二拠点生活・地方拠点の選択肢が広がる中で、できるだけ費用を抑えたい、DIYに挑戦したい、という人におすすめなのが「キットハウス」です。
従来のログハウスや中古戸建、賃貸住宅と比べた際に、価格面の手軽さや自分で関わる楽しさ、施工の短さといった特徴があり、セカンドハウスや二拠点生活の入門的な選択肢として検討されるケースが増えています。
今回はキットハウスとは何か、どのような人に向いているか、注意点など、二拠点生活を検討している人に向けて解説します。
キットハウスとは

キットハウスとは、住宅の主要な部材を工場で生産し、現地で組み立てる住宅キットを指します。
必要な木材や接合部材、断熱材などがあらかじめ加工・カットされ、セットで届けられるため、セルフビルドをしたい人に人気があります。
木造が主流であり、延床面積も小さいものから家族向けサイズまで幅広く存在しています。
セルフビルドで楽しむ小さなタイニーハウスから、複数室ある住宅タイプまで、趣味の小屋、書斎・ワークスペース、セカンドハウス用途としても使えます。
キットハウスは木材を中心とした構造であるため、自然素材の質感を生かしつつ、自分の手で組み上げる楽しさがある一方で、基礎や設備工事、屋根・断熱仕様などは追加施工を要する場合が多い点に注意が必要です。
キットハウスが二拠点生活でおすすめな理由

キットハウスが二拠点生活を始める人におすすめな理由は以下の通りです。
初期費用を抑えやすい
キットハウスが二拠点生活の選択肢として注目される最大の理由は、比較的初期費用を抑えられる点です。
従来の戸建て住宅を新築する場合、多くの工事が現場で発生し、人件費や材料費が膨らみがちです。
一方、キットハウスは部材が工場製造されるため、材料の無駄が少なくなり、価格面が抑えやすいという特徴があります。
本体価格の目安は、タイニーハウスなどの小規模キットでは30万円前後からと比較的低価格ながら、基本的な構造部材が揃っているためセルフビルドでも始めやすいというメリットがあります。
ただし、基礎工事や設備工事、断熱・仕上げ工事は別途費用になるため、総合的な予算計画が必要です。
中古戸建や新築の注文住宅と比較すると、部材コストそのものは低く抑えられる傾向があり、「試しに拠点を持つ」という使い方ではコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
短期間で設置できる
キットハウスは部材が工場で加工・カットされているため、現地での組み立て作業が比較的短期間で済むという特徴があります。
都市部で忙しく働く生活者にとって、長期間現地に滞在して施工を待つ必要がない点は大きなメリットです。
週末中心の施工スケジュールでも進められるため、都市と地方を行き来しながら家を完成させることも可能です。
必要最小限で始められる
週末利用や季節利用といった期間限定の滞在を想定している場合、キットハウスのサイズや構造は必要最小限の住まいとして理想的です。
広さを抑えつつ快適性を確保することで、無駄のない空間設計が可能になります。
管理をする負担の軽さも大きなポイントです。
広い住宅を持つと、掃除や保守管理が負担になりますが、コンパクトなキットハウスはその負担を抑えられるため、二拠点生活の両立がしやすくなります。
キットハウス購入する際の注意点

建築基準法・建築確認の扱い
キットハウスは部材自体は加工済みで届きますが、住宅として使う場合は建築基準法や建築確認申請の対象となるケースがあります。
建築確認についてはキットハウスを建てる際に、一定の条件を満たせば建築確認申請が不要になります。
建築確認申請が不要となる条件は次の4つです。
- 床面積が10㎡以下であること(約3坪または6畳程度)
- 都市計画区域外にあるか、都市計画区域内でも既存建物がある敷地内で既存建物の増築・別棟であること
- 防火地域・準防火地域外に建設すること
- 階数が1以下で、高さが10m以下であること
一方で、以下のような場合、建築確認申請が必須となります。
- 床面積が10㎡を超える場合
- 母屋のない更地に新築する場合
- 防火地域や準防火地域内に建てる場合
- 2階建てやロフト(天井高1.4m以上)の床面積を含めて10㎡を超える場合
建築確認申請は専門知識が必要なため、該当する場合は建築士や専門業者に相談しましょう。
断熱・耐久性・メンテナンス
キットハウスは本体部材が現地組み立てになるため、断熱・耐久性が仕様によって大きく異なることがあります。
特に寒冷地や多湿地域では、断熱性能や防水処理、基礎仕様などの検討が不可欠です。
標準仕様のままでは十分な快適性が得られない場合もあるため、長期利用を前提にする場合は追加投資を検討する必要があります。
住宅ローン・補助金が使えない場合がある
キットハウスは、一般的な住宅ローンの対象にならないケースがある点も注意が必要です。
銀行や金融機関は、住宅の担保評価やローン審査において基準の対象構造物として判断するため、キットハウスの形態によっては対象外と判断される場合があります。
加えて、住宅ローン控除や移住支援の補助金が対象にならないケースもあるため、資金計画の段階で事前に確認することが重要です。
キットハウスはどんな人に向いている?

ここではどんな人にキットハウスが向いているかを紹介します。
キットハウスが向いている人
- 二拠点生活をまず試したい人
- 週末や季節利用など、短期間での利用が中心の人
- 趣味や仕事の拠点を持ちたい人
キットハウスが向いていない人
- 長期の生活拠点として高い快適性や設備を求める人
- 家族4人以上での利用を想定している人
- 住宅ローン前提で考えている人
キットハウス以外の選択肢との比較

二拠点生活を始める上で、キットハウス以外の選択肢を比較してみました。
中古戸建との比較
中古戸建はすでに建物として完成しており、入居までの手間が少ないというメリットがあります。
リフォームを加えることで快適性を高めることもできますが、築年数が古い場合は設備更新や断熱改善が必要になるなど、予想外のコストが発生することがあります。
一方でキットハウスは自分の手で作る楽しさがあり、初期投資に自由度がある点が魅力です。
賃貸との比較
賃貸住宅は、初期費用をさらに抑えられる選択肢です。既存の建物を利用することでコストを抑えつつ住まいを確保できます。
ただし所有権がないため長期的な拠点形成には向かない場合があります。
一方でキットハウスは自分の資産として持つことができ、拡張や改装が自由というメリットがあります。
トレーラーハウス・コンテナハウスとの違い
トレーラーハウスやコンテナハウスは、移動性・汎用性が高い点が魅力です。
トレーラーハウスはその名の通り運搬が容易で、季節ごとに場所を変える使い方もできます。
コンテナハウスは既存の輸送コンテナをベースに住居化したもので、頑丈さやコスト性が高いという特徴があります。
一方でキットハウスは固定建築としての拠点形成に適しており、居住性や空間設計の幅が広い点が違いとして挙げられます。
キットハウスが購入できるサイト

ここでは、キットハウスの販売をしている会社をご紹介します。
アトリエエムズ
アトリエエムズは、フィンランドや中国の直輸入材を活用したログハウスのキット・施工を手掛ける専門工房です。
直輸入材による高品質なログハウスを自由設計で提案し、セルフビルドから施工まで柔軟に対応。
オリジナリティある住宅や趣味空間を、自分仕様で実現したい人に適したサービスを提供しています。
| 価格 | 3坪79.2万円(税込)~ |
|---|---|
| 販売エリア | 全国 |
| 施行・セルフビルドサポート | 対応可 |

Green bell
グリーンベルは、木製小屋・ガレージ・住宅キットの企画・設計・販売を行うメーカーです。
物置や趣味スペース、ワークスペースとしても使える多様なキットをラインナップし、全国の展示場や代理店で実物を確認できる体制を整えています。
ライフスタイルに合わせた空間提案が強みです。
| 価格 | 2.8坪47.8万円(税込)~ |
|---|---|
| 販売エリア | 全国 |
| 施行・セルフビルドサポート | 対応可(セルフビルドサポートは電話対応) |

親和木材工業
親和木材工業は、自社工場で国産材を加工しログキットハウスを製造・販売する木材メーカーです。
特許取得の中空木材を活用した断熱性の高いログキットは、部材がプレカットされており比較的簡単な組み立てで本格的なログ住宅や趣味の小屋が実現できます。
施工サポートやオプションも充実しています。
| 価格 | 3坪89.2万円(税込)~ |
|---|---|
| 販売エリア | 全国 |
| 施行・セルフビルドサポート | 対応可(セルフビルドサポートは要確認) |

まとめ
今回はキットハウスとは何か、どのような人に向いているか、注意点などを解説しました。
- キットハウスは初期費用や施工の軽さ、自分で関わる楽しさがある
- 住宅性能や法規制、融資・補助金の取扱いなど、事前の確認をする
- 利用目的を明確にすることで、キットハウスが自分に向いているか判断がしやすくなる

