別荘やセカンドハウスは、日常的に暮らす住宅とは異なり、利用しない期間が長くなりやすいため、カビが発生しやすい環境です。
久しぶりに訪れた際、「部屋にカビ臭がする」、「家具やカーテンにカビが生えていた」という経験をした方も少なくないでしょう。
カビは見た目の問題だけではなく、建材や家具の劣化、室内環境の悪化にもつながるため、発生した後の対処だけでなく、普段からの予防管理が重要です。
今回は、別荘でカビが発生する原因や予防方法、素材別の正しいカビ取り方法、再発を防ぐための管理ポイントについて解説します。
なぜ別荘はカビが発生しやすいのか?

長期間閉め切ることで湿気がこもる
別荘は普段の生活拠点ではないため、数週間〜数か月利用しないことも珍しくありません。
その間、窓や扉を閉め切った状態が続くと、室内の湿気が逃げにくくなります。
特に日本は湿度が高い季節が多く、梅雨から夏にかけてはカビが繁殖しやすい環境になります。
例えば、別荘の多い長野県軽井沢町は年間の平均湿度が80%前後で、東京よりも10%以上高いと言われています。
また、利用していない期間でも、
- 室内に残った水分
- 布製品が吸収した湿気
- 床下や壁内部の湿気
などが原因となり、知らないうちにカビが広がるケースがあります。
掃除不足だけではなく「空気の流れ」が原因になる
カビ対策というと「こまめな掃除」をイメージする方も多いですが、別荘の場合は掃除だけでは不十分です。
カビの発生には、湿度、温度、栄養分(ホコリ・汚れなど)、空気の滞留が関係しています。
そのため、普段使用している住宅以上に「空気を動きやすい」環境にすることが重要です。
家具の裏側や押し入れ、収納スペースなどは空気がこもりやすく、見えない場所でカビが発生しやすいため注意しましょう。
自然豊かな場所ほどカビリスクが高い
別荘やセカンドハウスと言えば、自然豊かな場所を選ぶ方がほとんどだと思います。
しかし、自然豊かな場所というのは、カビが発生しやすい場所とも言えます。
というのも、土壌にはたくさんの微生物が生息していて、その中にカビもいるからです。
自然が多い場所にはカビの胞子がたくさん飛んでいるため、その近くの建物はカビが生えやすい傾向にあります。
そのため、別荘は他の建物と比べてカビが生えやすくなってしまうのです。
別荘のカビを放置すると起こる問題

家具や建材が劣化する
カビは見た目の問題だけではありません。
長期間放置すると、家具や建材にも影響を及ぼします。
例えば、
- 木製家具の変色や腐食
- 畳の劣化
- 壁紙への広がり
- 布製品の買い替え
など、掃除だけでは済まない修繕につながる可能性があります。
別荘は利用頻度が低いため、発見した時には被害が広がっているケースもあります。
滞在時に快適に過ごせなくなる
別荘は日常から離れてリフレッシュするための場所です。
しかし、到着した瞬間にカビ臭がしたり、寝具や家具にカビが発生していたりすると、せっかくの滞在が快適に過ごせなくなってしまいます。
中にはアレルギーなどで身体への影響が出てしまう場合もあります。
特に家族で利用する場合は、室内環境への配慮も重要です。
別荘でカビを防ぐために普段からできる対策

定期的に換気する
別荘のカビ対策で基本となるのが換気です。
長期間閉め切った状態を避け、定期的に空気を入れ替えることで湿気がこもるのを防げます。
訪問した際には、
- 窓を開けて空気を循環させる
- 押し入れや収納も開放する
- 部屋ごとに換気する
といった対策を行いましょう。
除湿対策をする
湿度管理もカビ予防には欠かせません。
別荘では、エアコンや除湿機・除湿剤を活用し室内の湿度を下げる工夫が有効です。
特に湿気がたまりやすいクローゼットや、押し入れ、水回りに対して除湿対策をしましょう。
通風孔や換気扇を回すのも有効です。
家具や荷物を壁から離す
家具を壁に密着させると、裏側に空気が流れにくくなります。
その結果、湿気がこもりカビが発生しやすくなります。
家具や収納棚は壁から少し隙間を空け、空気が循環できる状態を作ることが大切です。
長期間利用しない前に清掃する
別荘をしばらく利用しない場合は、利用後の清掃が重要です。
ホコリや汚れはカビの栄養源になるため、必ず清掃をしましょう。
利用後に、
- 食べ物を残さない
- ゴミを処分する
- 水回りを乾燥させる
- 布製品を湿った状態で放置しない
といった対策をしておくことで、次回来荘時のカビリスクを減らせます。
【素材別】おすすめのカビ取り剤と使い方

部屋の中には、布製のカーテンや木製の家具、革張りのソファなど、さまざまな材質のものがあるかと思います。
カビ取りをする場合には、素材が傷んだりしないようそれぞれの材質に合ったカビ取り剤を選びましょう。
ここではそれぞれの材質別に、おすすめのカビ取り剤と使い方をご紹介します。
布製品(カーテン、ラグ)
布製品のカビには、水洗いができるものかどうかで薬剤を使い分けます。
水洗いできる:塩素系漂白剤、酸素系漂白剤
カーテンやラグなどの布製品は、繊維の中にカビ菌が入り込んでしまいやすいものです。
水洗いのできるものは塩素系や酸素系の漂白効果のある市販のカビ取り剤を使い、使用後はしっかりと洗って乾かすことをおすすめします。
◎おすすめのカビ取り
・オキシクリーン 酸素系漂白剤(界面活性剤不使用)
界面活性剤配合タイプもありますが、界面活性剤は新たなカビの栄養になってしまうため、部屋の中のカビ取りには使わない方が良いでしょう。
水洗いができない:エタノール、ベンジン
マットレスなどの水洗いのできない大物布製品や、シルクやウールなどで水洗いができない繊維製品についてしまったカビには、エタノールがおすすめです。
◎おすすめのカビ取り
・健栄製薬 消毒用エタノール
カビに有効なアルコール濃度76.9〜81.4vol%を含有し、原液のままカビ取りをしたり、水で薄めて日常的な除菌に使ったりすることができます。
エタノールでの布製品カビ取り方法
①清潔な布にエタノールを含ませる
②カビ取りしたい箇所に布で叩き込む
③カビをつまみ取る
木材製品(フローリング、木製家具)
木材製品のカビ取りにはエタノール、次亜塩素酸水、乳酸系カビ取り剤。
木材につくカビは、基本的には表層面よりも内部に侵入することはありません。
しかし、カビ以外の原因で内部まで黒ずんでいるものを、カビだと思って塩素系漂白剤などの入った市販のカビ取り材を使うと、かえって色を悪くさせたり、木材そのものを傷めたりしてしまいます。
◎おすすめのカビ取り
・ジアウォータープラス 次亜塩素酸水
弱酸性のため木材製品を傷めずにカビ除去ができます。
長時間浸透させることで、黒カビの色素にも一定の効果があります。
次亜塩素酸水での木材製品カビ取り方法
①水溶液を作る
②カビ取りしたい箇所に刷毛等で塗り込む
③色素がなくなるまで数時間置きに塗り込む
④水拭きしてしっかり乾かす
アズマ 乳酸カビトリーナー
非塩素系のため塩素臭がなく、漂白作用がないので色落ちが気になる場所にも使用できます。
乳酸系カビ取り剤での木材製品カビ取り方法
①カビ部分に乳酸カビ取り剤を吹きかける
②商品に記載の時間だけ放置する
③カビ取り剤を拭き取る
④干せるものは天日干しまたは陰干し
革製品(ソファ)
革製品のカビ取りには革専用のカビ取りクリーナー。
鞄や小物、ソファなどの革製品は、できるだけ色や手触りを損ねずにカビを除去したいものです。
革製品は、カビにとっての栄養となる有機物(動物性タンパク質)でできています。
そのため革製品は雨や湿気などの水分を得ると、たちまちカビの生えてしまう素材です。
◎おすすめのカビ取り
・エスケー カビ取り&クリーナー
プロ仕様の革専用カビ取りドライクリーナーです。
カビ取り後は、革の種類に合わせた保護クリーム等でしっかりと栄養を与えてください。
カビ取りクリームでの革製品カビ取り方法
①清潔な布に含ませる
②カビを拭き取る
畳
畳のカビ取りにはエタノール。
畳にカビが生えても、適切な方法で対処すれば元の状態に戻すことができます。
畳の素材イ草には高い吸湿能力があるので、空気中の湿気や埃を吸収して部屋を快適な状態に保ちます。
しかし、湿度の高い状況が続くと、イ草はそのぶんの湿度も吸収するためカビが繁殖しやすくなります。
◎おすすめのカビ取り
・健栄製薬 消毒用エタノール
カビに有効なアルコール濃度76.9〜81.4vol%を含有し、原液のままカビ取りをしたり、水で薄めて日常的な除菌に使ったりすることができます。
エタノールでの畳カビ取り方法
①エタノールを畳に吹き付ける
②20分ほど放置したあと、乾いた雑巾でよく拭き取る
③再度①~②を行う
別荘のカビ掃除でやってはいけないこと

カビは非常に拡散しやすく、付着した先に栄養になるものがあると一気に増殖します。
下記のやってはいけないことを確認しておきましょう。
いきなり掃除機をかける
カビを発見した際、すぐに掃除機で吸い取りたくなるかもしれません。
しかし、カビの胞子が舞い上がり、別の場所へ広がる可能性があります。
まずは表面の状態を確認し、素材に合わせた方法で慎重に除去しましょう。
強い薬剤を何でも使う
カビには強力な薬剤が有効な場合もありますが、素材によっては変色や劣化を招くことがあります。
特に木材、革、畳などは注意が必要です。
「カビを落とすこと」だけではなく、「素材を傷めないこと」も意識しましょう。
カビ部分だけ掃除する
目に見えるカビだけを除去しても、原因となる湿気や環境が改善されなければ再発する可能性があります。
除去後は、換気、除湿、清掃までセットで行うことが大切です。
除去後は必ず清掃し、換気をしましょう。
別荘のカビ対策はプロに依頼する選択肢も

別荘のカビ対策は、発生範囲や状態によっては自分で対応できるケースもあります。
しかし、別荘は普段から常に状態を確認できる住宅ではないため、気付いた時にはカビが広範囲に広がっていることもあります。
軽度なカビであれば自分で掃除できますが、再発を防ぐためには原因となる湿気や換気環境まで見直すことが大切です。
自分で掃除する場合
カビの範囲が小さく、表面に発生している程度であれば、自分で対応することも可能です。
例えば、
- 一部の家具や小物に発生したカビ
- カーテンや布製品の軽度なカビ
- 表面だけに見られるカビ
などは、素材に合わせた方法で除去できます。
ただし、掃除をする際はカビの胞子を広げないよう注意が必要です。
作業時は、必ず下記の対策を行いましょう。
- マスクや手袋を着用する
- 換気をしながら作業する
- 強くこすって胞子を飛散させない
- 素材に合った薬剤を使用する
また、カビを取り除いただけでは再発する可能性があります。
掃除後は、室内の換気、湿度管理、家具や収納周辺の空気循環など、カビが発生しにくい環境づくりまで行うことが重要です。
プロに依頼した方がいいケース
以下のような場合は、専門業者や別荘管理サービスへの依頼を検討しましょう。
- 長期間利用していなかった別荘で大量のカビが発生している
- 部屋全体にカビ臭がある
- 壁や床、天井など建材にまで影響している
- 一度掃除しても繰り返しカビが発生する
- 高所や広範囲の清掃が必要
特に別荘の場合、利用頻度が低いため、カビの発見が遅れやすい傾向があります。
表面的なカビ除去だけではなく、湿気の原因確認や再発防止まで考える必要があるため、自分での管理が難しい場合はプロの力を借りることも有効です。
大切な別荘を長く維持するためには、「カビが発生してから対応する」のではなく、定期的な点検や清掃によって早めに対策することが重要です。
ハウスクリーニング相場
- ハウスクリーニング 50,000円〜80,000円(2LDK・3LDK)
- 水回り清掃(お風呂+換気扇+トイレ+キッチン+洗面所) 30,000円〜
- 家事代行(1時間) 3,000円〜5,000円
サービス内容や費用は、業者によって様々ですので、何社か見積りを取ることをおすすめします。
まとめ
今回は、別荘でカビが発生する原因や予防方法、素材別の正しいカビ取り方法を解説しました。
- 別荘は利用頻度が低く湿気がこもりやすいため、カビが発生しやすい
- 素材に合わせた正しい方法で除去することが大切
- 管理が難しい場合は専門サービスの活用も有効


