別荘を所有している方の多くが悩む「管理」の問題。
長期間不在になることで、建物の劣化やカビ・害獣の被害、台風や大雨後の破損など、思わぬトラブルが発生することがあります。
自分で管理するのは時間も手間もかかり、快適な滞在を損なうことも少なくありません。
そこで注目されるのが「別荘管理サービス」です。
今回は、別荘管理サービスの基本から具体的な内容、料金相場、選び方、さらにはどんな人に向いているかまで詳しく解説します。
別荘管理サービスとは?|まず知っておくべき基本と役割

別荘管理が必要とされる背景
別荘は日常的に使用する住宅と異なり、利用頻度が低く、長期間不在になることが多い建物です。
このため、湿気・カビ・害獣の侵入、台風後の破損、郵便物の滞留による犯罪リスクなど、放置するとさまざまなトラブルが発生します。
特に山間部・高原エリアでは気候条件による劣化も進みやすく、定期的な点検が欠かせません。
このようなリスクを軽減するために利用されるのが「別荘管理サービス」です。
別荘管理サービスのカバー範囲
別荘管理サービスは、別荘オーナーに代わって建物や敷地の点検・清掃・管理を行うサービスです。
具体的には巡回点検、換気、通水、清掃、郵便物管理、庭木のメンテナンス、災害時の緊急対応など、幅広い内容をカバーします。
利用頻度や地域の特性に応じてサービスを柔軟に選べる点が特徴です。
別荘管理が必要な理由|利用頻度別リスクと対策

夏のみ利用といった長期不在の場合
夏のシーズンのみ利用といった半年以上訪れない別荘では、以下のようなリスクが急増します。
- 室内のカビや湿気の蓄積
- 破損箇所が放置され雨漏りや腐食へ進行
- 動物、虫による侵入・巣作り
- 植栽の放置による景観悪化や近隣への影響
- 郵便物の滞留による空き巣リスク上昇
管理サービスによる定期巡回で、これらのリスクを早期に発見・対処できます。
月1回程度の利用の場合
月に1回程度の利用でも、湿気や配管のトラブルは十分に発生します。
換気不足によるカビ、通水不足による悪臭、動物侵入の痕跡など、1か月の放置で環境は大きく悪化する可能性があります。
これらを防ぐためには、定期的な巡回とメンテナンスが必要です。
毎週のように利用していても管理が必要な場合
毎週利用している場合でも、雪が多い地域や湿気の強い地域では、専門的な管理が必要になることがあります。
雪下ろしや季節ごとのメンテナンスなど、日常利用だけでは対応が難しい部分は管理サービスが有効です。
別荘管理サービスの主な内容

巡回(建物外周・内部確認)
外観・外周・室内の異常を確認する基本サービスです。
主に破損、雨漏り、窓や扉の状態などを点検します。
台風後の臨時巡回に対応している会社もあります。
換気・通水・清掃などのメンテナンス作業
カビの原因となる室内の湿気を逃すための定期換気や、配管トラブルを防ぐ通水作業、簡易清掃などを行います。
短時間の作業でも劣化防止には大きく貢献します。
郵便物の整理・転送
郵便物がたまると不在が外部に伝わり、空き巣や不法滞在などの防犯リスクが高まります。
管理会社によっては郵便ポストの整理の他、郵便物の転送も行っています。
庭木・外構のメンテナンス
草刈り、剪定、落ち葉掃除などを行い、景観を維持するとともに害虫発生や倒木のリスクを抑えます。
その他オプション(害獣対策・雪かきなど)
地域特性に応じて、害獣対策、雪下ろし、除草、消臭作業などの追加オプションを利用できます。
料金相場と費用の目安

基本料金の相場(巡回・点検)
一般的な価格帯は以下のとおりです。
- 巡回点検・換気:月額3,000〜10,000円
- 清掃:1回5,000〜30,000円
※地域や建物規模、内容により変動します。
オプション料金の例
以下は一般的なオプション作業の料金目安です。
- 草刈り:1㎡あたり300円~500円
- 雪かき:1回 8,000〜50,000円
- 害獣対策:10,000円〜
※面積や内容により変動します。
年間維持費のシミュレーション
標準的な別荘(80〜120㎡)で下記サービスを依頼した場合
- 巡回点検・換気(月1回):年間4〜10万円
- 清掃(月1回):年間6〜40万円
- その他メンテナンス:年間5〜20万円
合計 年間15万円~が目安です。

どんな人に別荘管理サービスは向いている?

別荘管理サービスは「遠方で別荘を所有している人」だけでなく、生活スタイルや利用頻度、目的によって必要性が大きく変わります。
ここでは、サービスの利用が特に効果的となる具体的なケースを詳しく紹介します。
①遠方に住んでいて、別荘の様子を定期的に確認できない人
別荘から自宅まで片道2〜3時間以上かかる場合、月1回の訪問でさえ負担になります。
その結果、
- 台風後の破損
- 落ち葉・枝による雨樋の詰まり
- 害獣侵入
- カビや湿気によるダメージ
といったトラブルに気づけないリスクが高まります。
別荘管理サービスは、巡回点検・換気・通水などの基本作業を代行し、異常があれば写真付きでレポートを送ってくれるため、遠方のオーナーにとっては大きな保険となります。
②多忙でメンテナンスの時間を確保しにくいビジネスパーソン
平日は仕事、週末は家族サービス…という生活パターンの方に多く、 「別荘には行きたいが、管理にかける時間がない」という悩みを抱えるケースです。
別荘の管理には実際に以下の作業が必要となってきます。
- 2時間以上の換気
- 排水トラップの通水
- 庭木の剪定
- 草刈り
- 室内外の清掃
- 郵便物確認
- 台風後の点検
これを毎月こなすのは、かなりの負担に感じるでしょう。
別荘管理サービスを利用することで、「行きたいときに行くだけ」の状態に近づき、別荘が真のリフレッシュ空間として機能します。
③別荘を投資物件としても捉えている人(資産価値を守りたい人)
別荘は居住用だけでなく、将来的に
- 家族に引き継ぐ
- 売却する
- 貸別荘として活用する
といった可能性を持つ資産です。
しかし、管理が行き届かない別荘は
- カビの発生で内装が劣化
- 水回りの臭い
- 害獣被害による修繕費増大
- 外観・庭の荒れによる査定ダウン
などの理由で、資産価値が下がってしまいます。
管理サービスを使うことで、定期的に適切な状態を保ち、資産価値の維持につながるため、投資的な視点を持つオーナーにも向いています。
④空き家のような状態を避けたい人(防犯対策を重視している人)
別荘は長期間不在になりやすいため、空き巣・不法投棄・無断侵入のリスクがあります。
窓ガラスの破損やポストの溜まった郵便物は、外部から見ても「住んでいない」と判断されやすく、狙われる原因になります。
巡回サービスを利用すれば、
- 定期的な外観チェック
- 郵便物整理
- 夜間の異常確認(対応会社のみ)
が行われ、「人の出入りがある建物」という状態を維持できるため、犯罪抑止にも効果的です。
別荘管理サービスの選び方|失敗しないためのチェックポイント

- 巡回頻度・点検項目の詳細を確認する
写真付きで報告してくれるか、点検項目が明確かを確認しましょう。 - 報告書の形式をチェックする
写真や動画つきか、報告内容が詳細かは信頼性に直結します。 - 対応エリア・移動コストを考慮する
距離によっては出張費が高くなるため、事前確認が必要です。 - 料金体系(パッケージ/都度)を比較する
必要なサービスだけ選べる柔軟さがあるかを確認すると無駄な支出を防げます。 - 実績・専門性を確認する
別荘管理に特化している会社は、地域特性やトラブルに精通しています。
初めて依頼する前に知っておきたい注意点

契約前に確認すべき7つのポイント
- 巡回頻度
- 点検項目と作業内容
- 緊急対応の範囲
- 追加料金の発生条件
- 報告書の形式
- 対応エリア
- 解約条件・契約期間
依頼後にトラブルになりやすいケース
- 想定外の追加料金が発生
- 報告の簡素化により異常が発見できなかった
- 依頼内容の認識違いによるトラブル
管理会社と上手に付き合うコツ
- 要望を明確に伝える
- 報告内容を必ず確認する
まとめ
今回は、別荘管理サービスの基本から具体的な内容、料金相場、選び方、さらにはどんな人に向いているかまで解説しました。
- 別荘は長期間不在になるため、定期的な管理がトラブル防止・快適性維持に不可欠
- 巡回、換気、通水、清掃、緊急対応など、多彩なサービスで建物・敷地の状態を最適化できる
- 料金・点検項目・緊急対応の有無を比較し、利用スタイルに合った管理会社を選ぶことが重要

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