地方移住や二拠点生活を検討するときに気になるのは、「実際に暮らしてみて自分に合うかどうか」
そこで、旅行では見えにくい日常のリアルを知る方法として注目されているのが「ふるさとワーホリ(ふるさとワーキングホリデー)」です。
地域で働きながら一定期間暮らすことで、生活コストや人との距離感、働き方の可能性まで体験できます。
今回は、ふるさとワーホリの仕組みや申し込み方法、費用補助の実態、地域おこし協力隊との違いまでをご紹介します。
「ふるさとワーホリ」とは?

地方に関わる新しい選択肢
リモートワークや副業解禁を背景に、都市部に住みながら地方に関わる人が増えています。
しかし「いきなり移住」や「転職」となるとハードルが高く、まずはお試しで地域の暮らしを体験したいと考える社会人も少なくありません。
そんなニーズに応えるのが、総務省が2017年にスタートさせた「ふるさとワーキングホリデー(以下、ふるさとワーホリ)」です。
短期間で「仕事・暮らし・交流」を体験
ふるさとワーホリでは、地域の農業や観光業、宿泊業などで働きながら滞在し、地元の人と交流することができます。
期間は2週間〜1か月程度と短期で、社会人でも参加しやすいのが特徴です。
移住を前提とせず気軽に地域に関われる点で注目を集めています。
ふるさとワーホリの仕組み

ふるさとワーホリは、地域に短期間滞在しながら仕事と暮らしを同時に体験できる仕組みです。
受け入れ自治体や事業者が参加者を募集し、応募者は農業や観光、宿泊業など地域の産業で働きながら生活します。
活動中は実際に労働に従事するため、勤務時間に応じて給与や日当が支払われます。
滞在期間はおおむね2週間から1か月程度とされており、まとまった休暇を利用した社会人でも参加しやすいのが特徴です。
さらに、滞在先の住居は自治体や受け入れ事業者が用意してくれるケースが多く、生活に必要なインフラが整えられている点も安心材料です。
交通費や食費など日常的な出費は自己負担となる一方、住居や地域内の移動については補助がある場合も少なくありません。
参加対象は学生やフリーランスに限らず、社会人も含まれています。
近年はリモートワークや有給休暇を組み合わせて参加する人が増えており、「いきなり移住」するのではなく、まずは地域の暮らしを試してみたいというニーズに応える制度として注目を集めています。
地域おこし協力隊との違い

似たような活動に「地域おこし協力隊」があります。
ここでは、ふるさとワーホリと地域おこし協力隊の違いを見ていきましょう。
ふるさとワーホリと地域おこし協力隊との違い
項目 | ふるさとワーホリ | 地域おこし協力隊 |
---|---|---|
滞在期間 | 短期 (2週間〜1か月) | 長期 (1〜3年) |
移住要否 | 不要 | 必須 (任期中は地域に居住) |
主な目的 | 「体験」「交流」「お試し移住」 | 「定住」「地域課題解決」「地域活性化」 |
活動内容 | 農業、観光、宿泊業などで働きながら生活 | 自治体業務や地域振興プロジェクトに従事 |
適性 | 気軽に挑戦できる短期体験として | 本格的な転職・移住志向の人向け |
ふるさとワーホリは、地域おこし協力隊と違い、段階的に関わり方を選べるのが魅力で、ふるさとワーホリをきっかけに協力隊に応募する人もいます。
社会人にとってのメリット

ふるさとワーホリは、単なる「休暇」と「仕事」を兼ねたプログラムではなく、キャリアやライフスタイルの選択肢を広げる実践的な学びの場です。
社会人にとっての具体的なメリットをご紹介します。
① キャリアの再設計
日々の業務に追われる中では、自分のキャリアや人生を俯瞰して考える余裕を持つことは難しいものです。
しかし、ふるさとワーホリのように「働きつつ暮らしを変える時間」を得ることで、自分にとって本当に大切なもの、やりたいことに気づくきっかけとなります。
② スキルと視野の拡大
普段の仕事と異なる産業に関わることで、得られる学びや発見は計り知れません。
農業、観光、宿泊、地元の加工業など、地域ならではの仕事を通じ、「自分には新たな適性があった」と知ることも少なくありません。
これにより、自分の仕事や人生における可能性や選択肢を広げることができるのも魅力のひとつです。
③ 実生活としての「地域との関わり」
旅行では得られない、日常としての地域との関わりが「実践的な学び」になります。
例えば、地元の市場で野菜を選ぶときの会話や、祭りの準備といった日常的な活動に参加することで、地域に根差した暮らしの価値観を共感として理解できます。
こうした体験が、移住や二拠点生活を考える上での判断材料になります。
④ コストを抑えて充実した「お試し二拠点生活」
長期移住や二拠点生活はハードルが高く思われがちですが、ふるさとワーホリなら短期間かつ比較的低コストで「その生活が自分に合っているか」を試すことが可能です。
働いて報酬を得ながら生活費の一部を賄え、住居や交通の補助があるプログラムも多いため、自己負担を最小限に抑えつつリアルな体験ができるのは大きなメリットです。
このように、ふるさとワーホリは、社会人にとって「働きながら暮らし方を見つめ直す時間」であり、「新たな能力や視野への扉」、そして「リアルな地域を知る窓」であると同時に、「低リスクな二拠点生活のお試し」としても機能します。
ふるさとワーホリ参加までのステップ

ステップ1:募集を探す
まずは、ふるさとワーホリの募集サイトで、参加したい募集案件を探すことから始まります。
農業・観光・宿泊・教育など、さまざまな業種や滞在期間、条件が検索できるため、自分の興味やライフスタイルに合ったプログラムを比較検討することができます。
希望エリアや働き方、交流イベントの有無などもチェックしながら、自分らしい滞在先を選びましょう。
ステップ2:説明会参加(希望者のみ)
プログラム内容に興味が湧いたら、希望に応じて説明会に参加するのがおすすめです。
説明会では、地域の雰囲気や仕事内容、補助内容などを主催者や自治体の担当者から直接聞くことができ、不明点や不安も質問できます。
ただし、説明会への参加は義務ではなく、遠方で参加が難しい場合はメールや問い合わせフォームから十分な情報を得ることも可能です。
ステップ3:参加する仕事や体験を決定
説明会や問い合わせを通じて得た情報をもとに、具体的に希望する仕事内容や交流イベントを選びます。
そして、自治体や受け入れ先と調整を行い、労働時間や報酬、住居の提供や補助範囲などの詳細を十分に確認します。
契約内容を把握した上で納得できる条件が整って初めて、参加の意思を固めるのが大切です。
ステップ4:活動開始
参加が正式に決まったら、いよいよ出発に向けた準備に取り掛かります。
滞在先やスケジュールの最終確認、必要な持ち物の準備などを進め、現地に向かいましょう。
現地では、用意された住居での日常生活が始まり、働くだけでなく地域の人々との交流を通じて「暮らしとしての地域」を体感していくことが重要です。
実際に地域で暮らし、働くことで得られる学びや発見が、移住や二拠点生活を考える上で大きなヒントになるでしょう。
費用と補助について

ここではふるさとワーホリにかかる費用や補助について、ご紹介します。
参加者が負担する費用
参加する案件によって違いはありますが、主に書きの費用を負担する必要があります。
- 居住地から滞在地までの交通費
- イベント参加費(無料のイベントもあり)
- 滞在中の食費や日用品などの日常生活費
自治体・受け入れ側が補助するもの
自治体や受け入れ側によって違いはありますが、主に以下の費用が補助されます。
- 滞在先の宿泊費(無料または一部補助あり)
- 地域内の移動(レンタカー補助や公共交通の割引)
- 就業に必要な研修等
報酬について
活動は労働にあたるため、働いた分は給与や日当として支払われます。
金額は業種や地域によって異なりますので、募集内容を確認しましょう。
まとめ
今回は、ふるさとワーホリ制度の仕組みをご紹介しました。
- ふるさとワーホリは、短期で「仕事・暮らし・交流」を体験できる制度
- 地域おこし協力隊とは目的や期間が異なり、段階的に関わり方を選べる
- 実際に参加する前に、時間の確保・生活準備・心構えを整えることが大切