憧れの二拠点生活。
しかし、複数の拠点を持つことで、今まで以上に費用がかかってきます。
限られた予算の中で、豊かで自由な暮らしを手に入れるには節約も必要です。
今回は、二拠点生活を始める方に無理なく続けるために、住宅費用、光熱費と分けて節約方法をご紹介します。
二拠点生活の魅力

まずは二拠点生活の魅力とはどういった点か見ていきましょう。
都会と地方のいいとこどりができる
二地域居住の大きなメリットは、都会の利便性と自然豊かな地方の生活をどちらも楽しめることです。
生活インフラや利便性の高いサービスは都会の方が充実しています。その利便性を享受しながら、週末は豊かな自然がすぐそばにある地方でスキーやサーフィンなどの趣味を充実させることも可能です。
戸建てを持ちやすい
都心部で戸建てを取得するのは、費用面でのハードルが高く難しい場合があります。しかし、自然環境豊かな地域は土地が安く、取得しやすいというメリットがあります。
場所によっては畑付きの戸建てもあり、農業を楽しむという方もいます。
新たな人の繋がりを作れる
交友関係を広げたい人や新たなコミュニティを求めている人にも、二地域居住はおすすめです。
二地域居住をきっかけにサイクリングやキャンプなどの趣味を始めるのであれば、趣味を通して新しい人間関係を築ける可能性があります。また、地域の行事やイベントなどに参加すれば、地元の人との繋がりができるでしょう。
普段の生活では出会うことのない人々と繋がりを持てるのも、二地域居住のメリットです。
二拠点生活にかかる費用

2つの拠点で生活をする二拠点生活は、その分費用もかかってきます。
費用のかかる項目を主に以下の通りです。
①住宅費用
家を購入するなら取得費用や固定資産税、賃貸の場合でも初期費用や家賃がかかります。
さらには荷物を運ぶための引っ越し費用なども必要になってきます。二拠点生活を始めるには、ちょうど引越し1回分の初期費用がかかると見積もっておくと良いでしょう。
②光熱費・生活費
それぞれの拠点での光熱費や通信費の他、食費、日用品費などの生活費もかかります。
毎月の固定費は2倍、変動費も1.5倍ほどになると考えられますから、生活コストが増えることも考慮しながら二拠点生活を始める必要があります。
③移動交通費
それぞれの拠点を移動するためには、移動交通費がかかります。現在の住まいから距離のある地域で二拠点生活を始めたいと思った場合、移動のたびに新幹線代や飛行機代がかかってきます。
一回の出費は大きくなくとも、毎週のように長い距離を移動するなら、交通費だけでかなりの金額になりますので、後述する費用を抑える方法を活用しましょう。
住宅費用の節約術

二拠点生活をする上で、一番費用がかかるものが住宅費用です。
賃貸か購入かでも違ってきますが、今回は購入する場合の節約術をご紹介します。
中古物件を選ぶ
地価が上昇する都市部と違い、地方は新築と中古を比較した際、中古物件の方が安くなります。
人気の別荘地や観光地では数千万台もありますが、少し離れると広い敷地込みでも500~900万円台も多数あります。
例えば、800万円で中古物件を購入し、全額借入・20年ローンとした場合、月々の返済額は約4万円となります。
また、空き家バンクなどを活用すると、中古物件が格安で売りに出されていることもあります。
しかし、空き家バンクに掲載されている物件のほとんどは築年数が古く、通常買い手がつきにくい物件となっているため、大幅な修繕が必要なケースがあるため注意が必要です。
空き家バンクなどで格安物件を探す場合には、修繕箇所、特に水回りの設備を確認して、リフォーム費用も計算に入れておきましょう。
支援制度を活用する
地方自治体では移住者を積極的に誘致している所も多く、住宅に関する支援制度を行っています。
特に国が地方創生の一環として行っている「地方創生移住支援事業」は、移住者に支援金を支給する地方自治体に対して、単身移住の場合は最大60万円、世帯で移住する場合は最大100万円(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大100万円を加算)が支給されます。
対象者は東京23区内に在住または通勤している人で、地方へ移住してテレワークを行うなどの就業要件を満たす必要があります。
ただし、支援金を受け取るには地方自治体へ住民票の移動が必須となる場合が多いので注意してください。
また、自治体によっては事業を実施していない場合もあるので、要件の詳細も含めて国のホームページで確認しておきましょう。
その他、自治体毎に移住やリフォーム、空き家購入に関する補助金制度、サポートを設けている場合があるため、気になる自治体がある際は確認してみましょう。
光熱費の節約術

光熱費も毎月かかってくる費用ため、節約したい項目の一つです。
訪れる頻度や、使用環境に合わせてプランを選んだり、お使いの携帯電話や通信回線とのセット割など、自身に合ったプランを見つけましょう。
ライフスタイルに合ったプランを選ぶ
二拠点生活は自宅と2拠点先を行き来するライフスタイルです。
人によっては、平日にテレワークをしながら2拠点先を活用する場合もあるでしょうし、週末だけ過ごす場合もあるでしょう。
ライフスタイルや使用量に応じて割引が得られるプランを選ぶと節約に繋がります。
●休日割引プラン
二拠点生活では、週末に趣味や余暇を過ごすためといった理由が多く見受けられます。
電力事業者によっては、休日に割引されるといったプランを用意しているところもあるため、二拠点先が対象地域の場合、検討してみるのも良いでしょう。
・東北電力「よりそう+ナイト&ホリデー」
https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/plan/home/yorisou_nh
・中国電力「ナイトホリデーコース」
https://www.energia-support.com/pricemenu/night.html
新電力のプランを活用
2016年以降、電力・ガス小売全面自由化になったことで、今までエネルギーに携わっていなかったさまざまな業種の企業が参入しました。
各社特色のあるプランの打ち出しや、他のサービスとのセット契約で料金がお得になる施策などを打ち出しているため、自身が既に利用しているサービスがあれば検討するのも良いでしょう。
●基本料金0円プラン
基本料金が0円の電力事業者を選ぶことで、月々の料金をお得にできる場合があります。
・楽天でんき
電気の基本料金が0円、電力量料金が一律であることが特徴です。
従量料金は地域電力会社の第一段、第二段より大きく、第三段階目より安い設定のため、電気をたくさん使用する場合に安くなる電力会社です。

・リミックスでんき
基本料金0円で、30分ごとに単価が変わる料金プランを採用しています。
「でんきアラート」という、翌日までの時間ごとの電気代を簡単に確認できる機能があり、事前に電気代がおトクな時間帯がわかります。
また、電気代が高くなる時間にはスマートフォンに「LINE通知サービス」でお知らせが届くので、安心して利用できます。

●セット割を活用
エネルギー会社や携帯電話会社、その他さまざまなサービス事業者で電気やガスとセットで割引になるプランがあります。
現在お使いのサービスで、電気やガスが申し込めるものがあるか確認すると良いでしょう。
・東京ガス「ガス・電気セット割」
東京ガスが提供する「ガス・電気セット割」です。
電気契約ごとに、毎月の電気料金の基本料金および電力量料金の合計額から、合計額に0.5%を乗じた額を割引するといったサービスです。
新電力での電力販売量では、東京ガスが一番となっており、大手ガス会社としての安心感もあります。

・携帯電話会社のセット割
au、ドコモ、ソフトバンク、楽天といった携帯電話会社でも電気やガスのセットプランを提供しています。
主に、電気の利用料に応じて、携帯電話会社が提供・提携しているポイントの還元となります。
ドコモであればdポイント、ソフトバンクであればPayPayポイントと普段のショッピングで利用しやすいポイントで還元される点がメリットと言えるでしょう。
また、多くの携帯電話会社では、還元されたポイントは電気料金に充当可能なため、無駄なくポイントを利用することができます。
新電力は燃料費高騰の影響を受けやすいため注意
電力会社の電気料金には「燃料費調整額」が含まれています。
燃料費調整額の主な目的は、発電に必要な燃料価格の変動を電気料金に反映させ、電力会社の収益が著しく悪化するのを防ぐことです。
大手電力会社の場合、消費者保護の観点から電気料金には「規制料金」が設けられています。
規制料金により、燃料価格が高騰した場合も燃料費調整額の引き上げには上限が設けられ、大手電力会社は際限なく値上げできない仕組みになっているためです。
一方、新電力各社は自由料金制のため、燃料費調整額は燃料価格に応じて変動していきます。
そのため、燃料価格が一定以上に達した場合、大手電力会社よりも新電力のほうが高い電気料金を設定する可能性があります。
規制料金の制約を受けない分、新電力は燃料費高騰の影響を受けやすい点には注意が必要です。
通信費の節約術

今やインターネットは必須のため、二拠点生活をする場合もインターネット環境が必要になるでしょう。
しかし、拠点ごとに回線をひくためには初期費用や月々の料金がかかってきます。
ここでは通信費用を抑える方法をご紹介します。
テザリングを利用
パソコンやゲーム機で高速ネットワーク通信や、大量データ受信を行わない場合は、お使いのスマートフォンでのテザリングで十分な場合もあります。
但し、スマートフォンのお使いのプランによっては、データ容量の上限に達してしまう場合もあるため、利用する際にはプラン内容を確認しましょう。
また、お使いのプランによってはテザリングの月額利用料がかかる場合があるため、こちらも確認しましょう。
モバイル型を選ぶ
モバイルタイプのインターネット回線を選ぶことで、自宅と2拠点先とで持ち運んで使用することが可能です。
その為1回線の契約だけで済むため、費用を節約することができます。
今までは高速ネットワーク通信でないモバイルWi-Fiが主流でしたが、現在では衛星を使った高速ネットワーク通信対応のサービスもあります。
・スターリンク
スターリンク(Starlink)とは、低高度を軌道する衛星を活用したブロードバンドインターネットです。
スターリンクを導入すると、通信環境が整備されていない山間部でも、高速・低遅延のインターネット接続ができるようになります。
サービスを利用するには、ハードウェアの初期費用(49,800円)と、月々の通信料(6500円~)の支払いが必要になります。
生活費の節約術

自炊をする
生活費に占める割合で大きいのは食費になります。
二拠点生活を始めると最初のうちは旅行気分で、色んな所へ出かけることも多く、食費がかさんでしまうことが多いでしょう。
もちろん食は楽しみの一つでもありますが、地元食材を使った料理を楽しむことも二拠点生活の良さであり、節約にも繋がります。
現地のスーパーや市場を利用することで、新しい発見もあるかもしれません。
日用品をまとめ買い
生活で使う日用品を、自宅と2拠点先分まとめて購入することで、安く済ませることができます。
特に車で移動する方なら、まとめ買いした荷物を運ぶことも可能でしょう。
最近はコストコや業務スーパーといった大量で安く販売するお店が全国にあるため、上手に活用したいところです。
移動費用を抑える方法については、下記をチェック

二拠点生活の予算計画はしっかりと

二拠点生活を始める時は、誰しも夢や理想が先行しがちですが、同時に日常生活がそこにあり、家計管理はしっかりとする必要があります。
固定費や変動費が複雑になりがちで、思わぬ出費に繋がる可能性も。
そのため予算の計画をしっかりと立てましょう。
特に、日常生活と切り分けてしまい、娯楽として必要以上に費用をかけてしまうことがあります。
予算を立てることで無駄な支出に気付き、節約できる部分を見つけやすくなります。
また、二拠点生活で実現したい目標がある場合、予算計画は目標達成のためにも必要になります。
まとめ
今回は、二拠点生活の住宅費用、光熱費等の節約方法をご紹介しました。
- 二拠点生活をする場合、固定費・生活費で1.5~2倍かかる
- 中古物件を購入する他、光熱費も新電力や携帯電話のセット割で節約
- 理想の二拠点生活を送るため予算計画はしっかりと立てよう