二拠点生活や田舎暮らしを始める際、多くの方が物件選びや仕事のスタイルに目を向けますが、実際に暮らし始めてから「思った以上に戸惑った」という声が多いのが移動に関する問題です。
特に、都市部と地方ではガソリンスタンドの数や営業時間、利用方法に大きな違いがあります。
なかには自治体内にガソリンスタンドがほとんどない、あるいは0軒というケースもあり、地方での移動の不安がより顕在化している地域もあります。
今回は、車移動に必須なガソリンスタンドについて、都市部と地方の違いや具体的な対策を解説します。
都市部と地方でこんなに違うガソリンスタンド事情

まずは都市部と地方でのガソリンスタンド違いについて見ていきましょう。
店舗数・密集度の違い
都市部では複数のガソリンスタンドが点在しており、給油場所に困ることがほとんどありません。
一方、地方ではスタンドの数が少なく、地域によっては数十キロ走ってもスタンドが見つからないこともあります。
特に山間部や過疎地域では、かつて存在していたスタンドが廃業し、選択肢が大きく減っているケースも少なくありません。
実際に、全国にはガソリンスタンドが3カ所以下の自治体が複数あり、なかにはスタンドが一つもない町村も存在します。
営業時間の違い
都市部では24時間営業や深夜対応のセルフスタンドが一般的ですが、地方では営業時間が限られていることが多く、夕方や夜には閉店してしまうスタンドも珍しくありません。
また、日曜・祝日が定休日になっているケースや、繁忙期・閑散期で営業時間が変わることもあります。
仕事終わりに地方拠点へ移動する二拠点生活者にとって、週末や祝日に給油できないリスクもあります。
セルフ・フルサービスの違い
地方では、今もフルサービスのガソリンスタンドが多く残っています。
スタッフが常駐する安心感がある一方で、対応時間が限られる場合もあります。
また、セルフスタンドであっても夜間は無人対応ができないなど、都市部と同じ感覚では利用できないことがあります。
二拠点生活で戸惑いやすいガソリン関連のトラブル

到着時にガソリンが足りない
都市部感覚で「現地に着いてから給油すればいい」と考えていると、到着時にはすでにスタンドが閉まっているという事態が起こりがちです。
特に夜間や悪天候時の移動では、給油できないまま翌日まで車を動かせなくなる可能性もあります。
長距離移動時の給油計画不足
二拠点生活では、高速道路と一般道を組み合わせた長距離移動が日常的になります。
都市部では給油タイミングをあまり意識しなくても問題ありませんが、地方では「次のスタンドまで距離がある」という前提で計画しないと、思わぬガス欠リスクになります。
冬季や山道では、燃費の悪化も重なり、想定より早くガソリンが減るケースも見られます。
キャッシュレスに非対応のところも
地方のガソリンスタンドでは、クレジットカードや電子マネーが使えない、あるいは特定の決済手段にしか対応していない場合があります。
普段キャッシュレス中心の生活をしている方ほど、現金を持ち合わせておらず困るケースが発生しやすくなります。
地方ならではのガソリン事情で気をつけたいポイント

曜日・祝日の営業状況
二拠点生活では、週末に地方拠点へ移動する方が多いですが、地方では日曜・祝日に休業するガソリンスタンドも存在します。
また、地域の行事や天候の影響で臨時休業になることもあり、事前確認が欠かせません。
冬季・災害時の供給リスク
豪雪地域や台風の影響を受けやすい地域では、ガソリン供給が一時的に不安定になることがあります。
除雪車や生活インフラ向け車両が優先され、一般利用が制限されるケースもあるため、早めの給油が重要です。
ガソリン価格の地域差
地方ではスタンド同士の競争が少ないため、都市部よりガソリン価格が高くなる傾向があります。
また、価格変動が大きい地域もあり、移動コストを見積もる際には注意が必要です。
ガソリンスタンドが極端に少ない/ない自治体もある
ガソリンスタンドの数は全国的に減少傾向にあり、都市部以上に地方・過疎地域で深刻です。
資源エネルギー庁が2025年3月31日発表しているデータによると、スタンド数が3カ所以下の自治体は全国に381市町村あり、ゼロの自治体も11市町村あると報告されています。
このような地域では、給油を計画せずに移動すると、最寄りのスタンドまで15キロ以上走らなければならないケースもあります。
参照データ:市町村別に⾒るSS過疎の状況-資源エネルギー庁
二拠点生活を快適にするためのガソリン対策・工夫

ここでは地方への移動を快適にするための対策や工夫をご紹介します。
移動前に必ず給油する習慣をつける
もっとも基本的で効果的な対策は、都市部を出発する前に必ず給油しておくことです。
満タンにしてから移動する、もしくは残量が半分を切ったら給油するなど、自分なりのルールを決めておくと安心です。
事前にスタンドの場所と営業時間を把握する
Googleマップやカーナビを活用し、よく使うルート上のガソリンスタンドを事前に調べておくことも重要です。
営業時間や定休日を含めて把握しておけば、移動計画が立てやすくなります。
支払い方法の準備をしておく
地方拠点へ行く際には、少額でも現金を用意しておくと安心です。
また、利用頻度が高い地域で使える決済方法を事前に確認しておくことで、いざという時のトラブルを防げます。
車選び・燃費の視点を持つ
二拠点生活では、燃費性能や航続距離も重要な判断基準になります。燃費の良い車やハイブリッド車は、給油回数を減らせる点で有利です。
一方、EVの場合は充電環境も含めた検討が必要になります。
まとめ
今回は、車移動に必須なガソリンスタンドについて、都市部と地方の違いや具体的な対策を解説しました。
- 地方ではガソリンスタンドが極端に少ないため、余裕をもった給油を
- 営業時間や支払い方法、災害・冬季の供給制限など、地方特有の条件を事前に把握
- 出発前の給油習慣と事前の情報収集を徹底することで、移動リスクを大きく軽減

