セカンドハウスは、日ごろ忙しく過ごしている私たちにとって、日常と切り離して自然豊かな場所でリフレッシュするには良い環境です。
コロナ禍以降、リモートワークの普及により出社の回数が減ったという人も多くなり、都会から地方へ移住や二拠点生活をする人が増えました。
現在もセカンドハウスの検討は増加傾向にあります。
せっかくのセカンドハウスを購入するのであれば、自分のこだわりが詰まった住まいにしたいですよね。
そこで、今回はヌックやプライベートサウナなど、セカンドハウスで人気の設備・間取りや需要の高い住居をご紹介します。
セカンドハウスとは

「セカンドハウスと別荘って同じじゃないの?」という方も多いかもしれません。
しかし、セカンドハウスと別荘は別物です。
では、どう違うのか見ていきましょう。
セカンドハウスは「第二の生活の拠点」
セカンドハウスは、「週末に住むため」や「平日の通勤のため」の家のことを指します。
普段の生活に欠かすことのできない、「第二の生活の拠点」であるため、生活必需品とみなされます。
そのため、セカンドハウスには税制優遇があります。
税制優遇があることにより、別荘よりも気軽にセカンドハウスを考えることができると言えます。
平日は、通勤や生活に便利な都会で過ごし、週末はセカンドハウスで田舎暮らしをする、
セカンドハウスなら都会と田舎暮らしのいいとこどり生活ができるのではないでしょうか。
別荘は「非日常的な贅沢品」
一方で別荘は、避暑などの目的で短期的に過ごす「非日常的な贅沢品」とされています。
夏休みなどの長期休みの時に、過ごしたりするイメージの人が多いのではないでしょうか?
余暇を過ごすイメージの強い別荘では、保養のための贅沢品のため、税制優遇等の措置もありません。
セカンドハウスの利用目的

では、どんな利用目的でセカンドハウスを所有している人が多いのでしょうか。
セカンドハウスの利用目的を見ていきます。
仕事や学校の日に利用
職場や学校から近い場所に、セカンドハウスを設けて通勤・通学時間の短縮するという利用目的は多いです。
通勤・通学時間が長いと、1日の中で自由に使える時間が減りますよね。
また、コロナ禍以降に普及したリモートワークやフリーランスで働いている方が、プライベートと仕事を分けるためにセカンドハウスを仕事部屋として使用しているケースもあります。
趣味を楽しむために利用
セカンドハウスを趣味部屋として利用しているという方も多くいます。
自然が豊かな地域なら、サーフィンやキャンプなど、アウトドアの趣味の可能性が広がります。
ガレージ付きの物件なら愛車をメンテナンスしたり、バイクで山をツーリングしたり楽しめますね。
楽器が好きな人は、人口密集度の低い土地にセカンドハウスを設ければ自宅がスタジオ代わりになります。
家族や仲間と過ごす場所
セカンドハウスは休暇に、家族や仲間とリフレッシュする場所にもなります。
庭の広いのある物件であれば、バーベキューやプールで遊ぶことも可能です。
自然が近い土地なら海で泳いだり、山に行けばキャンプや虫を捕まえたり、アウトドアも気軽に楽しめます。
子どもも自然に触れられて、子育ての環境としても最適です。
家族との時間や、仲間と楽しむ時間を大切にできるのも、セカンドハウスの魅力です。
セカンドハウスで人気の設備・間取り
ここではセカンドハウスで人気の設備をご紹介します。
ヌック

ヌックとは、家の中で空間の隅や階段下のデッドスペースを利用して作った、「小さなくつろぎスペース」を指します。
語源はスコットランド語で建築様式をあらわすneuk(ヌーク)からきています。
開放的なお部屋の中に、ヌックのようなこじんまりとした居心地の良い落ち着ける場所があると、おうち時間の満足度がさらに上がると人気が出ています。
人気の理由は、家族の気配を感じながらひとり時間を満喫できるところです。
リビングなど家族が集まる場所にヌックを作れば、家族がリビングでくつろいでいるときにヌックで読書をしたり、ゲームや趣味の作業に没頭したりと、ほど良い距離を保ちながら自分の好きなことに集中できます。
また、ヌックは空間のアクセントにもなります。
広いリビングは単調になってしまいがちですが、段差を設けたり、ベンチを置いたりしてヌックを作れば、空間に立体感を出すことが可能です。
床や壁、天井などの素材や色を変えてアクセントにすると、より空間に奥行きが生まれます。
ヌックは空間にメリハリを作るので、個性や特別感を演出したい場所におすすめです。
プライベートサウナ

数年前から空前のサウナブームと言われていますが、コロナ禍以降は不特定多数の人との接触を避けるとして、家庭用のプライベートサウナの人気が高まりました。
特に地方では設置するための広い敷地を取得しやすいため、別荘やセカンドハウスに設置する人が多くなっています。
家庭用サウナには主に3種類あります。
1つが、80~100℃と高温の「乾式サウナ(ドライサウナ)」。
日本のサウナ施設に多いタイプで、家庭用サウナとして一番人気なのもこのドライサウナです。
次に、家庭用設備としては少ないのですが、60~80℃と中低温で加湿する「湿式サウナ(スチームサウナ)」があります。
最後に、遠赤外線の熱を利用したサウナもあります。
ドライサウナやスチームサウナは密閉する必要がありますが、遠赤外線を使ったサウナは換気をしながら入れることが特徴です。
温度も60℃前後と低めなので、高温のサウナが苦手な人にもおすすめです。
バレルサウナといえば「Sa!una」

最近人気の「バレルサウナ」は、フィンランド発祥の「樽のような形をしたサウナ」のことです。
円柱形を横にしたような形が特徴的で、見た目にもおしゃれでとても柔らかい雰囲気で親しみやすいですね。
バレルサウナは、フィンランドの給水塔の建設事業者によって200年ほど前に開発されたと言われています。
組み立てやすく、分解しやすいことから持ち運びがしやすく手軽に屋外に設置できたことから人気が高まったと考えられています。
ウッドデッキ

自然が多く、建物が密集していない地域であればフルオープンになる大きな窓を設けられます。
大きな窓と合わせて人気なのがウッドデッキ。
ウッドデッキにテーブルやチェア、ソファーを置いて、家族がくつろげる空間を設けることで、アウトドアリビングとして活用ができます。
窓をフルオープンにして室内と繋げることができれば、仲間を呼んでバーベキューやガーデンパーティーなど楽しめるでしょう。
無垢スタイル建築設計株式会社が手掛ける「無垢ボックス」


セカンドリビングとしてアウトドアも楽しめる、広々としたウッドデッキが特徴のモデルハウス。
外からの視線も遮るおしゃれな袖壁や、設備やインテリア、照明、間取りなど視覚デザインにもこだわったスタイリッシュな空間です。
壁や床などに使われている自然素材は、素足で歩いたときや手で触れた際に特有の優しさや温もりを感じることができます。
セカンドハウスで需要増加の住居
平屋

セカンドハウスの住まい選びは、自宅とはまた趣の違ったリラックス空間や快適な設備等が求められます。
そんな中、平屋の需要が高まっています。
平屋は、基本的に生活空間が一つの平面に広がっているため、足腰の弱い方や小さなお子様のいるファミリーにも優しい間取りとなります。
リビングやキッチンが開放的な空間になっていることが多く、家族が一緒に過ごす時間を大切にする方の希望の適います。
またテレワーク等の主流化から、セカンドハウス・自宅問わず、利便性・開放性を従来より重視した結果として、「平屋」が選ばれているようです。
賃貸ガレージハウス

ガレージハウスとは、ガレージと居住スペースとを一体化した建物のことです。
もともと車やバイクが好きな方向けの物件として知られていましたが、コロナ禍でライフスタイルが変わってきたこともあり、セカンドハウスやテレワーク用の仕事場、趣味の場やアトリエなど、様々な用途で利用されるケースが増えていると言われております。
狭い敷地でも建設可能なことから、都市部郊外に多く見られます。
インテリアデザインもガレージに特化した造りが多く、ショーケースに展示するように住居スペースから車を眺めることができる間取りなど様々です。
トレーラーハウス

トレーラーハウスはシャーシ(タイヤ付きの車台)の上に家が置かれていて、エンジンを備えずに牽引されて走行する構造のものを指します。
日本で製造されているトレーラーハウスの中で最大なのは、車検付きトレーラーハウスの室内面積で約27㎡、大型トレーラーハウスでは約40㎡です。
住居用として作られたトレーラーハウスはお風呂・キッチン・トイレ等の生活に必要な設備を備えており、 一般住宅を遜色なく過ごすことができます。
人気の理由は、通常の住宅購入と比較すると、初期費用・維持費が安いという点です。
通常の住宅であれば安くても数千万円はかかりますが、トレーラーハウスは500万円から購入できます。
セカンドハウスの税制優遇について

セカンドハウスは税制上、居住用財産に含まれます。
住宅として認められているセカンドハウスなら、税制上の軽減措置を受けることができます。
ここでは、代表的な税制上の軽減措置をご紹介します。
固定資産税
固定資産税は土地・家屋や償却資産にかかる地方税で、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。
固定資産税の計算方法は以下のとおりです。
固定資産税=課税標準 × 1.4%(標準税率)
土地の課税標準額は売買実例価格などを基に算出されますが、宅地については地価公示価格などの7割が目安です。
「住宅用地に係る特例」が適用されると、次のとおり課税標準額がさらに減額されます。
- 小規模住宅用地(200m2以下の部分):課税標準額 × 1/6
- 一般住宅用地(200m2超の部分):課税標準額 × 1/3
※その他、一定条件を満たした新築住宅や認定長期優良住宅の建物の場合にも別途軽減措置が受けられる場合があります。
なお、地方税のため、自治体によっては異なる税率が適用されることがあります。
そのため、セカンドハウスを建設した場所の自治体に確認してみてください。
都市計画税
市街化区域内の土地・家屋には、固定資産税にあわせて以下のような都市計画税が課税されます。
都市計画税:課税標準 × 最高0.3%(制限税率)
特例適用後の課税標準額の減額割合は次のとおりです。
- 小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分):課税標準額 × 1/3
- 一般住宅用地(200平方メートルを超える部分):課税標準額 × 2/3
固定資産税と同じく課税主体は自治体で、市町村によって税率が異なります。
ただし、制限税率のため上限の0.3%を超えることはありません。
不動産取得税
不動産取得税は、売買や贈与、新築や増築などで発生します。
固定資産税や土地計画税のように毎年課税されるものではなく、取得後半年から1年半の間に都道府県から課税される地方税です。
不動産取得税:固定資産の評価額(課税標準税額)×4%(標準税率)
「住宅・住宅用地の特例」が適用されると、土地・建物それぞれに次のとおり減額されます。
<土地>
下記のいずれか大きい額に税率を乗じて得た額を減額・150万円・床面積の2倍の面積(200平方メートルまで)に相当する土地の価格
<建物>
- 新築:固定資産税評価額から1,200万円を控除
- 中古:住宅の新築時期により固定資産税評価額から最高1,200万円を控除
なお、2024(令和6)年3月31日までに取得した不動産に関しては、さらに次のような軽減措置が適用される可能性があります。
- 不動産取得税の税率の特例:4%→3%に軽減・住宅用地
- 商業地等の特例:固定資産税評価額(課税標準税額)を1/2に圧縮
要件などはセカンドハウスがある都道府県に確認してください。
税制上のセカンドハウスの要件

前述で、セカンドハウスにどのような優遇が受けられるかをご紹介しましたが、税制優遇を受けるには以下の要件があります。
- 居住用の家屋であること
- 特定の人の利用であること
- 年間を通じて毎月1泊2日以上の利用があること
なお、優遇措置を受けるには以下のような手続きが必要です。
- 取得後60日以内に所在地の都道府県税事務所へ申請する
- 毎月1泊2日以上の滞在を市区町村役場に提出する
また、軽減措置を受けるには、マンションや一軒家を購入し、それがセカンドハウスとして認められなければなりません。
申請方法や必要書類などは自治体によって異なるため、セカンドハウス購入の前に確認するようにしましょう。

セカンドハウスを持つ際の注意点

セカンドハウスには税制上の軽減措置が受けられることをご説明してきました。
しかし、セカンドハウスの取得は税制面がクリアできれば良いというわけではなく、取得する上で注意しておきたい点が他にもあります。
魅力いっぱいのセカンドハウスを取得する前に、下記のことにも注意して購入を進めましょう。
維持費がかかる
セカンドハウスで暮らすとなると、所有する家が2軒になるため、光熱費や維持費などがかかります。
「セカンドハウスでの田舎暮らしに憧れてはいるけど、費用面が心配…。」という方は、サブスクで気軽に二拠点生活体験ができるサービスもありますので、そういったものを使って田舎暮らし体験をしてみるのもおすすめです。
毎月行く必要がある
前述の税制上のセカンドハウスの要件でもあったように、セカンドハウスで税制優遇を受けるには月に一回以上生活をするという条件があります。
子供が小さいうちに田舎暮らしを体験させたいと、セカンドハウスの購入を決める方もいらっしゃると思いますが、子供の進学などでなかなか毎月行くのが大変な時期もあるかと思います。
そのようなときに毎月セカンドハウスに行く方法を事前に考えておく必要があります。
メンテナンスなども考えて購入しよう
魅力いっぱいのセカンドハウスですが、メンテナンスは必要です。
メインの居住地と同様に、掃除などの家事もしなくてはなりません。
快適な生活のためにセカンドハウスを購入したのに、かえって生活の負担が増えてしまったら、元も子もありません。
そんな事態を避けるためにも、セカンドハウスを購入する際には、新たにかかる費用や労力などを考慮しておくことが大切です。
まとめ
今回は、セカンドハウスで人気の設備や間取りについてご紹介しました。
- セカンドハウスは月1回以上過ごす住まいのこと
- セカンドハウスで人気のトレンドは「プライベート感」と「コンパクト」
- セカンドハウスは税制上の軽減措置が受けられる
