貸別荘という宿泊スタイルは海外では人気かつ一般的で、日本でもここ数年で急速に普及してきています。
コロナ禍によってホテルなどの宿泊施設がダメージを受ける中で、他の人と接点が少なく、家族やグループだけで楽しめるとして注目を浴びました。
また別荘を所有せず、貸別荘で二拠点生活を楽しむ若い世代も増えています。
しかし、
「ホテルとは何が違うの?」
「コテージ?ヴィラ?色々あってよく分からない」
「持ち物はどうすれば?」
という疑問も多いかと思います。
今回は貸別荘のおすすめな理由と、行く前にチェックしたいポイントや持っていきたい物をご紹介します。
合わせてこの夏泊まりたいオススメの貸別荘3選もご紹介します。
貸別荘とは

貸別荘とは、一般的に一戸建てを丸ごと貸切りで利用できる宿泊施設のことをいいます。
また、ホテルや旅館と異なり食事が付かないため、素泊まりとなります。
大体は、キッチン設備や調理器具、食器類が用意されていますので、自炊することができます。
よって、食材や飲み物の持ち込みが可能です。
そのためファミリー利用はもちろん、大人数でのグループ旅行や合宿などにも利用できます。
一方で、最近では夕食・朝食付きの宿泊プランや出張シェフを呼べるオプションを用意してある貸別荘も増えていますので、「旅行中に料理をしたくない」という方は食事付きプランを選ぶと良いでしょう。
建物も、民家風の貸別荘から洋風の貸別荘、また丸太で作られた本格的なログハウスもあり様々です。
ヴィラ?コテージ?貸別荘の種類

貸別荘にもいろいろな種類があり、一戸建てタイプを基本として、連棟式(1棟内に複数戸、玄関は別々)や、マンションの1室を借りるようなコンドミニアムタイプなどがあります。
最近では、古民家をリノベーションした貸別荘が多く造られ、地域活性化や新たな観光事業としても注目されている分野です。
ここでは、貸別荘やキャンプ場などで聞かれるヴィラやコテージ、バンガローの違いについて説明します。
ヴィラ
ヴィラは、英語の「villa(別荘、大邸宅)」からきています。
主にリゾート地で見かけることが多く、高級リゾート宿泊施設というような位置づけです。
施設は戸建てが一般的で、プール、ガーデンなどが付いていたりとリゾートホテルのような設備であることが多いです。
そのためヴィラから出なくとも、充実した時間を過ごせるようになっています。
施設によっては客室係もおり、食事などを準備してくれるところも多いです。
コテージ
コテージは主に山や湖など、自然豊かな場所に立地していることが多いため、キャンプ場に建てられているイメージの方が強いかもしれません。
コテージタイプの宿泊施設は、基本的に食事は自分たちで用意します。
施設によっては食事プランや食材を申し込むことで準備してくれるところもあります。
一棟の一戸建てといった部分はヴィラと同じで、家具や水回りの設備も整っています。
トイレやシャワーが施設内に完備されているため、泊まる部屋のみの簡易的な設備となっている「バンガロー」と違い、わざわざ外に出て共通のトイレやシャワーを使う必要がありません。
ヴィラよりもアウトドア感を楽しめるのが、コテージの特徴でしょう。
ロッジ・バンガロー
ロッジは丸太で造られた小屋を指します。
山に建設されていることが多く、施設内にトレイ、シャワーなど生活に必要な設備は整えられているため、コテージとの違いは建物の構造や呼び方ということになります。
対してバンガローは、簡易的な宿泊小屋を指します。
トイレ・シャワー、炊事場などは共同となります。
設備の充実さはヴィラが最も良く、普段とは違うワンランク上のひとときを過ごすことができます。
コテージでは、自宅と遜色無い生活が可能、バンガローはキャンプをメインとしつつ自然の中で宿泊したい方におすすめです。
宿泊費用は設備の充実さに比例して変動しますので、一般的にはヴィラが最も高額で、バンガローが1番安価となっています。
ファミリーに貸別荘がおすすめな理由

近年では30~40代のファミリーが別荘を所有せずにコストを抑えて二拠点生活を楽しむという理由で貸別荘が人気を集めています。
別荘を購入するとなるとそれなりの投資額と維持費が必要になります。
しかし別荘を所有しなくても、貸別荘を利用することで自然や静かな環境の中で過ごすことができます。
所有しているような感覚で別荘ライフを体験することができるため、コストとリスクを抑えて非日常感を味わいたい人にとってオススメです。
更に貸別荘にはホテル滞在とは別のメリットもあります。
①他の宿泊者と接触が少ない
コロナ禍以降、旅行を控えてる方もまだまだ多いのではないでしょうか。
行動制限が解除されても、人が多いところはどうしても気になってしまいます。
その点、貸別荘(ヴィラ・コテージ)では、基本的に宿泊施設を利用できる人は1日1組だけですので、他の宿泊客と接触はありません。
観光地に行かなくても普段の生活から離れ、貸別荘でゆったりとした時間を過ごすだけでも、日頃のストレスから解放されることでしょう。
②グループ・大人数での宿泊が可能
貸別荘では、ファミリー利用はもちろんのこと、施設によっては10名以上で宿泊することもできます。
そのため家族だけでなく、複数の友人家族や親せきなど大人数で利用するのに最適な宿泊施設といえます。
大きなリビングで談笑したり、プライベートガーデンでBBQをするなど、自宅やホテルでは難しいことを経験できるのが魅力です。
③時間が自由
旅館やホテルなどの場合、食事の時間・お風呂の時間・布団敷きの時間などが決められている場合が多く、慌てたり急いだりといった行動になりがちです。
貸別荘はチェックアウトの時間はありますが、食事などが付いていないため、自分達のペースでのんびりと過ごすことができるというメリットがあります。
④利用料金が安い
値段の高いリゾート別荘や宿泊プランも様々なので一概には言えませんが、一般的に一棟あたりの費用で設定されている場合が多いです。
そのため、複数人で利用すると1人あたりの宿泊費が大幅に下がるため、家族でリゾートホテルや旅館に宿泊するより安くなることもあります。
行く前にチェック【施設・環境編】

貸別荘はホテルと違いアメニティ等の消耗品がなかったり、管理棟が遠かったりということがあります。
到着してから足りないものがあったと気づいても、場所によっては買いに行くのも困難だったりします。
楽しく過ごすためにも、貸別荘へ行く前にチェックしておきたいポイントをまとめました。
施設の設備
多くの貸別荘では、冷蔵庫・調理器具・食器類・テレビなどが用意されていますが、施設やプラン等によっても異なる場合があるので、確認をしておきましょう。
特にBBQを希望する場合は、BBQセットの有無のほか、できる場所や時間帯などはしっかりと確認しましょう。
屋根付のBBQ施設があれば、雨天でも楽しめますのでこちらも要確認です。
また、定員数が決まっている貸別荘も多く、人数が多い場合にはベッドの数や布団の数などが足りないということもあるためこちらも事前に確認しましょう。
利用料金
1棟ごとの料金なのか、人数ごとの料金なのかはもちろん、清掃費やゴミ収集費用を設けているところもあるため、合計金額がどうなるかも確認しましょう。
さらに、BBQをする場合はBBQセットのレンタル料金やBBQ場の場所代などが必要になるのかも確認しておきましょう。
施設ルール
滞在中に出たゴミや、布団のシーツ・枕カバーなどは所定の場所で集めている貸別荘が多くあります。
玄関前、管理棟、ゴミ出し場などに集める場合が多いので、分別の仕方や出し方などを含め、各施設のルールをしっかりと確認し、それに従って利用しましょう。
また、建物は別になっているとは言え、大声は他の建物の人にも聞こえてしまいます。
特に貸別荘やコテージは自然の中の静かな場所にあることも多く、夜は思っているよりも静寂に包まれます。
大騒ぎはもちろんのこと、屋外での携帯電話の通話、深夜早朝の散歩などでも音が響いてしまうことがあるので、他の利用客の迷惑にならないように気をつけ、マナー・ルールを守って利用しましょう。
夏で多いのが花火ですが、施設や周辺環境によっては花火の利用不可の場合もあるため確認の上、花火ができる場合でも施設ルールに沿って安全に楽しみましょう。
食事
一般的に、建物だけを貸しきっての素泊まりになるため食事は自分たちで用意することになります。
施設内で食事を作る場合には、食材を調達できる場所が近くにあるのか、施設側での用意が可能なのかを確認する必要があります。
施設によっては食事付きプランや出張シェフをオプションで付けれるなど様々なプランを用意している貸別荘もあります。
中には、滞在中は外で食べるという方もいるでしょう。
貸別荘がある場所は自然を楽しむため市街地から離れていることが多く、外食をする場合、飲食店が近隣にないということもあります。
周辺環境を事前に調べ、滞在中の食事をどうするか考えておく必要があるでしょう。
携帯電話の電波など
都会にいると携帯の電波が入らないことは考えづらいですし、飲食店や施設内にはWi-Fiが完備されていることも一般的となっています。
しかし、自然豊かなリゾート地では携帯の電波が入らないところもまだまだあります。
最近では施設にWi-Fiを設置している場所も増えましたが、利用する施設の電波状況やWi-Fi設備は事前に確認したい点です。
但し、非日常を楽しむという点では、スマートフォンなどのデジタルデバイスから距離をおくというのも良い体験になるでしょう。
行く前にチェック【持ち物編】

貸別荘は一般的な戸建て住宅と同じ設備であることがほとんどですが、設備は施設によって変わってきます。
特に自然環境の中にある貸別荘の場合には、近隣にスーパーやホームセンターがないことも多いため、事前に調べて持ち物を準備していきたいですね。
ここでは具体的にどのようなものが必要か、あると便利かをご紹介します。
必ず持っていきたい持ち物
①長袖、長ズボン、多めの着替え
夏であっても寒冷地や標高の高い場所は夜に冷え込み寒くて眠れなかったり、逆に吹き抜けの部屋で2階に熱気がこもり、暑くて眠れないこともあります。
そのため、長そでの衣類やフリースなどの防寒着、汗をかいた際に着替えられるよう多めに着替えを準備しておくと安心です。
②延長コード・たこ足配線
滞在先で意外と困るのがコンセント問題。
スマートフォンやタブレットの充電をしたくても、コンセントの数が少なかったり、遠い場所にあって使いにくいこともあります。
お部屋のアンペア数に限りがあることも多いので、管理棟によく確認してからですが、延長コードやたこ足配線は持参をおすすめします。
特にグループでの宿泊はスマートフォンの充電などでコンセントの取り合いになるため、必須級アイテムです。
③ランタン、懐中電灯
コテージであれば照明器具はついていることがほとんどですが、それでも眠る時に手元に灯りが欲しい場合や、外でBBQをする際にランタンがあると便利です。
また懐中電灯やヘッドライトがあると外で荷物や薪など探し物をするときに便利です。
④タオル、アメニティ、歯ブラシなど
浴室や洗面台が備え付けられていても、シャンプーやボディソープ、歯ブラシや歯磨き粉、タオルなどはないことがほとんどでしょう。
近隣の日帰り温泉に寄る際も使えるため、洗面道具やアメニティは持参しましょう。
⑤虫除けグッズ
一年の中でも一番虫が多い夏。
特に自然の多い環境に行く場合は必須です。
蚊取り線香や虫除けスプレー、かゆみ止めなど必ず持っていきましょう。
自然が多い場所はムカデやアブ、ハチなど危険な虫も多いため、効果の強いものをおすすめします。
⑥救急セット
自然が多い環境や外で遊ぶことが多いとトゲが刺さったり、ちょっとした切り傷、靴擦れなどができてしまいます。
そのため絆創膏、湿布薬、めん棒や毛抜き、アルコール消毒液は持っていきたいアイテムです。
また頭痛薬や胃薬などの常備薬も持っていくと安心でしょう。
⑦トイレットペーパー
お部屋にトイレがあればトイレットペーパーが付いていないことはほぼないでしょう。
しかし、足りなくなった場合は困ってしまいます。
そんなときのために1ロールは持って行きましょう。
BBQ時やちょっと汚れたときにも室内にあると便利です。
⑧ゴミ袋
貸別荘であってもゴミは持ち帰りの場所もあります。
または、燃えるごみだけ、ペットボトルだけなど、決まった種類のみ収集してくれる場合もあります。
そんな時に備え、分別できるようゴミ袋を持参しておきましょう。
BBQに必要な持ち物
①炭、着火剤、トング、軍手
貸別荘によってはトングや軍手、着火剤や炭などはBBQセットに含まれていたり、購入することもできるかもしれません。
しかし、用意がない場合は自身で持っていく必要があります。
また、炭は足りなかった場合に備えて、周辺のスーパーやホームセンターの場所や営業時間もチェックしておきましょう。
②クーラーボックス
貸別荘の場合は冷蔵庫がついている場合がほとんどですが、BBQや庭で遊ぶ際に飲み物を冷やすクーラーボックスがあると大変便利です。
その際は保冷剤も忘れずに入れておきましょう。
③紙皿、カトラリー、ラップ、アルミホイル
公式サイトには設備として記載があっても、実際に行ってみるとなかったという話もあります。
食器やカトラリーがないと食事ができません。
そのため紙皿や割り箸でも良いので持って行くと安心です。
また、ラップやアルミホイルがあるとお皿を汚さず洗い物を減らしたり、残った食材を無駄にしないよう包むことができます。
④調味料
食材は忘れることがないですが、意外と忘れやすいのが調味料。
塩コショウやアウトドアスパイス、焼肉のたれ、お醤油、マヨネーズなど作る料理のメニューに合わせて調味料も忘れず持参しましょう。
食材と一緒に購入するでもいいですが、使い切ることは難しくゴミとなってしまうので、自宅から持参するのがおすすめです。
⑤スポンジ、洗剤
貸別荘のキッチンに、食器用洗剤やスポンジがあるかどうか事前に確認しましょう。
ない場合は持っていく必要があります。
あると便利な持ち物
①スリッパ類
貸別荘に設備として置いている場合もありますが、ないことも多いので持参すると良いでしょう。
スタッフが清掃に入っていても滞在中に虫の死骸や埃が落ちることもありますし、夜は床が冷たいこともありますので、スリッパやルームソックスがあると良いです。
②遊び道具
大人にとってはのんびりとした時間を過ごすために行くわけですが、家やホテルに環境が近い貸別荘では意外と子どもは退屈だったりします。
室内で遊べるものや、庭で遊べるキックボード・シャボン玉を持参しておくと退屈しのぎになります。
カードゲームなど持って行って大人も一緒に遊べると更に良いですね。
③インスタントの食材
夜食や朝食にもなるカップ麵やカップスープなど、インスタント食品をいくつか持って行くと、スーパーが離れていたり管理棟に売店がなかったりする場合でも安心です。
特にお子さんがいる場合は、現地での食事が合わなかったりということもあるため、普段食べなれているレトルト食品を持っていくといざという時に便利です。
大人も滞在中は遊びたいと思うのは当然ですし、家族の食事を用意し続けるのは大変なことです。
また、体調がすぐれなかったり、天候不良でBBQができなかったりと不測の事態もあるためインスタント・レトルト食材は持っていくと安心です。
④雨具
天候が崩れやすい山の場合は特に雨具の準備をしておくと良いでしょう。
手がふさがらず作業がしやすい、レインウェアがおすすめです。
荷物の撤収や片付け時、雨が降ってもレインウエアやレインハット、撥水加工のあるアウターがあれば安心です。
寒さをしのぐのにも使えるでしょう。
オススメの貸別荘3選

この夏行きたい貸別荘を3つご紹介します。
the moss(静岡県)
大人数で宿泊可能なハイグレードヴィラ
定員最大12名、5LDK+3つのバスルームという広大な邸宅で、全室オーシャンビュー。
室内スピーカー、プロジェクターの他、ハイグレードな設備で大人が楽しめるラグジュアリー空間です。
https://72hours.jp/vacationrental/the_moss/
季楽~KIRA~(千葉県)
太陽と星が輝く宿
敷地内にはプールや本格的な屋根付きBBQガーデンがあります。
また芝生エリアにはバリのビーチを思わせるビーズクッションや、ウッドデッキにもバリの家具があり、リゾート気分を満喫できます。
Villa Yoshino(長野県)
自然の中で天然温泉も楽しめる
信州安曇野にある森の中で大人も子供も一緒になって楽しめる貸別荘。
可愛らしい三角屋根のコテージ、広いBBQテラスで自然を感じながらのんびりとした時間を過ごせます。
※全ての施設が一棟貸しのため、すでに予約終了している場合がありますのでご了承ください。
まとめ
今回は貸別荘のおすすめな理由と、行く前にチェックしたいポイントや持っていきたい物をご紹介しました。
- 貸別荘は一棟貸切りでファミリーやグループにオススメ
- 家と同じ設備でBBQなどの非日常が味わえる
- ホテルと違い消耗品や食材は自分で用意する必要がある