都市と地方の二つの拠点で生活を送る「二拠点生活」を選択する人が増えています。
都会の喧騒から離れ、自然豊かな場所で過ごす時間は、心身のリフレッシュに最適です。
そんな二拠点生活に、ガーデニングをプラスすることで、さらに充実したライフスタイルを送ることができるでしょう。
しかし、二拠点生活ならではの悩みも。
なかなかこまめな手入れができない環境では難しいと考え、ガーデニングを断念してしまう人もいるのではないでしょうか。
今回は、二拠点生活をしながらでもガーデニングができるおすすめの宿根草をご紹介します。
二拠点生活でもガーデニングはできる?

自然豊かな地方の暮らしで、人気があるのが「ガーデニング」です。
土や植物には、ストレスホルモンの分泌が抑制され、心身のリラックス効果があると言われています。
また、植物の成長を観察したり、手入れをしたりする過程で、達成感や充実感を得ながら、自然の中で過ごす時間は、心身のリフレッシュに繋がり、溜まった疲れを癒してくれます。
さらに、ガーデニングを通して、都会では感じにくい季節の移り変わりを五感で感じられるのも醍醐味の一つです。
しかし、二拠点生活のような毎日手入れをできない環境でもガーデニングは可能でしょうか?
結論から言うと、手入れの手間が少ない・育てやすい花を選ぶことで二拠点生活をしながらでもガーデニングが可能です。
そのためには、まず育てやすい花を選ぶポイントを押さえましょう。
育てやすい花を選ぶには

二拠点生活をしながらガーデニングを楽しむためには育てやすい花を選ぶことが重要です。
では、育てやすい花とはどんな花を指すのでしょうか。
病気や害虫に強い花
花を育てていると、直面する問題が病気や害虫です。
少しでも知識がつけば、「こういう時はこう対処した方がいい」と分かってくるものですが、ガーデニング初心者のうちは大きな障壁となります。
そのため「病気や害虫に強い」と書かれている花を選ぶことが、育てやすい花を選ぶ重要なポイントになります。
長く咲く花
そもそも1ヵ月程度しか咲かない花を選ぶと、どんなに頑張ってお世話をしても1ヵ月で枯れてしまいます。
特に二拠点生活の場合には、「咲いている花を見るのがわずか」となってしまうでしょう。
植えてもすぐに枯れてしまうという方もいますが、もともと花の開花期間が短いこともあるので、育てるなら、長く咲く花を選びましょう。
最近では春から晩秋まで8カ月も満開が続くような花もたくさんあります。
耐雨性、耐暑性に優れている
日本では近年、ゲリラ豪雨や、夏は30℃以上が何日も続くような異常気象が続いています。
強い雨の日は雨があたらない場所に移動し、夏は涼しい場所で育てることができればいいのですが、二拠点生活をしている方にとってはなかなか難しいものです。
そのため、雨や暑さに強い花を選ぶことが、育てやすい花を選ぶ上で重要になってきます。
二拠点生活にもぴったり「宿根草」

草花には、一年草と多年草がありますが、「宿根草(しゅこんそう)」と呼ばれるのは多年草の一種です。
一年草は春から秋の間楽しんで冬になると枯れてしまうような寿命が一年の植物に対して、多年草は一度植えれば何年もの間枯れずに育つ植物になります。
宿根草は一度植えれば何年もの間楽しめるのが最大の魅力です。
一年草のように季節ごとに植え替える必要はなく、翌年も再び花を咲かせてくれます。
また、植えっぱなしでも年々大きな株に育っていく植物が多く、植えてから一年経過して、ひと回りもふた回りも大きくなった株は見応えがあり、一年草にはない迫力があります。
一度植えつけた宿根草は毎年同じ時期に花をつけるので、季節の訪れを感じられるのも魅力の一つです。
また、地植えの場合は水やりをあまり気にする必要もなく、耐寒性のある花が多いので二拠点生活向きと言えるでしょう。
ただ、宿根草は手入れの手間が少ない反面大きく生長しすぎたり、二拠点先の環境によっては適用しなかったりするので注意が必要です。
そのため、日本の高温多湿の環境でも育ち、二拠点先のお庭に適したコンパクトにまとまるものを選ぶと良いでしょう。
おすすめの宿根草12選
ここでは、二拠点生活のお庭におすすめな宿根草を12種ご紹介します。
①ゼラニウム

- 開花時期:3~12月
- 最低温度:-3℃
緑の光沢のある葉と鮮やかな赤やピンクの花とのコントラストが美しく、開花期が長いのが特徴です。
次々と花が咲くため、初心者でも育てやすい宿根草です。
②ペチュニア

- 開花期:3月~11月
- 最低温度:-10℃
ペチュニアは生育旺盛で高温多湿に強く、1株で広い面積を短期間に覆ってくれます。
花つきがよく、春から晩秋まで開花し続けるので、花壇手前の目につきやすい、常に花を楽しみたい場所にぴったりです。
③バージニアストック

- 開花期:4月~5月(春まきでは9月中旬~10月)
- 最低温度:-5℃
バージニアストックは小花ながら株一面に花を咲かせるので華やかで、どんな草花ともマッチします。
耐寒性があるので、早春の補植に向いています。
よく枝分かれしたボリュームのある株を選べば、庭を華やかな印象にできます。
④ラナンキュラス・ゴールドコイン

- 開花時期:4~6月
- 最低温度:-5℃
4~6月にかけて、ラナンキュラスによく似た黄金色で、小さな八重咲の花を一面に咲かせることが名前の由来になっています。
花の開花時には、まるで黄金のカーペットを敷いたような美しい姿が楽しめるでしょう。
⑤ジギタリス

- 開花期:5月~6月
- 最低温度:-5℃
ジギタリスはその花の特徴からお庭の主役にふさわしい花です。
存在感がありながら、ナチュラルな雰囲気もあり、ほかの草花ともよく合います。
花の個性を際立たせるため、数株まとめて植えつけ、まわりに花形の違う小花を合わせるとよいでしょう。
⑥デルフィニウム

- 開花期:5月~6月
- 最低温度:-5℃
「オーロラ」シリーズなど、長い花穂が華やかなエラータム系のデルフィニウムは、ボリューム感もありガーデニングにおすすめです。
クリアなブルー系の花が美しく、数株まとめて植えると印象的です。
本来は宿根草であるものの、日本では夏を乗り切ることができないケースが多いため、園芸的には一年草として扱われています。
⑦チョコレートコスモス

- 開花期:5月~11月
- 最低温度:0℃
深みのあるチョコレート色の花は、シックでおしゃれな印象のコスモスです。
黒みがかった花色は、どんな花とも合わせやすく、華やかな色の花に加えるだけで、落ち着いた雰囲気になります。
夏の暑さに強く、春から秋まで長期間楽しめます。
⑧エキナセア

- 開花期:7~10月
- 最低温度:-25℃
エキナセアは花が少なくなる初夏から夏にかけて花を咲かせるので、いっそう華やかな印象を受けます。
近年、急速に品種の育成が進み、花色や花形のバラエティに富んだカラフルな品種が出回るようになり、注目を集めている宿根草です。
⑨マーガレット

- 開花時期:11~5月
- 最低温度:0℃
マーガレットは春の定番の花で、一重咲きや二重咲きなど咲き方や花色の種類が沢山あるのが特徴です。
関東地方以西では、霜にあてないよう注意すれば冬越しも可能なため、冬から春にかけて長い間花が楽しめます。
⑩オステオスペルマム

- 開花期:1月中旬~5月、9月中旬~11月中旬
- 最低温度:-5℃
オステオスペルマムは、株を埋めるように次々と咲くカラフルな花が特徴です。
夜間や天気の悪い日は花を閉じる性質がありますが、花が閉じにくい、もしくは閉じない品種もふえています。
⑪クリスマスローズ

- 開花時期:1~4月
- 最低温度:-15℃
東ヨーロッパおよび西アジアが原産の花で、現地ではクリスマスに花を咲かせますが、日本ではほとんどの品種が1月以降に開花します。
クリスマスローズは株分けできないため、種で増やしていきます。
春から秋にかけて開花する植物が多い中、冬に花が楽しめるため人気の高い宿根草です。
⑫アネモネ

- 開花時期:2~5月
- 最低温度:5℃
一茎に一花咲かせる大輪の鮮やかな花は、一重や八重、矮性種をはじめ、さまざまな種類が楽しめます。
そのモダンな姿は、アレンジメントにも重宝されています。
育てやすいことから春の花として親しまれています。
宿根草の手入れと冬越し方法

ほとんど手入れがいらない宿根草ですが、水やりや肥料のタイミングを覚えておくと毎年綺麗な花を楽しめるでしょう。
ここでは、普段の手入れと冬越しの方法をご紹介します。
普段の手入れ
ほとんどの宿根草は、特別な手入れは必要ありません。
花がらを取って、地植えの場合は夏の乾燥時期のみ水やりをする程度で大丈夫です
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたときに水やりをします。
やせた土壌や、コンテナ栽培では生育のため肥料を与えましょう。
肥料を与える場合は春と秋に、一般的な花苗用の緩効性肥料を使用します。
追肥をする場合、置くだけで効果が約2~3カ月間持続するタイプを使うと良いでしょう。
冬越し方法は、植物の耐寒性と地域によって異なります。
枯れ葉を拾う
植物の周辺に落ちた葉は拾って、虫や細菌の溜まり場にならないようにしましょう。
下葉の処理をしましょう
宿根草の根元が蒸れている場合は、下葉を取り除いて清潔な状態を保つようにしましょう。
枯れた下葉は、手で根元から引っ張るだけで抜けます。
冬の手入れ:耐寒性多年草の場合
耐寒性の強い宿根草は、そのまま屋外で冬越しができます。
日光がよく当たる場所でも日陰でもその植物に適した日当たりであれば基本問題ありませんが、寒風にさらされ凍るほどの寒い場所で冬越しするのは避けましょう。
地植えしている場合は、寒くなる前に掘り上げて鉢に植え替え、凍らない場所で冬越ししてください。
屋外で冬越しする場合は、マルチング(植物の株元の地表面を覆うこと)をしましょう。
枯れた葉や茎を取り除き、株元を腐葉土やバークチップなどのマルチング材で覆って、植物を寒さから守りましょう。
冬の水やりは控えめにします。
宿根草の水やりで注意が必要なのは、葉が完全に落ちた後です。
地植えであればほとんど水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合は土が完全に乾いたら、鉢の底から水が流れるぐらいの水をあげるようにしましょう。
冬は冬眠期間に入る為、秋頃から肥料は徐々に減らしていき、冬の期間は肥料をあげなくて大丈夫です。
冬の手入れ:非耐寒性多年草や半耐寒性多年草の場合
耐寒性の弱い宿根草は、最低温度を保てる地域にお住まいの場合は大丈夫ですが、そうでない場合は室内で冬越しをする必要があります。
寒くなる前に掘り上げて根鉢が収まる大きさの鉢に植え替えましょう。
根を切ることになるため、バランスを見て地上部も剪定します。
特に耐寒性の弱い植物は、日光があたる暖かいベランダに置いたり、鉢を二重にして保温したり、寒さ対策が必要となります。
耐寒気温が5℃程度までであれば、お住まいの地域にもよりますが、玄関など暖房のない場所に置いても大丈夫です。
この時期は葉が茂っていても生長期ではないため、水やりは控えめにしてください。
冬の間は肥料をあげなくても問題ありませんので、暖かくなり始めてから、再び肥料をあげましょう。
まとめ
今回は、二拠点生活をしながらでもガーデニングができるおすすめの宿根草をご紹介します。
- 二拠点生活でも育てやすい花を選ぶことでガーデニングができる
- 手入れが少なく、長い期間楽しめる植物として宿根草がおすすめ
- 宿根草によって耐寒性が違うため、環境にあった宿根草を選ぼう