多忙な日々を送っている現役世代の方の中には、最近になって健康管理やリラックスするための時間を持つことの重要性に気付いたという方も多いのではないでしょうか。
「休暇や週末は別荘で、自然に囲まれのんびりとした時間を過ごしたい」
新しい働き方の一つであるテレワークの普及も後押しして、40~50代で別荘やセカンドハウス目的で地方に中古物件を購入する人が増えています。
人気移住エリアでは購入希望者に対して販売中の中古物件が足りず、自治体が主導となって空き家の掘り起こしを行っているという話もあるほどです。
しかし別荘を所有するということは、建物の管理が必要となってきます。
毎週のように訪れるような場合は特段気をつけることも少ないのですが、1ヵ月に1回、もしくは半年に1回しか訪れないという場合には、様々な問題が発生しやすくなってくるため注意が必要です。
気がついたら建物の破損が進んでいた、不法侵入や盗難被害にあったということがないよう適切に別荘も管理したいものです。
そこで今回は、別荘の管理が必要な理由と、管理代行してくれる管理会社のサービス内容や利用メリット、依頼する会社の選び方についてご紹介します。
別荘管理が必要なワケ

居住建物を同様に別荘にも管理は必要です。
毎日生活をしている居住の戸建てやマンションと違い、たまに訪れる別荘はメンテナンスが行き届かなかったり、自然環境など地域特有の問題も発生します。
ここでは、別荘管理が必要なワケを具体的に説明していきます。
快適な滞在環境の確保
別荘というものは、「リラックスして休暇を過ごすため」の場所です。
そのためには別荘の清掃や換気、水道や電気の設備確認などを行い、快適な滞在環境を維持することが必要不可欠です。
いつでも快適に別荘滞在できるように、これらの管理を行うことが重要となってきます。
また、別荘の品質をも維持することに繋がります。
安全とセキュリティ対策
遠隔地にある別荘や頻繁に来荘できない等で長期間不在にしておくと、不法侵入や盗難等の犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
そのためセキュリティ対策が必要です。
また、すぐには駆け付けられないからこそ、災害への備えも重要となってきます。
たとえば、近所の方とコミュニケーションを取っておくことで、不審な人物がいないかなど気にかけてもらう、いざという時に連絡がもらえる、というような関係を築いておくことも対策の1つとして考えられます。
他にも、別荘管理会社に委託する場合、建物の定期巡回や緊急時の駆け付けサービスを行っている会社もありますので、こういったサービスを利用するのも対策となるでしょう。
資産価値の維持
別荘は大きな投資であり、重要な資産の一つです。
適切な管理を行うことで、別荘の資産価値を維持することに繋がってきます。
具体的には、定期的な点検やメンテナンス、建物や敷地の清掃などを行い、劣化や損傷を防止しましょう。
また、景観を保つために庭の手入れを行うことも重要です。
これらにより、別荘を将来的に売却する場合にも資産価値が維持されるでしょう。
別荘管理サービスはどんなことをしてくれる?

ここでは、一般的な別荘管理会社のサービス内容をご説明します。
別荘管理会社によって提供内容は異なってきますので、実際に利用を検討される場合は管理会社へ確認をとりましょう。
①建物の管理・巡回パトロール
別荘の建物に破損や異常がないか、不審物がないかの点検を行います。
また、定期的に建物を人が巡回することで、放火や不法侵入等を抑制するなどの防犯対策にもなります。
②室内換気・通水
別荘内の窓を開けての空気を入れ替える換気や、トイレ・キッチンの排水口へ水を通したり、洗面・洗濯機等の排水トラップに注水を行います。
建物は締め切っているとカビが発生しやすくなりますし、蛇口の水を通さずに長い期間放置しておくと錆が出て、錆が進んでいくと水道管が壊れてしまう可能性があります。
また、排水トラップの水がなくなると、そこから害虫・害獣が侵入してくる可能性もあります。
これら全ての抑制になりますので、室内換気・通水は別荘の維持管理には重要な作業となります。
③ハウスクリーニング
床清掃、水回り清掃、窓ふき、糞・害虫駆除など別荘の一般的な清掃を行います。
換気・通水と合わせて、別荘を長く維持管理するには必要不可欠な項目と言えます。
ハウスクリーニング専門業者と違う点は、別荘管理という性質のため不在時の対応が可能なところ。
来荘前に綺麗にしておいてもらう、といった利用方法もとれます。
※ハウスクリーニングでも不在時対応が可能なサービスもあります。
④設備・備品の点検
別荘の設備や備品(家電・家具類)の状態チェック・試運転から、消耗品の補充代行まで行ってくれるサービスもあります。
⑤環境整備
主に庭や敷地、周辺の環境整備を行います。
具体的には落ち葉の清掃や草刈り等を行ってくれます。
中には、近隣や道路へ樹木が伸びてしまっているというような境界線への影響も確認・整備をしてくれるところもあります。
敷地の景観を保つことで防犯面のメリットもあります。
⑥除雪作業
寒冷地・降雪地帯の別荘地では、駐車場や玄関アプローチの雪かきを行ってくれるサービスもあります。
⑦その他
他にも、別荘管理会社によっては様々なサービスを取り扱っています。
- ゴミ出し、不用品の回収
- 食事のケータリング
- 宅配・郵便物などの取次ぎと転送
- エアコンクリーニング等の専門的な清掃
- リネン類の洗濯やレンタル
- レジャー施設などの案内、送迎
気になる費用は?
別荘管理会社や建物の大きさによって、費用の幅は広くなっています。
戸建てのケースでは1万円(/月)から利用できるところもあれば、30万円(/月)と様々です。
その分対応できるサービス範囲も異なっていますので、ご自身の用途と予算を元に探してみましょう。
別荘区画の場合は、管理棟が設けられていることもあるため、ハウスクリーニングなどのサービスを割安で受けられる場合もあります。
どんな人におすすめ?別荘管理サービスのメリット

前項では、別荘管理会社がどのようなサービスを提供しているかご説明しました。
しかし、どんな場合に利用するのが良いか気になるところかと思います。
ここでは、サービス利用がおすすめな人と、利用するメリットについてご紹介します。
こんな人は利用がおすすめ!
- 別荘滞在中はレジャーを楽しみたい
- 長期間別荘の利用予定がない
- 不在時の防犯面や災害等の建物の状態が気になる
別荘管理サービスのメリット
別荘管理会社のサービスを利用することには、以下のようなメリットがあります。
①専門知識と経験の活用
別荘管理会社は、専門的な知識と豊富な経験を持っていますので、施設管理、メンテナンスなどを効率的に行ってもらえます。
そのため、別荘管理を任せることで、自身の負担を減らしながら、専門性の高い別荘管理をしてもらえるというメリットがあります。
②利便性と時間節約
所有者自身が別荘管理を行う場合、時間と労力がかかります。
しかし、現役世代で別荘・セカンドハウスを所有している場合は、ほとんどの方が時間的な余裕がないことが多いと思います。
そこで別荘管理会社のサービスを利用することで、自身の負担を軽減し、自由な時間を確保することができます。
別荘での滞在中は時間いっぱい余暇を楽しむことで、心身のリフレッシュをはかることができ、日常の生活にもメリハリをつけることができます。
③災害時などの緊急対応
居住地から遠いところに別荘やセカンドハウスがある場合、台風や地震等の災害が発生しても、すぐに駆け付けるのはなかなか難しいかと思います。
しかし、窓ガラスが割れた、屋根が破損した等で、雨漏り等の建物被害に気づくのが遅くなってしまうこともあります。
急対応が出来なかった場合、雨水の侵入により、建物の劣化や家具・家電の汚損など、更に被害が拡大してしまう可能性があります。
別荘管理会社では、災害時や緊急時に建物の点検を行うサービスもありますので、いざという時には助かりますね。

別荘管理会社の選び方

大切な別荘の管理を任せる上で気になってくるのが、どういった管理会社を選べば良いかだと思います。
ここでは別荘管理会社を選ぶポイントご紹介します。
①専門知識と経験の豊富さ
別荘管理会社を選ぶ際には、その会社の専門知識と経験の豊富さが重要です。別荘管理は特殊な業務であり、施設管理や予約管理、メンテナンスなどさまざまな側面をカバーする必要があります。
そのため適切な管理を行ってもらうには、別荘の特性やニーズに精通した会社が望ましいでしょう。
過去の実績や顧客の評判、専門スタッフの有無などを調査し、信頼性のある会社を選びましょう。
②コミュニケーションと透明性
実際に依頼する際に、別荘管理会社と円滑なコミュニケーションがとれることは重要です。
安心して別荘管理を任せるためには、依頼側の要望や問題に対して迅速かつ適切に対応してもらいたいですよね。
そこで別荘管理会社との契約前に、コミュニケーションスタイルや対応力を確認するために面談や質問を行いましょう。
また、契約や料金に関する情報は明確で透明性があることも重要です。
③サービス範囲と提供内容
別荘管理会社の提供するサービス範囲と提供内容を確認することも大切です。
管理会社によって提供されるサービスには差がありますので、こちらが求めるニーズに合っているか確認しましょう。
例えば、メンテナンス作業や清掃サービス、予約管理やゲストサービスなど、所有者が希望する範囲のサービスを提供しているかどうかを確認し、自身の別荘の運営に必要なサポートを受けることができるかを確認しましょう。
別荘管理以外の類似サービス

別荘管理に必要なサービスは、別荘管理会社以外でも対応してもらえるものもあります。
別荘管理に特化したサービスではありませんが、スポット的に利用したいという場合にはお勧めです。
①ハウスクリーニング業者
ダスキンやおそうじ本舗などが有名ですが、ハウスクリーニングに特化したサービスを提供しています。
大掃除やエアコン・換気扇などの専門的なクリーニングが依頼できるため、別荘に限らず利用者が多いです。
ただし、「室内クリーニングに特化している」、「不在時の対応はできない」等があるため、別荘の利用スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
②家事代行サービス
ハウスクリーニングの他、買い物や食事の準備、ベビーシッターなど、幅広い対応をしてくれます。
時間単位のサービスが多いため、短時間利用であればおすすめです。
デメリットは、都会や有名別荘地でのサービス展開が多いため、地方の別荘の場合はサービス自体がないということもあります。
③その他
お庭の草刈りだけ、屋外の建物点検だけ、といったサービスに対応してくれる業者もあります。
・植木屋
お庭の草刈りや剪定を頼むことができます。
・便利屋
草刈りや屋外の点検から買い物代行まで様々なサービスを提供しています。
ただし、業者によってサービス内容や費用が大きく異なるため、事前に確認をしましょう。
・空き家管理サービス
別荘を長く利用していない・利用予定がないという場合は空き家管理サービスを利用できる場合があります。
屋外の点検やお庭清掃のみといった限定的なサービスにはなりますが、比較的安価に利用できるケースが多いです。
まとめ
今回は、別荘の管理が必要な理由と、管理代行してくれる管理会社のサービス内容や利用メリット、依頼する会社の選び方についてご紹介しました。
- 別荘管理はセキュリティや資産価値の維持でも重要
- 別荘管理サービスを委託することで効率的に別荘滞在を楽しむ
- 別荘管理サービスは業者の信頼性と用途に合わせて選ぶ
