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二拠点生活にも最適!「空き家バンク」の使い方|成功する物件選びのコツや注意点も詳しく解説

2025 12/09
別荘・セカンドハウス
2025年12月10日
二拠点生活にも最適!「空き家バンク」の使い方|成功する物件選びのコツや注意点も詳しく解説

二拠点生活を始めたい、自然のそばで過ごす拠点がほしい、将来的に地方へ移住したいと考える人に、費用を抑えた物件探しの選択肢として「空き家バンク」が人気を集めています。

特徴は、一般の不動産市場には出てこない古民家・農家住宅・格安物件などが登録されている点です。

しかし、空き家バンクは一般的な不動産の売買や賃貸と違い、利用ハードルが高いと感じる人も多いかと思います。

今回は、空き家バンクの使い方と成功する物件選びのコツや注意点、そして向いている人・向いていない人の特徴まで詳しく解説します。

目次

空き家バンクとは?

自治体が運営する空き家活用制度

空き家バンクとは、自治体が主体となり、地域内の空き家所有者と利用希望者をマッチングする制度です。

今の日本では少子高齢化により特に地方で空き家が急増し、老朽化・倒壊リスク・景観悪化といった課題が顕在化しています。
これを防ぐため、自治体は空き家の利活用を促進し、移住者の獲得や地域活性化につなげようとしています。

空き家バンクには、売買物件だけでなく、賃貸物件、期間限定の利用を想定した物件など、自治体により幅広いタイプが登録されています。

また、掲載される物件の価格は、都市部の水準と比べて非常に安い場合が多く、中には無償譲渡といった特別なケースもあります。

掲載される物件の特徴

空き家バンクに登録される物件には、市場に出回りにくい個性的な物件が多い傾向があります。
たとえば、築50年以上の古民家や、敷地が広い農家住宅、水回りが古いままの家屋などです。

また、比較的安価に購入できる理由として、「現状渡し」が基本である点が挙げられます。
建物の状態はまちまちで、家屋の修繕を前提とした物件が多く、購入後のリフォームやメンテナンスが必要になる点を理解しておきましょう。

民間の不動産サイトとの違い

一般的な不動産サイトとは異なり、空き家バンクでは詳細情報が少ないケースがよくあります。
理由は、自治体は不動産会社ではなく、仲介義務を負わないためです。

そのため、物件情報の更新頻度・写真・間取り・修繕履歴などの情報が不足していることがあります。

一方で、「希少物件が見つかる」というメリットもあります。
古民家や広い土地付き物件など、地域ならではの住まいを探したい人には魅力的な選択肢です。

空き家バンクの利用方法

ここでは空き家バンクの利用方法をステップ毎に解説します。

STEP1:空き家バンクで物件を探す

住みたい地域が決まっている場合は、その地域に空き家バンクがあるかを確認します。

まだ住みたい地域が決まっていない人のために、空き家バンク全国版として、「at home」や「LIFULL HOME’S」が運営しているポータルサイトもあります。

探す上で注意しておきたい点は、自治体によって運用体制が異なるため、情報量・写真の充実度・更新頻度などに差がある点です。
またすべての自治体が空き家バンクを開設しているわけではないため、この点も注意が必要です。

STEP2:利用登録を行う

多くの自治体では、空き家バンクの詳細情報を閲覧したり、内見予約をしたりするために利用者登録が必要です。

各自治体で用意されている「利用申込書」に必要事項を記載して窓口に提出、また郵送で利用者登録の申し込みをします。
昨今はオンラインで申し込みができる自治体も増えてきています。

STEP3:物件の見学

気になる物件があれば、自治体経由で所有者に連絡し、見学日程調整を行います。
自治体職員が立ち会う場合もあれば、所有者のみが対応することもあります。

現地では以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • 水回りの老朽化
  • 屋根や外壁の劣化状況
  • 給排水や電気設備の状態
  • 周辺環境の安全性や静けさ
  • 冬の積雪量や交通事情

特に古い住宅では、外から見ただけでは判断できない問題が潜んでいることも多く、必要に応じて専門家の同行調査も検討しましょう。

STEP4:契約手続き

物件に納得したら、所有者との売買契約または賃貸契約を進めます。

ただし、空き家バンクでは、

  • 自治体は仲介者ではない
  • あくまで「情報提供・マッチング支援」の立場である

という点を理解しておく必要があります。

この仕組みにより、「不動産の専門家を介さず、所有者と利用者が直接交渉する」というケースが多く発生します。

契約書の作成、物件の状態説明、瑕疵担保責任など、通常は宅建業者が対応する項目を個人間で行うことになります。
トラブルを避けるためにも、不動産会社への仲介依頼や司法書士への登記依頼、専門家の事前アドバイスを活用することを強くおすすめします。

自治体によっては、地場の不動産会社と連携している場合もあるため、事前に確認すると良いでしょう。

空き家バンクを利用するメリット

ここでは空き家バンクを利用するメリットを紹介します。

①物件価格が安い

空き家バンクに掲載される物件は、市場価格より大幅に安いケースが多いです。

築年数が古い、立地が悪いといった市場価値が低いため、相場よりも安い傾向があります。
また、所有者が「管理ができない」「早く手放したい」などの理由を持っている場合、相場より低価格で売却されることがあります。

中には無償譲渡、もしくは極めて低価格で購入できる物件もあり、初期費用を抑えて地方生活を始めたい人に向いています。

②古民家や農家住宅など希少価値の高い物件に出会える

一般の不動産市場に流通しにくい古民家や農家住宅が見つかることも魅力の一つです。
広い土地付きの家屋、築数十年の木造家屋、庭・蔵付きの物件など、自然豊かな暮らしをしたい人にとって理想的な選択肢がそろいます。

③地域の移住支援制度と併用できる

リフォーム補助金や移住支援金など、自治体が提供するさまざまな支援制度を受けられる場合があります。

物件価格が安くても、改修費用が高額になりがちな空き家において、補助金制度は大きなメリットです。
自治体によっては「空き家バンク利用者限定」の支援制度を用意している地域もあります。

④地域とのつながりが作りやすい

空き家バンクは自治体が仲介する仕組みのため、担当者や地域住民との接点が生まれやすい特徴があります。
見学時に地域の方と挨拶を交わしたり、移住支援相談で生活情報を教えてもらえたりと、移住後の不安を解消するきっかけになります。

空き家バンクを上手に活用するコツ

こまめに情報をチェック

人気の自治体や観光地周辺の物件は、登録と同時に問い合わせが殺到することがあります。
また、不動産ポータルサイトに比べ、掲載件数が少ないため、条件の良い物件はすぐに決まってしまいます。

気になる地域がある場合はこまめにチェックし、物件が掲載されたら早めに問い合わせると良いでしょう。

現地視察は複数回行う

古い家屋は一度の見学だけでは判断しきれません。 天候の違い、周辺住民の生活音、日当たりの変化、季節ごとの環境など、二拠点生活ならではの観点で複数回チェックすることが大切です。

リフォーム前提で考える

空き家バンク物件は、「そのまま住める」状態のものは少数派です。
壁・床・配管設備・屋根など、どこかしら修繕が必要になることがほとんどです。

築年数が古い家ではコンセントの数が足りない、ということもあるため配線工事が必要だったという話はよく聞かれます。
また、電気・ガス関連機器の耐用年数は10~15年のため、最新の取替工事日を確認すると良いでしょう。

他にも、配管・下水回りのリフォームが必要となるケースが多いため、予算を立てておきましょう。
DIYができる部分とプロに依頼する部分を見極めることも重要です。

支援制度や補助金とセットで考える

自治体によっては、空き家バンク利用者向けの補助金制度を用意しています。

たとえば、

  • 購入費の補助
  • リフォーム費用の一部助成
  • 移住者向け家賃補助

などが代表的です。

物件価格だけでなく、補助金や税制優遇も含めて総合的に判断することでお得に物件を取得することができます。

利用条件は各自治体で異なるため、事前に条件を確認すると良いでしょう。

空き家バンクを利用する際の注意点

物件情報だけで判断せず、必ず現地確認をする

自治体は不動産会社ではないことと、空き家への不法侵入やいたずら防止の観点から物件の詳細情報を開示していないケースも少なくありません。
掲載情報だけでは判断できないため、必ず現地にいって確認しましょう。

老朽化リスクが高い

築年数が長い住宅の場合、耐震性、水回り、配管、屋根、基礎などに不具合がある可能性があります。
修繕費が数百万円単位になることも珍しくありません。

不動産会社に仲介に入ってもらう場合には、不動産会社からアドバイスを受けることができますが、個人間で売買契約や賃貸契約を結ぶ場合、自身で所有者に確認とったり、実際に物件を確認する必要があります。

建物に関する専門的な知識が必要になるため、不安な方は不動産会社に仲介に入ってもらうと良いでしょう。

手続きに時間がかかるケースがある

自治体を経由したり、個人間では連絡が取りづらかったりするため、一般の不動産売買より契約完了までに時間を要することがあります。

二拠点生活の開始時期を決めている場合は、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。

個人間の交渉となるケースがあり、契約リスクが高い

空き家バンクの大きな注意点として、 「宅建業者を介さず、所有者と利用者が直接交渉する」 という状況が発生しやすい点があります。

個人間契約では以下のようなリスクが発生します。

  • 契約書が不十分でトラブルになる
  • 引き渡し後に重大な欠陥が見つかる
  • 境界不明、越境問題などが放置されていた
  • 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の取り決めが曖昧

これらは専門知識のない個人間で解決するのは難しく、場合によっては金銭トラブルに発展する可能性もあります。

最小限のリスクで契約するためには、宅地建物取引業者への仲介依頼や司法書士への登記手続きの依頼など、専門家の力を借りることが非常に重要です。

空き家バンクが向いている人・向いていない人

空き家バンクは自治体の制度であり、市場に出回らない物件が多いため、人によっては向いてなかったというケースもあります。
ここでは空き家バンクが向いている人、向いていない人をまとめましたので、参考にしてください。

向いている人

  • リフォームやDIYを前提に、家づくりを楽しめる人
  • 予算を抑えて二拠点生活を始めたい人
  • 古民家や農家住宅など、個性的な物件に魅力を感じる人
  • 情報収集や現地確認に積極的に動ける人

向いていない人

  • 購入後すぐに住める状態の物件を探している人
  • 修繕やメンテナンスに時間を割けない人
  • 交渉・契約などの手続きに手間をかけたくない人
  • 築浅・利便性重視の家を求める人

まとめ

今回は、空き家バンクの使い方と成功する物件選びのコツや注意点を解説しました。

  • 空き家バンクは費用を抑えて二拠点生活・移住を始めたい人にとって魅力的な制度
  • 反面、古家の修繕、個人間契約リスク、情報不足など注意点が多い
  • 専門家の活用や複数回の現地視察により、トラブルを防ぎ、納得感のある物件選びが可能になる

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