自然豊かな環境に構えることが多い別荘やセカンドハウスでは、敷地周辺の雑草管理が欠かせません。
雑草は定期的に刈り取らなければ害虫が発生してしまったり、近隣住人とのトラブルなどが引き起こされてしまうこともあります。
しかし、これからの暑い季節での作業は体力も消耗しますし、限られた時間は有効的に使いたいですよね。
そこで今回は、除草剤のメリット・デメリットや選び方、安全な使い方を解説します。
草刈りと除草剤はどっちがいい?

草刈りと除草剤はどちらも「雑草対策」という点では同じ目的ですが、それぞれのメリットとデメリットがあります。
草刈りのメリット・デメリット
草刈りのメリット
- 安全・安心 薬剤を使わないので、人体や草木など環境への影響がない
- 管理しやすい 雑草の種類や生え方に合わせて、刈り方を調整できる
- すぐに効果が出る 直接、雑草を刈るためすぐに効果が実感できる
草刈りのデメリット
- 時間と手間がかかる 雑草の量が多い場合は、刈るのに時間や手間がかかる
- 草がすぐ生えてくる 根本から除去できないため、定期的な草刈りが必要
- 騒音 ガソリン式草刈機は、騒音が大きいため、周囲への配慮が必要
除草剤のメリット・デメリット
除草剤のメリット
- 手間が少ない 撒くだけで雑草を枯らせるので、労力がかからない
- 広範囲に効果 広い範囲の雑草を、短時間で処理できる
- 効果が持続 薬剤によっては、効果が数ヶ月持続するものもある
除草剤のデメリット
- 安全性 人体や環境への影響が心配
- 効果が出るまで時間がかかる 雑草の種類によっては、効果が出るまでに時間がかかる場合がある
- 見た目が悪い 草が枯れるため見た目がよくないと感じることがある
庭に枯らしたくない草木がある、近隣に農耕地や作物を育てている家があると言った場合は、除草剤の影響で枯らしてしまう場合もあるため注意が必要です。
しかし、近隣に作物がないといった場合には、短時間で作業が行える除草剤はこれからの季節におすすめと言えるでしょう。
除草剤の種類と選び方

限られた余暇の中で短時間で行うには除草剤の使用がおすすめです。
ここでは除草剤の種類についてご紹介していきます。
除草剤には、大きく分けて「茎葉処理剤」と「土壌処理剤」の2種類があります。
茎葉処理剤
一般的に「液体タイプ」の除草剤がこれに当たります。
雑草の葉や茎に直接噴霧することで、枯死させるタイプの除草剤です。
除草効果が現れるのが速いため、「今雑草が多くて困っている」という場合に最適です。
この液体タイプの除草剤はさらに「接触型」と「移行型」に細かく分類されます。
- 接触型 薬剤がかかった部分だけを枯らす
- 移行型 薬剤が葉や根から吸収されて雑草全体を枯らす
特定の場所をピンポイントですぐに枯らしたいときは「接触型」を、広範囲を枯らしたいときは「移行型」を使うとよいでしょう。
しかし効果が早く現れる反面、土壌に浸透しないため、定期的な散布が必要です。
液体タイプがおすすめのシーン
- 今雑草がたくさん生えていて困っている
- 散布直後に植物を植えたい
- 子供やペットが遊ぶ場所をなど、限定的に除草したい
液体タイプの注意点
- 雑草の予防には使えない
- 雨で流されると効果が出ないため、天気を考慮する必要がある
- 新たに生えてくる雑草には効果がない
土壌処理剤
一般的に「粒剤タイプ」の除草剤がこれに当たります。
土壌に散布することで、発芽を抑制したり、根から枯死させたりするタイプの除草剤です。
効き目が直ちに現れるわけではありませんが、生え始めや予防に最適です。
効果はゆっくりですが、一度散布すれば数ヶ月効果が持続するものが多く、手間がかかりません。
ちなみに効果が現れるまでは、1週間ほどかかります。
粒剤タイプがおすすめのシーン
- 雑草が生えてくるのを予防したい
- 長期間、効果を持続させたい
- 広い範囲を除草したい
- ススキなどの強力な雑草も枯らしたい
粒剤タイプの注意点
- 効果が出るまで時間がかかる
- 膝より上に伸びた雑草は不向き
- 均一に撒くのが難しい
対象の雑草を確認
枯らしたい雑草の種類に合った除草剤を選びましょう。
除草剤によって効果のある雑草が違うため、除草したい場所に生えている雑草を確認して対応している物を購入しましょう。
種類別・除草剤の使い方

除草剤には大きくわけて「液体」と「粒剤」の2種類があると説明しましたが、それぞれ使い方が少し異なります。
用法用量や撒く手順が違うので、それぞれのタイプに分けて説明していきます。
撒く場所
除草剤を撒く場所は除草剤のタイプによって異なります。
効果を正しく発揮するためにも、使用場所には注意しましょう。
液体タイプ
液体タイプの除草剤は浸透が早く効果も高いので「この場所だけ除草したい!」というところにピンポイントで撒きましょう。
液体タイプは雑草に直接作用するため、場所を限定して使えることが大きな特徴です。
枯らしたい植物の葉に振りかけて染み込ませることで、その植物だけを枯らすことができます。
粒剤タイプ
撒くのに適した場所は、建物の隙間や駐車場・周囲に畑がない庭などです。
粒剤タイプは土に染み込むことで、長時間かけてじっくりと効果を発揮します。
ただし注意しなければならないのが、雨に流されて思いもよらぬ場所まで影響することがある点です。
周囲の環境には注意を配りましょう。
散布量
除草剤の散布量は除草効果を発揮するために大切なポイントです。
無駄なく使用するためにも、散布量を事前に把握しておきましょう。
液体タイプ
液体タイプの散布量は、葉の表面が軽く濡れる程度でOKです。
土に落ちたものは成分が分解される性質があるため、土を濡らしても効果はありません。
緑色の葉部分にしっかりかかるように散布しましょう。
また、液体タイプは希釈して使うタイプもあるため、パッケージをよく確認しましょう。
粒剤タイプ
粒剤タイプは大体1㎡に対し10~40gほど撒きます。
計量容器がついていなければ、自分の手ではかりましょう。
ただし、雑草の種類や量によっても変わりますので、パッケージを確認するとよいでしょう。
処理する場所に必要な量をはかったら、ボウルなどの容器に入れておきます。
粒剤・粉タイプの除草剤は、最初から丁寧に撒くと途中で薬剤が不足してしまうこともあります。
少量でも効果がある商品が多数ですので、処理する範囲全てに除草剤が行き渡るように考えながら撒きましょう。
除草剤の効果を発揮させるための手順

除草剤の効果を最大限に発揮させるための、撒き方の手順とコツをご紹介します。
液体タイプの場合
- 1m以上に伸びている雑草があれば刈っておく
- 翌日に雨が降らない日の午前中を選ぶ
- ジョウロや噴射機を用意する
- 除草剤を水で希釈する
- 枯らしたい植物に撒く
- 5日あたりに確認し、枯れ残りがあれば再度除草剤を撒く
枯らしたい草には全体が濡れるように撒くと良いです。
また広い範囲に生えている場合はムラが出ないように「S」の字型に撒くのがおすすめです。
横に移動しながら撒いたら一歩後ろへ下がり、また端から端まで移動しながらを繰り返します。
撒いた箇所はできるだけ踏まないようにしましょう。
粒剤タイプの場合
- 草刈りをした直後か、まだ雑草が生えていない状態にする
- 雨上がりや雨が降った翌日を選ぶ
- まんべんなく粒剤を撒く
粒剤タイプを使用する場合は草を刈ってからか、まだ雑草が生えていない状態で除草剤を撒きましょう。
表面に雑草が茂っていると、地中に効果がうまく届かず、効果を最大限に発揮できなくなってしまいます。
1度目は縦方向に除草剤を撒いていき、終わったら次は横方向から撒くようにすればムラなく撒くことができます。
粒剤はボトルや袋の底からから直接撒けるものもありますが、散布する面積が広い場合は、肩に下げるタイプやローラータイプの散布機を使うと負担も少なくなります。
また、手で直接撒く場合は素手で触ることはせず、必ずゴム手袋やビニール手袋を着用しましょう。
効果的な散布のタイミング

除草剤の種類ごとに散布に適した時期があります。
いつ使えばよいのかを知らないと効果を最大に発揮させることはできませんので、以下を参考にしてみてください。
液体タイプの散布時期
液体タイプの散布時期は4月から10月あたりが適期です。
この時期は雑草が大きく成長するタイミングです。
液体タイプの除草剤の場合、葉っぱや茎から薬剤が吸収されて作用するため、雑草がある程度育ってから使用する方が高い効果が期待できます。
1度の散布では処理しきれない場合もあるため、4月~10月の間で2回程度の散布を繰り返すとよいでしょう。
粒剤タイプの散布時期
粒剤タイプであれば、逆に雑草が生えていない状態での散布が最も効果的です。
そのため、粒剤タイプの散布に適している時期は2月~3月と9月~10月の年2回です。
土壌に成分が作用して雑草を枯らすため、雑草が生えている状態だと効果が十分に発揮できません。
雑草が生えている場合は、草刈りを終えてから使用するようにしましょう。
安全にも注意しよう

除草剤を使うときには使用上の注意点をしっかり守らなければ健康被害が起きてしまう可能性があります。
商品ごとの取扱い説明書を確認して、散布する濃度や回数を守って定められた方法で利用しましょう。
散布するときには皮膚が露出しないように防護服(レインコートでもOK)やゴーグル、手袋を着用して、作業後には立ち入り制限を行って、家族はもちろん近隣住人やペットが入らないようにする措置も忘れないようにしましょう。
また、雑草が農作物の近くにある場合には、農耕地用を選ぶことになりますが農作物への残留を防ぐために定められている散布時期を守ることが重要です。
除草剤について注意する点は使用時だけではなく保管時も同様です。
保管するときには子供やペットが手の届かない場所に保管して誤って口にしてしまわないように最大限の注意を払うようにしましょう。
除草に適した時期に訪れることが難しい、余暇はのんびり過ごしたいという方は草刈り業者に依頼する、別荘管理会社のサービスを利用するのもおすすめです。
まとめ
今回は、除草剤のメリット・デメリットや選び方、安全な使い方をご紹介しました。
- 除草剤は草刈りと比べ、手間が少なく広範囲の除草に向いている
- 除草剤には生えている雑草に効果のある「液体タイプ」と、予防・持続効果のある「粒剤タイプ」がある
- 防護服の着用や、周辺環境への安全を考慮して使用しましょう

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