっては移住支援金や住宅補助などの制度を用意している場合があります。
こうした制度を事前に調べ、活用できるものは積極的に取り入れることで、費用負担を軽減できるでしょう。
気をつけたいこと
50〜60代では、拠点間の移動が体力的な負担になるケースも出てきます。
そのため、移動距離や交通手段、滞在頻度を現実的に考え、無理のない生活設計を心がけることが大切です。
50~60代の予算例
想定ケース
- 家族構成
夫婦2人 - 滞在頻度
毎週末に滞在(月4回) - 移動手段
二拠点先へは公共交通機関を利用、現地に軽自動車を所有 - 拠点住居
中古戸建をローンで購入
① 住宅費用 約45,000円/月
セカンドハウスローン(フラット35) 利用
リフォームはDIY+水回りを業者依頼
- 中古住宅購入
600万円 - リフォーム
250~300万円想定
② 移動交通費 約95,000円/月
- 公共交通機関 往復1万円/回×2人
- 車維持費 約1万円~1.5万円/月
自動車税(軽自動車)、車検・保険、燃料費メンテナンス等を含めた概算
③ 水道光熱費 約10,000~20,000円/月
地方ではプロパンガスや暖房燃料費により光熱費が高くなるケースが多い。
費用合計
約15〜16万円/月
※上記の他に、二拠点先で滞在中の食費や日用品、レジャー費用などが必要となってきます。
【60代以降】セカンドライフとしての二拠点生活

二拠点生活に必要な費用は、年代別でも大きく変わってきます。
ここでは定年退職後のセカンドライフとして、60代以降の予算の考え方や気をつけたいポイントを紹介します。
必要な予算の考え方
60代以降は、定年退職後のセカンドライフとして二拠点生活を選ぶケースが多くなります。
収入の中心が年金や貯蓄になるため、月々の生活費と維持費を長期的に賄えるかどうかが重要な判断基準となります。
住宅費に加えて、医療費や交通費なども含めた総合的な生活コストを見積もり、無理のない範囲で生活できるかを慎重に検討する必要があります。
準備しておくこと
この年代では、生活費の設計に加えて医療や交通利便性などの環境も重要となります。
拠点周辺に医療機関があるか、車がなくても移動や買い物がしやすい環境かどうかも確認しておきたいポイントです。
また、地域との関わり方も重要です。
長期滞在を前提とする場合、地域コミュニティとの距離感や受け入れ体制を事前に知っておくことで、安心して生活を続けやすくなります。
気をつけたいこと
移動距離が長すぎると、体力面・費用面の双方で負担が大きくなります。
都市部と地方の距離、交通手段、移動頻度を踏まえ、自身の体力に合った拠点選びを行うことが重要です。
60代以降の予算例
想定ケース
- 家族構成
夫婦2人 - 滞在頻度
月の半分滞在 - 移動手段
公共交通機関を利用(自宅往復は月1回) - 拠点住居
中古戸建を一括購入
① 住宅費用 約1250~2000万円
住宅は一括購入
リフォームは業者依頼
- 中古住宅購入
約800~1200万円 - リフォーム
約450~800万円想定
② 移動交通費 約30,000円/月
- 公共交通機関
往復1万円/回×2人 - バス・タクシー
約1万円/月
※自治体がおこなっている高齢者向けバス定期券や、タクシーチケット等の支援制度を活用することで、費用を抑えることができます。
③ 水道光熱費 約10,000~20,000円/月
地方ではプロパンガスや暖房燃料費により光熱費が高くなるケースが多い。
費用合計
約4万~5万円/月(住宅購入費除く)
※上記の他に、二拠点先で滞在中の食費や日用品、レジャー費用などが必要となってきます。

共通して準備しておきたいポイント3つ

①住民票・契約手続き
二拠点生活では住民票の扱い・公共料金や契約の整理などが発生します。
住民票の所在地や税金、保険の扱いについて事前に整理しておくことで、生活のスムーズな運営につながります。
②自治体の支援制度や体験プログラム活用
自治体や地域によっては、移住支援金・空き家リフォーム補助・お試し滞在プログラムなど、二拠点生活や地方へ移住する際に役立つ制度があります。
これらを賢く活用することで、費用負担を軽減できます。
③移動時間と生活利便性
二拠点生活では、交通手段や拠点間の距離をあらかじめ把握しておくことが重要です。
移動時間が長すぎると生活の負担が大きくなるため、「実際に現地を訪れて体感する」ことをおすすめします。
また、特に60代以降で二拠点生活を始める場合は、車以外の交通手段も考えた方が良いため、交通インフラや生活利便性の高い地域を選択することをおすすめします。
まとめ
今回は、二拠点生活を検討している方に向けて、年代別に必要となる予算の考え方や準備しておきたいポイントを解説しました。
- 二拠点生活は年代やライフステージによって、必要な予算や準備内容が大きく異なる
- 生活費や交通費を含めた現実的な資金計画を立てることが、継続のカギとなる
- 賃貸やお試し移住、支援制度を活用し、小さく始めることで失敗リスクを抑える

