別荘所有や二拠点生活をしている人の多くは車での移動になるかと思います。
これから冬になるにつれて、移動で気になるのが「雪」
特に自然の豊かな山間部や高原の別荘地は、冬は冷え込む所が多く、積雪までいかなくても路面凍結するところは多くあります。
昨今では異常気象として、普段は積雪があまりない地域でも大雪となり道路が立ち往生したというニュースを見かけるようになりました。
冬に2拠点先や別荘、レジャーに出かける方はスタッドレスタイヤを準備するか悩む所ですよね。
今回は、スタッドレスタイヤの必要性や、いつからはき替えるかを解説します。
スタッドレスタイヤは必要?

そもそもスタッドレスタイヤとはどういったタイヤで、どうして必要なのかを解説します。
スタッドレスタイヤとは
スタッドレスタイヤとは、直訳すると「スタッド(鋲)がレス(ない)タイヤ」と意味となります。
スタッドレスタイヤの登場前には「スパイクタイヤ」が主流でした。
スパイクタイヤは、タイヤに金属性の鋲が打ち込まれています。
スパイクタイヤは鋲が雪道や凍結路をとらえるため、滑らず安全に走行できるタイヤとして欠かせない存在でした。
しかし、雪や凍結のない乾燥路では、鋲によってアスファルトが削られ、粉塵公害(砕かれたアスファルトが粉のように舞う害)が発生しました。
これにより1991年に、乾燥路でのスパイクタイヤの使用に関する法律である「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が施行されます。
そのため、鋲を使わずゴムのやわらかさで雪道・凍結路面をとらえるスタッドレスタイヤが登場しました。
スタッドレスタイヤの必要性
沖縄県を除く各都道府県では、道路交通法第71条に基づき、積雪または凍結した路面での冬用タイヤの装着等いわゆる防滑措置の義務が規定されています。
このルールに反した場合は罰金が課されます。
また、「冬用タイヤ規制」「チェーン規制」が出ている場合、交通規制が出ている指定区間内では、規制指示に反する車は走行できません。
- 冬用タイヤ規制:スタッドレスタイヤまたはチェーンの装着が必要
- チェーン規制:スタッドレスタイヤでもチェーンの装着が必要
氷上や雪上は、水膜ができて摩擦が減り、タイヤが滑りやすい状態となります。
スタッドレスタイヤは、このような状態でも、水膜を除去してしっかりと路面をとらえることができるため、安全に走行できるようになっています。
また、雪が降っていない・積もっていない状態でも、路面凍結による事故リスクがあります。
冬道は路面凍結に気付きにくいこともありますので、楽観視せず適切なタイミングでスタッドレスタイヤに履き替えておくことが大切です。
スタッドレスタイヤが必要な地域

スタッドレスタイヤと聞くと、積雪地域である北海道や東北、日本海側の地域というイメージがあるかと思います。
実際にNEXCO東日本によると、降雪地域の高速道路を走る小型車のスタッドレスタイヤ装着率は95.2%となっています。(大型車は100%)
ちなみに降雪・積雪が少ない首都圏地域では高速道路を走る小型車のスタッドレスタイヤ装着率は凡そ50%弱となっています。
では、関東ではスタッドレスタイヤは必要ないのでしょうか。
北海道・東北・北陸と比べて降雪量は少ない関東ですが、都市部でも大雪に見舞われた年もあるため、住んでいる地域にかかわらずスタッドレスタイヤは必要になります。
更に、別荘地が多い山間部では毎年冬になると積雪が生じます。
例えば人気別荘エリアの那須では、市街地でも多い時には5~10センチ、山間部は10センチ以上の雪が積もることもあります。
また、朝夕は道路が凍結することもあるため、市街地であってもスタッドレスタイヤは必須の地域です。
同じく人気の別荘地である草津や嬬恋も標高も高いため雪が降りやすく、スタッドレスタイヤが必要なエリアです。
関東と一口に言っても、地域によって気候は大きく違うため、自身の別荘・2拠点先がある地域を調べておきましょう。
スタッドレスタイヤへの履き替えはいつ?

関東エリア全体における初雪の平年値は12月中旬~1月初旬頃となっているため、スタッドレスタイヤの交換時期は12月上旬頃までが目安となります。
しかし、2拠点先が関東の山間部の場合は、11月下旬から準備を始めると良いでしょう。
標高の高い草津や嬬恋では11月下旬頃から雪が降り始めます。
また、別荘地として最も人気の高い「軽井沢」では11月中旬にはスタッドレスタイヤに交換する人がピークを迎えます。
これからの季節に移動を考えている人は、自身が所有している二拠点生活先の拠点や別荘エリアの気候、気温を確認しましょう。
また、11月中旬以降は冬用のタイヤ交換が混雑してきます。
通常は30分ほどで終わる作業も土日祝などの休日には数時間待ちということも珍しくありません。
そのため、11月中旬までには交換を済ませておくと良いでしょう。
スタッドレスタイヤがあればタイヤチェーンは必要ない?

雪道走行に適している装備はスタッドレスタイヤの他に、タイヤチェーンがあります。
では、スタッドレスタイヤをしている場合、タイヤチェーンは必要ないのでしょうか。
結論から言いますと、スタッドレスタイヤを装着していたとしても、走行できない場面があります。
それはチェーン規制が実施されている場合です。
タイヤチェーンが必要となるケース
タイヤチェーンは、路面状況に応じて取り付けますが、異例の大雪の場合に実施されることがあるチェーン規制がかかった道路では、スタッドレスタイヤを履いていてもタイヤチェーンを装着しなければなりません。
チェーン規制は基本的に、過去に立ち往生や通行止めが発生した道路で実施されます。
冬に移動する際は、事前に調べておくと安心できるでしょう。
スタッドレスタイヤとチェーンは使い分けが大切
タイヤチェーンを取り付けることで、スタッドレスタイヤでスタックしてしまうような道路でも走行できる可能性が高まります。
そのため、想定外の大雪時や凍結時に活躍します。
タイヤチェーンは、雪や凍結していない道路で使用すると耐久性がないため破損します。
小まめな脱着が必要となるため、普段はスタッドレスタイヤを履いておくことが重要です。
冬はスタッドレスタイヤとタイヤチェーンを上手に使い分けることで、安全性が高まります。
チェーン規制でも必要となることから、冬に移動する場合はタイヤチェーンを車載しておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、スタッドレスタイヤの必要性や、いつからタイヤをはき替えるかを解説しました。
- 積雪または凍結した路面での冬用タイヤの装着等いわゆる防滑措置の義務がある
- 関東の人気別荘地は標高が高い所が多く、スタッドレスタイヤの準備が必要
- スタッドレスタイヤへの交換時期は、混雑回避のため11月中旬までがおすすめ