地方移住や二拠点生活の注目度は依然として高い傾向にあります。
しかし、実際に移住や二拠点生活をするとなると、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
以前にも当メディアでおすすめお試し移住の自治体をご紹介しましたが、まだまだお試し移住やお試し住宅はよくわからないという人も多いと思います。
そこで今回は、これから始めようとしている人にお試し移住とは何か、更に2024年最新のおすすめお試し住宅をご紹介します。
お試し移住とは?

お試し移住とは、二拠点生活や移住を検討している地域に短期間住むことで、その土地の魅力や実際の生活を体感できる制度です。
自治体やメディアによっては「お試し居住」、「お試し住宅」という名称で紹介されていたりもします。
お試し移住での宿泊場所は、旅館やホテルなどの宿泊施設ではなく自治体が用意した住居等となります。
旅行との大きな違いは二拠点生活や移住先の候補地域で一定期間暮らすことで、その地域の魅力を確かめるとともに、二拠点生活や移住後に生じるかもしれない文化の違いや生活の不便さに早めに気づき、適応することができます。
また、短期間の滞在であれば、仕事や家族の状況に大きな変化を与えずに移住体験をすることができるため、安心して試すことが可能です。
施設によっては、地元の人たちと交流したり地域の暮らしを体験するツアーなどを合わせて行っていることもあるため、滞在中に、二拠点生活や移住後に住む家を探したり情報収集をすることもできます。
お試し移住の種類と期間

一口に「お試し移住」と言っても、その種類と期間は様々です。
自分に合った体験を見つけるために、種類と期間、そしてそれぞれのポイントをご紹介します。
1. 短期滞在型(数日から1週間程度)
旅行感覚で気軽に体験できるのが、短期滞在型のお試し移住です。
週末を利用して移住先を訪れ、観光や地域イベントに参加したり、地元の人と交流したりすることができます。
短期間なので、費用を抑えたい方や、まだ二拠点生活や移住への具体的なイメージが湧いていない方におすすめです。
ポイント
- 気軽に体験できる
- 費用が比較的安価
- 移住先への交通費や宿泊費がかかる場合が多い
2. 中長期滞在型(数週間~数年)
実際にその地域での生活を体験したい方におすすめなのが、中長期滞在型のお試し移住です。
数ヶ月程度滞在することで、住環境や仕事、学校、子育てなど、二拠点生活や移住生活に必要な情報を収集することができます。
また、1年~数年と、長期のお試し移住ではその地域の四季を体感することができるという大きなメリットがあります。
地域住民との交流を深め、二拠点生活や移住後の生活をより具体的にイメージすることができます。
ポイント
- 実際にその地域での生活を体験できる
- 移住に必要な情報を収集できる
- 地域住民との交流を深めることができる
- 滞在期間が長くなるほど、費用が高くなる場合が多い
3. 職業体験型
二拠点生活や移住を機に農業を始めたい方、自給自足をしてみたいという方もいるかと思います。
しかし、農業は外仕事の上に力仕事で想像以上に体力がいるものです。
そのため予め体験しておきたいところですが、お試し移住と農業体験をセットにしたプランを用意している自治体も多いため、調べてみましょう。
農業の他、酪農、伝統産業など、地域によって様々な職業体験があります。
ポイント
- 農業などの仕事体験ができる
- 自然の中で暮らしたい方におすすめ
- 滞在期間が短いものが多く、費用が比較的安価
その他にも、パッケージツアー型でその地域のイベント、地域交流への参加をメインとした移住体験など、自治体毎に様々なお試し移住を用意しているところもあります。
お試し移住のメリット

①実際の生活が体験できる
お試し移住をするメリットの一番は気になる地域に実際に住んで、生活環境を確かめられることです。
「買い物をする場所は?」「地域の人たちとのお付き合いは?」など、短期間でも実際に住んでみることで、実際の二拠点生活をより具体的にイメージできるようになります。
普段の旅行では感じることのできない日常生活の一部を垣間見ることができ、地域の特色やライフスタイルを深く理解することが可能です。
②費用を抑えることができる
地方自治体が提供するお試し移住プログラムを活用することによって、個人の負担を軽減しつつ、効率的かつ具体的に二拠点生活や移住生活を試すことができます。
一般的に、個人で滞在するとなると宿泊施設や賃貸であれば初期費用が必要となるため、それなりの出費になります。
しかし、地方自治体が提供するお試し移住用の宿泊施設は、費用設定が安く抑えられていることが多く、二拠点生活や移住に関する様々なサポートを受けることも可能です。
③地域との交流ができる
二拠点生活や移住を考えた時、特に家族がいる場合は、その地域社会になじめるかどうかは非常に重要な要素です。
お試し移住を通じて地域のイベントに参加したり、地元の人々と交流したりすることで、地域コミュニティとの関係性を築き、子供の教育環境や地域社会との繋がりを考慮することができます。
お試し移住の条件や費用

お試し移住プログラムでは自治体によって年齢や家族構成など、利用人数制限など一定の条件が設定されていたり、利用期間の上限が設定されている施設もあります。
また、利用には一定の料金がかかります。
しかし、あくまで移住体験を目的としているため、料金は一般的な宿泊施設よりも低く設定される傾向にあり、中には無料で滞在できる施設もあります。
費用には、保証金や光熱費、アクティビティ体験料などが含まれる場合もあります。
他に、利用後のアンケート回答や、地域交流などへの参加が必要なプログラムもあるためしっかりと内容を確認しましょう。
おすすめのお試し移住【2024年関東版】

ここでは関東にあるお試し移住プログラムの中で、おすすめの自治体をご紹介します。
※2024年7月現在の情報となるため、募集終了している可能性があります。必ず専用ページでご確認ください。
埼玉県秩父市『秩父杉の家「絆」』


都心からアクセスのいい秩父市でお試し移住体験ができます。
お試し住宅は、秩父産の杉材で作られていて、暖かみがあり、とても住み心地が良いと評判です。
2泊~6泊までの短期滞在型ですが、利用料が無料でお得に体験することができます。
埼玉県比企郡ときがわ町「やまんなか」


ときがわ町は埼玉県のほぼ中央の比企郡西部に位置し、東京から約1時間でありながら山に囲まれた自然豊かな町です。
1週間~の中期滞在型となっており、施設体験料にはたけのこ掘り体験、林業体験などの体験料も含まれています。
その他、近隣ではパラグライダーや陶芸体験など様々な体験教室があります。

千葉県いすみ市「お試し居住」

宝島社の「住みたい田舎ベストランキング」の首都圏エリア1位を獲得したいすみ市は外房の海に面した温暖な気候と新鮮な海の幸が堪能できると、近年移住者が増えています。
1週間以内の短期滞在型で、民間の宿泊施設を利用したお試し移住となります。
現在、令和6年9月~令和7年1月お試し居住の募集をしています。
栃木県大田原市「ゆーゆーキャビン」


大田原市の南側、湯津温泉やすらぎの湯キャンプ場内にある1棟貸しキャビンです。
こちらはなんと全棟温泉付き。
キャンプ場のためBBQコーナーもあり、アウトドアが楽しめる人気のお試し施設となっています。
短期滞在型で1日¥2,000~利用ができます。
神奈川県山北町「ホタルの家」

都心から90分のアクセスで、築200年の古民家移住体験ができます。
約9割が山岳地帯の山北町にある「ホタルの家」はその名の通り、ホタルが訪れる家。
ホタルが飛ぶ6月~7月の夏場に予約集中するので、希望の方は早めの予約をおすすめします。
中期滞在型で、利用は2週間~14週間で、現在の募集は2024年10月~2025年3月分となっています。
お試し移住の利用方法

①自治体に申請を行う
気になるお試し移住体験が決まったら、各自治体の専用ページや移住相談窓口に申請をしましょう。
申請方法は各自治体によって違いますが、申請書を郵送、またはインターネットからの申請となります。
②自治体による確認と審査
申請をすると、各自治体がお試し移住の承認可否を審査します。
承認がおりると自治体より連絡がきます。
③必要書類を自治体へ提出
ほとんどのお試し移住には必要書類の提出を求められることが多いです。
利用申請書や誓約書のほか、本人確認書類が必要になる場合もありますので、事前に準備をしておくとスムーズです。
④お試し移住を開始
入居日には自治体から発行される許可書や印鑑を持参して窓口へ訪れるのが一般的です。
しかし、手続きは自治体によっても違いますので、事前に確認をしておきましょう。
まとめ
今回は、お試し移住とは何か、更に2024年最新のおすすめお試し住宅をご紹介しました。
- お試し移住とは移住する前に生活体験ができる自治体の取り組み
- お試し移住の目的は、二拠点生活や移住後の生活環境におけるミスマッチを防ぐため
- 自治体毎に専用ページで募集しているため、気になる地域を検索してみよう