リモートワークが普及しつつある昨今、中古の別荘やリゾートマンションを格安で購入し、地方移住や二拠点生活を始めようという方もいるのではないでしょうか。
自然が豊かで、眺めがよい別荘・セカンドハウスで過ごす時間は何物にも代えがたいですよね。
現在でも、プレイルームや大浴場・プールがついている別荘やリゾートマンションの人気は健在です。
しかし戸建て・マンションに限らず、維持管理していくには様々な費用がかかります。
今回は、別荘やセカンドハウスの管理費用について、戸建てとマンション別にご紹介します。
別荘の管理について

まず、別荘の管理は、戸建てとリゾートマンションで異なります。
それぞれの管理についてご説明します。
戸建て別荘の場合
別荘地内をパトロールする管理人がいるような別荘地の場合、管理費がかかります。
いわゆる『別荘地』といわれる区画で、所有者のほとんどが年に数回の利用が多いため、別荘所有者に代わって別荘地の安全や景観を保っています。
しかしながら別荘地であっても、管理をすべて所有者に任せているところもあり、その場合は管理費は徴収されません。
その場合、別荘内外の清掃はもちろん、寒冷地であれば冬場にバス・トイレ・湯沸かし器などが凍って使えなくなってしまわないよう、水を抜く作業や除雪などを自分で行うことになります。
別荘地の多くは田舎にあり、放置しておくと1シーズンで草が生い茂ってしまうため、年数回の草刈りが必要になることも多いようです。
リゾートマンションの場合
リゾートマンションの場合は、必ず管理費のほかに修繕積立金が含まれた形で徴収されます。
所有者が快適に過ごすための日常的に必要な費用で、以下のような項目が含まれます。
- 管理員の人件費
- 清掃費、消毒費・ごみ処理費
- エレベータや温泉、プール、レストラン、ラウンジ、ジム・フィットネス、駐車場や給水ポンプなどの設備関連のメンテナンスなど、共用設備の保守維持費、運転費
- 壁や手すりの塗り替えや屋上の防水工事など、修繕の費用
- 台風や地震、火災などにより被害が発生した際に修繕を行うための費用
- 共用部分などにかかる火災保険料、そのほかの損害保険料
このように、リゾートマンションでは必ず管理費用がかかりますが、戸外の清掃が不要であったり、共用設備のメンテナンスを行ってもらえるといったメリットがあります。
別荘の管理費用はどのくらい?

次に、戸建てとリゾートマンションの管理費用についてご説明します。
戸建ての場合、管理費用が発生しない場合もあるため、管理会社や代行業者へ委託した場合の費用としてご紹介します。
戸建ての場合
戸建ての別荘を購入し、毎週のように別荘を訪れるなら、自分たちで清掃や草刈りをすることもできます。
しかし、のんびりしようと思って別荘に来たのに、1日中片づけ作業に追われてしまっては、元も子もありません。
年に数回程度の別荘利用を考えているなら、定期巡回パトロールや、庭木の手入、草刈り・落ち葉の回収、ゴミの仕分け・収集のほか、除雪など別荘管理を業者に委託することもできます。
上記の他、室内の清掃、留守中の窓開け、排水トラップへの注水、寒冷地であれば水を抜く作業などもあります。
業者によって費用やサービス内容は異なりますが、およそ月額1~5万円が相場と言われています。
リゾートマンションの場合
共用部分が多いリゾートマンションは、一般のマンションよりも管理費が高く設定されています。
一般的なマンションの場合、1平方メートルあたりの管理費は200円ほどと言われていますが、リゾートマンションの場合は1平方メートル800円を越えるような物件もあります。
例えば、2LDKで100平方メートルの物件の場合、一般のマンションの管理費は2万円ですが、リゾートマンションではその4倍もかかってしまうのです。
このように、リゾートマンションの管理費は高いということを頭に入れておきましょう。
格安のリゾートマンションを購入したとしても、月額5~10万円の維持・管理費等を負担しなければならないというケースもあるため、購入前に十分確認をしておきましょう。
他にもかかる別荘の維持費用

別荘の管理費は、購入する物件によって発生する場合としない場合があるということがわかりました。
しかし、別荘に訪れる頻度に関わらず維持にかかる費用があります。
別荘を購入する前にぜひ、以下の費用のシミュレーションも行いましょう。
修繕費
別荘を購入すると、修繕にかかる費用が予想外に高額になる場合があります。
特に中古物件を購入した場合は、水道管や給湯器などの設備の取り換えに数十万円が必要になることもあるのです。
また、雨漏りやシロアリ駆除などがある場合は、さらに費用がかさんでしまいます。
税金関連
固定資産税・都市計画税・住民税・火災保険料は毎年支払わなければなりません。
固定資産税は、土地・建物の評価額に1.4%、都市計画税は、土地・建物の評価額に0.3%の税率をかけて計算されます。
また、別荘を購入すると、均等割部分のみですが住民税がかかります。
たとえ住民票を移していなくてもかかるため、注意が必要です。
水道光熱費
不在で使わなくても電気代やガス代の基本料金は、毎月払わなくてはなりません。
また、上下水道料金も月額数千円程度かかります。
場所によっては簡易水洗トイレのこともあり、その際は汲み取り費用が必要です。
他にも、人気のある薪ストーブつきの別荘の場合には、薪の費用がかかります。
薪は想像以上に高額で1日中ストーブを焚く厳冬期には日に1,000円以上、一冬にすると10万円近くなることもあります。

こんな場合は管理の委託を検討しよう

別荘やセカンドハウスを購入した当初は、ほとんどの方が頻繁に訪れて、ご自身で掃除やメンテナンスを行おうと思っています。
しかし、家族のライフステージが変わるにつれて、当初の予定通り訪れることが難しくなるケースもあります。
別荘やセカンドハウスの利用で、下記のようなケースでは管理等の委託サービスも検討すると良いでしょう。
年に数回の利用頻度
「人が住まないと家は傷む」と言われているように、別荘やセカンドハウスにも同じことが言えます。
建物の傷みや劣化を抑えるのに重要なのが、換気や排水トラップへの注水です。
せっかく購入した別荘を長く綺麗に保つためにも、年数回の利用の場合には管理会社やハウスクリーニング等の代行業者が行っている換気・通水サービスを利用すると良いでしょう。
趣味やレジャーを楽しみたい
特に戸建てを購入する場合は、部屋数が多かったり、庭があったりと掃除や草刈りなどの建物のメンテナンスに、予想以上に時間がとられるものです。
余暇を楽しむために家族と訪れた別荘で、掃除や庭仕事に追われるのはなかなかつらいものです。
このような場合にも、室内清掃や庭の草刈りを行ってくれる代行サービスを検討してみるのも良いかと思います。
災害時の現地確認が難しい
普段の住居から離れたところに別荘やセカンドハウスがある場合、台風や地震等の災害が発生しても、すぐに駆け付けるのはなかなか難しいかと思います。
しかし、窓ガラスが割れた、屋根が破損した等で、雨漏り等の建物被害に気づくのが遅くなってしまうこともあります。
応急対応が出来なかった場合、雨水の侵入により、建物の劣化や家具・家電の汚損など、更に被害が拡大してしまう可能性があります。
心配な方は、建物の状況を定期的に点検・報告してくれるサービスを利用すると良いでしょう。
庭木や垣根が敷地にある場合
戸建ての別荘やセカンドハウスの場合、庭木や垣根を植えているケースがあると思います。
利用頻度が低い場合、気づかないうちに庭木が伸びて敷地から越境して、近隣の方への迷惑や、道路等へ伸びてしまった場合は通行の妨げになる事も考えられます。
近所の方から注意を受け気まずい気持ちになると、せっかくの別荘滞在も楽しめなくなってしまいますよね。
大きな庭木がある場合は、植木屋に定期的にチェックしてもらい、剪定をお願いする方法もあります。
他にも、建物・敷地の定期点検をしてくれるサービスもありますので、建物の現状を確認するだけでも安心できます。
まとめ
今回は、別荘やセカンドハウスの管理費用についてご紹介しました。
- 管理費用が発生しない場合は、自身でメンテナンスをする必要がある
- 管理費用の他に維持費がかかることもシミュレーションする
- 利用スタイルによっては管理サービスの委託も検討
