近年、日本各地で発生する雷の数は増加傾向にあり、別荘のような人が少ない場所でも、突然の落雷に遭う可能性は十分に考えられます。
特に山間部や高原に多い別荘は、落雷や停電による被害を受けやすい傾向にあります。
高価な家電製品や、思い出が詰まったインテリア、そして何より大切な別荘を雷から守るためには、適切な雷対策が不可欠です。
今回は、雷の脅威や被害、誰でも簡単にできる雷対策をご紹介します。
思っているより危険!雷の脅威と被害

雷は、いつどこで発生するかわかりません。
しかし、雷がもたらす被害は、家屋への火災や家電製品の故障など、多岐にわたります。
日本の雷発生は年100万回
日本で発生する雷は、年に100万回といわれています。
また、地球温暖化の影響によるゲリラ雷雨が増えており、それにより雷被害も増加傾向にあります。
雷は年間問わず発生しますが、落雷の被害報告は地域によって変わってきます。
気象庁のデータによると、落雷の被害報告は太平洋側では4~9月の被害報告が多く、日本海側では10~3月の被害報告が多くなっています。
また、別荘地の多い山間部や高原などは、都市部よりも高い位置にあるため雷も多く、それによって落雷被害が多くなる傾向にあります。
雷の被害
雷の被害にはさまざまあります。
建物の破損
雷の衝撃波によって、窓ガラスが割れたり、屋根が破損することがあります。
火災
雷が直接建物に落ちると、火災が発生する恐れがあります。
特に木造家屋は、火災に弱いため注意が必要です。
家電製品の故障
送電線や電話線を通した落雷電流で、テレビ、パソコン、冷蔵庫など、ほとんどの家電製品が雷サージの影響を受け、故障する可能性があります。
データの損失
パソコンやハードディスクに保存された大切なデータが、雷サージによって失われることがあります。
直接落ちなくても危険、落雷の種類

雷は大気中で発生する静電気の放電現象で、高層ビルや樹木、時には住宅にも直撃することがあります。
主に雷の種類としては下記があります。
- 直撃雷:雷が地上の物体や建造物に直接落ちる現象
- 誘導雷:雷が建物や構造物の金属部分に引き寄せられ、その経路を通って地面に向かって放電する現象
- 侵入雷:送電線などに落雷した場合に、電線などを通じて雷の電流が建物の内部に入り、放電する現象
- 側撃雷:雷雲の一部が水平方向に広がり、地表と水平に接触することで発生。これにより、雷のエネルギーが地表に沿って拡散し、側方に向かって放電する現象
- 逆流雷:雷放電が地表から雲の方向に向かって放電する現象
雷の被害で一般的に思い浮かぶのは停電です。
雷による停電は、雷が送電線などの電力インフラに直撃することや、雷によるトラブルが電力供給に影響を与えることが原因です。
また、雷が一般住宅に直撃する確率は非常に低く、統計では数十万分の一から数百万分の一の頻度で発生するとされています。
かなり低い発生率ですが、落雷のエネルギーは非常に大きく、直撃した場合の影響ははかり知れません。
また、昨今は雷の発生が温暖化やゲリラ豪雨の影響で増加傾向にあるため、雷対策を意識しておくことが大切です。
家電への影響大!雷サージとは

「雷サージ」とは、雷が落ちた際に発生する、非常に強い電圧と電流のことです。
この電圧は、大きいものは30万アンペアにもおよび、電圧は100万ボルトを超えることもあるため、電気製品に流れ込んだ場合、破壊や誤作動など、さまざまな被害を引き起こします。
雷サージが発生する主な原因は「直撃雷」、「誘導雷」によるものです。
雷サージが家電製品に与える影響
雷サージが家電製品に与える影響は多岐にわたります。
半導体回路の焼損
パソコンやテレビなどの電子機器に多く使われている半導体回路は、雷サージに非常に弱く、一瞬で焼損してしまうことがあります。
部品の破損
コンデンサーや抵抗器などの部品が破損し、機器が動かなくなることがあります。
データの消失
ハードディスクに保存された大切なデータが、雷サージによって失われることがあります。
具体的な例
- パソコン:マザーボードや電源ユニットが焼損し、起動しなくなる。
- テレビ:画面が映らなくなる、電源が入らなくなる。
- 冷蔵庫:コンプレッサーが故障し、冷えなくなる。
他にも、あらゆる家電への影響を及ぼします。
雷サージ対策の必要性
雷サージは、いつどこで発生するかわかりません。
そのため、事前に対策をしておくことが非常に重要です。
雷サージ対策を行わないまま、雷が落ちると、高価な家電製品が一瞬にして使えなくなる可能性があります。
雷サージ対策は、あなたの大切な家電を守るための保険のようなものです。
今からでも始めよう!雷対策

特に普段住んでいる住居と違い、別荘や二拠点生活のセカンドハウスなどは被害に気づきにくいという点があります。
そのため、事前の対策が重要です。
ここでは、今から始められる雷対策についてご紹介します。
家電への対策
雷サージ対策の電源タップを使う
いちばん簡単な対策は、雷サージ保護機能付きの電源タップを使用することです。
雷サージ保護機能付きの電源タップは、雷の過剰な電圧を吸収して家電の故障を防いでくれます。
ただし、一度、過電圧を吸収した電源タップは保護機能を失うため注意が必要です。
電源タップによっては、ランプで保護機能が働いているかを判別できます。
ランプが消えている場合は買い替えのタイミングとなります。
避雷器の設置する
家庭内の分電盤に避雷器(ホームアレスタなど)を設置することで、家全体の家電製品を保護することができます。
専門業者に依頼し、適切な場所に設置してもらいましょう。
電源プラグを抜く
不在時は、全ての家電製品の電源プラグを抜くことが最も確実な方法です。
ただし、冷蔵庫など全てのプラグを抜くことは現実的ではないため、雷サージ保護機能付き電源タップと併用するのがおすすめです。
また、滞在時でも雷が近づいてきたらなるべくプラグを抜いて、電化製品から離れるようにしましょう。
パソコンはLANケーブルも抜く
パソコンを有線LANで接続している場合は、LANケーブルも抜きましょう。
落雷の電流は電話回線からも侵入してくるため、電源ケーブルを抜いただけでは対策として不十分です。
また、無線LAN(Wi-Fi)を利用するというのも対策になります。
停電対策
停電によって家電などの機器が故障する場合もあります。
理由としては停電そのものよりも、復旧した際に一斉に運転を再開してヒューズやブレーカーが飛ぶ恐れがあるためです。
対策方法としては、家電対策と同様で電源プラグを抜くことが一番です。
また、滞在時の停電対策として、懐中電灯や乾電池、モバイルバッテリーを用意しておくと良いでしょう。
木造住宅は火災に注意
かなり稀なケースではありますが、雷によって強い電流が家に流れ込み「コンセント内の埃に引火」、「家電がショートして出火」することで火災につながるケースもあります。
万が一のことを考え、別荘やセカンドハウスを空ける時は、家電のコンセントを抜いておいたり、コンセントまわりの埃は綺麗にしておく、など対策をしておくと安心です。
また、別荘・セカンドハウスであっても火災保険への加入をしておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、雷の脅威や被害、誰でも簡単にできる雷対策をご紹介しました。
- 温暖化によってゲリラ豪雨、雷の発生が増加傾向
- 直接の落雷でなくても、建物や家電に影響が出る
- 不在時はコンセントを抜く、雷サージ対策のタップを使用するなど対策を

不在がちな別荘の
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