冬の季節、別荘やセカンドハウスを安全に利用するためには、事前の備えが不可欠です。
海沿い・山沿いでは気候が大きく異なるため、環境を理解し冬も利用する場合と利用しない場合で適切な対策を取ることが、建物を長持ちさせるポイントになります。
今回は、別荘を所有する方向けに、冬の備えが必要な理由から具体的な準備方法を海沿い・山沿い別に詳しく解説します。
別荘・セカンドハウスに冬の備えが必要な理由

[海沿い]冬の備えが必要な理由
海沿いの別荘は、冬季に特有のリスクがあります。
まず、海からの季節風により塩害が加速するため、鉄部や金属製の外装材が腐食しやすくなります。
冬の海風は強く、屋根材や外壁への物理的ダメージが起こりやすくなります。
そのため、建物の劣化や破損が進む可能性があります。
さらに、湿度変動による結露やカビのリスクも高まります。
こういったことから、本格的な冬を迎える前に備えをすることが重要となります。
[山沿い]冬の備えが必要な理由
山沿いの別荘では、冬季に積雪や凍結のリスクが大きく、屋根や外構、カーポートに負荷がかかります。
また気温が低いため、水道管や給湯器の凍結トラブルも発生しやすくなります。
さらに山沿い特有のリスクとしては、冬季はエサが少ないため、野生動物の侵入リスクも増加します。
その他、海沿い同様に、湿度変動による結露やカビのリスクも高まります。
このような山沿い特有のリスクに対して、備えをすることが重要となります。
【冬利用する人向け】備えはどうしたらいい?

[海沿い]冬も利用する場合の備え
海沿いの別荘、セカンドハウスは主に塩害や強風の対策が必要となります。
- 防錆、防潮対策
金属部や屋外設備に防錆塗装やコーティングを施し、腐食を防ぎます。
鉄製の手すりやドア金具、屋外の照明器具などを対象に行います。 - 強風に備えた点検
屋根材や外壁、バルコニーの固定状況を確認し、緩みや浮きを修繕します。
釘やビスの緩み、外装パネルの劣化チェックも含まれます。 - 断熱・気密性向上
窓の断熱フィルム貼付やサッシの気密性チェックを行い、暖房効率を高めます。
隙間風を防ぐことで室内の寒さを和らげます。 - 結露対策
除湿器や換気扇の運転を確認し、室内の結露を抑えます。
窓や壁の結露が多い場所を中心に行います。 - サッシ・ドアの点検
潮風による劣化で隙間ができやすいため、気密性や動作を確認し必要に応じて調整します。
[山沿い]冬も利用する場合の備え
山沿いの別荘、セカンドハウスは主に積雪や水道凍結の対策が必要となります。
- 水道凍結防止ヒーターの設置
給水管や給湯管にヒーターを取り付け、凍結を防ぎます。
特に外壁沿いや屋外の配管が対象です。 - 暖房設備の点検
快適に過ごすためにはストーブやボイラーの安全稼働と燃料の確認が大切です。
不具合があった場合は早めに修理依頼を行いましょう。 - 雪止め金具・落雪対策
屋根やベランダの雪止めを確認し、落雪による事故や設備損傷を防ぎます。 - 除雪・融雪準備
雪かき道具や融雪剤を用意し、必要な時にすぐに雪を除去できるようにしておきましょう。 - 野生動物侵入防止
冬は野生動物が屋根裏、床下、物置、建物の隙間などに侵入して越冬しようとします。
糞害などを防ぐため、床下や屋根裏、換気口の隙間を封鎖するなどの対策をとると良いでしょう。
別荘を冬に使用しない場合はしっかり対策を

[海沿い]冬に利用しない場合の事前対策
- 通気確保と湿度管理
24時間換気や吸湿剤を使い、室内の湿度を一定に保ちましょう。
それによりカビの発生を防ぎ建物の劣化抑制につながります。 - 防錆コーティング・外壁洗浄
長期不在前に外壁や金属部を洗浄し、防錆剤を塗布して腐食を抑えます。 - 水道・給湯器の凍結対策
海沿いでも氷点下が続く地域の場合は水抜きやヒーター運転で凍結を防ぎましょう。
管や設備の破損を防止します。 - 防犯対策
長期不在の場合は、シャッターや施錠の確認を行い、空き巣や不審者から建物を守りましょう。 - 屋外設備の固定
海沿いは風が強くなるため、飛ばされやすい物干し台やガーデン家具を固定または撤去し、強風による被害を未然に防ぐようにしましょう。
[山沿い]冬に利用しない場合の事前対策
- 水道・給湯管の水抜き
管内の水を抜き、凍結による破損を防ぎます。
ボイラーや外水栓も対象です。 - 屋根・梁の補強点検
雪荷重に耐えるよう、屋根や梁の状態を確認・補強します。 - 積雪による倒壊防止
カーポートやフェンスなど、雪で倒れやすい設備を点検・固定します。 - 野生動物侵入防止
冬は野生動物が屋根裏、床下、物置、建物の隙間などに侵入して越冬しようとします。
糞害などを防ぐため、床下や屋根裏、換気口の隙間を封鎖するなどの対策をとると良いでしょう。 - 冬季不在モードの設定
暖房や給湯設備を低温運転モードにセットして凍結防止を行います。 - 最低限の凍結防止暖房
オイルヒーターなどで室温を維持し、完全凍結を防ぎます。
別荘管理サービス・専門業者を活用するメリット
専門業者に依頼することも検討しよう

冬季の別荘管理は、海沿い・山沿いで異なるリスクが存在するため、すべて自分で対応するのは大きな負担となります。
ここでは、別荘の管理サービスや専門業者を活用するメリットをご紹介します。
[海沿い]管理やサービスを活用するメリット
- 塩害や強風対策の効率化
自分で屋根や外壁をチェック・洗浄する場合、機材や足場のレンタル、作業時間が膨大になります。
専門業者に依頼すると、1日で広範囲の点検・洗浄を実施でき、作業リスクも軽減されます。
- 結露・カビ対策の安心感
長期不在時の換気や除湿はタイミングや方法を誤ると効果が薄くなります。
業者に任せると、湿度管理や結露チェックを定期的に行えるため、建材の劣化やカビ発生のリスクを最小化できます。
- 緊急対応時の費用対効果
強風や台風による破損が発生した場合、自分で対応すると部材調達や応急処置の時間がかかります。
業者に事前契約しておくと、迅速な対応で被害拡大を防ぎ、修繕費を抑えることが可能です。
[山沿い]管理やサービスを活用するメリット
- 除雪・積雪対策の時間と安全性の確保
屋根や敷地の雪下ろしは危険を伴う作業です。自分で行う場合、事故のリスクや時間的コストが大きくなります。
専門業者に依頼すると、安全に短時間で作業が完了し、身体的負担もゼロにできます。
- 凍結・暖房設備管理の効率化
水道管凍結防止やボイラー点検を自分で行う場合、手間と時間がかかり、冬季トラブルでの修繕費が高額になる可能性があります。
業者活用で確実に凍結を防ぎ、破損リスクを軽減できます。
- 停電・野生動物対策の安心感停電や動物被害による損害は、自力で対応すると時間もかかり、被害が拡大することがあります。
専門業者による定期巡回や封鎖作業を活用すると、未然にリスクを防ぎ、修繕費用や緊急対応費用の削減につながります。
サービス利用する?or自分で行う?
冬の別荘管理を自分で行う場合、作業にかかる時間や労力、リスクをすべて自分で負担することになります。
海沿いでは塩害や強風による外装や設備の劣化、山沿いでは雪下ろしや水道凍結対策など、専門的で危険を伴う作業も多く、作業の準備や点検だけでも大きな負担です。
そのため、自分で行った場合にかかる時間や事故のリスク、場合によっては修繕費用を金額換算すると、専門業者に依頼する費用を上回ることも少なくありません。
一方で、管理サービスや専門業者を活用すれば、作業の安全性と効率性が確保され、長期的に建物の維持コストを抑えることが可能です。
また、長期不在時でも定期巡回や設備管理を任せることで、凍結や積雪、カビの発生などのリスクを未然に防ぎ、修繕費の増加を防止できます。
結果として、サービスを活用することで、直接的な費用だけでなく、時間や労力、安心感も含めた総合的なコストパフォーマンスが向上することになります。
まとめ
今回は、別荘を所有する方向けに、冬の備えが必要な理由から具体的な準備方法を海沿い・山沿い別に解説しました。
- 海沿いは塩害・強風・湿気、山沿いは雪・凍結・動物が主な冬リスク
- 利用するか否かで必要な備えが異なるため、目的に応じた準備が重要
- 専門業者や管理サービスを活用することで、冬季のトラブルを未然に防ぐことが可能

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