公開日:2025年10月8日
更新日:2026年6月17日
「地方に拠点を持ってみたい」
「いつか移住も考えているが、いきなり生活を変えるのは不安」
そんな方に注目されているのが二拠点ワークです。
移住ほどハードルが高くなく、仕事と理想の暮らしを両立しやすい働き方として関心が高まっています。
また、AIやクラウドサービスの普及によって、以前よりも場所に左右されずに仕事ができる環境が整いました。
都市部の仕事を続けながら、自然豊かな地域で暮らしや趣味を楽しむことも難しくありません。
今回は、2026年の働き方の変化を踏まえながら、二拠点ワークが注目される理由やコワーキングスペース活用術について解説します。
テレワークは定着した?働き方の現状

コロナ禍をきっかけに急速に広がったテレワークですが、2026年現在では「テレワークか出社か」という単純な話ではなくなっています。
企業によって働き方は大きく異なり、フルリモートを継続する企業もあれば、出社日を増やす企業もあります。
そのため、現在はさまざまな働き方が共存する時代と言えるでしょう。
テレワークの現状
コロナ禍を契機に急速に普及したテレワークは、現在も一定の定着を見せています。
総務省「通信利用動向調査(2025年)」によると、過去1年間の個人のテレワークの実施経験は、前年(27.3%)より微増となり、28.2%となっています。
そのため、テレワークという働き方は定着していることが伺えます。
地域別に見ると首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)では36.8%と高く、企業の制度整備や通信インフラの充実が背景にあります。
一方、地方都市圏では17.4%にとどまり、都市主導型のテレワーク構造が続いています。
テレワークは定着したが働き方は二極化している
近年、多くの企業で出社回帰の動きが見られるようになりました。
対面でのコミュニケーションや人材育成を重視する企業では、週に数日の出社を求めるケースも増えています。一方で、優秀な人材の確保や柔軟な働き方を重視する企業では、引き続きリモートワークを積極的に導入しています。
その結果、
- フル出社型
- ハイブリッド勤務型
- フルリモート型
という複数の働き方が併存する状況になっています。
働く場所を会社が一方的に決めるのではなく、自分自身のライフスタイルに合った働き方を選ぶ時代へと変化しているのです。
AI時代は「どこで働くか」がより自由になった
2026年の働き方を語る上で欠かせないのがAIの存在です。
生成AIの普及によって、文章作成や資料作成、情報収集などの業務効率は大きく向上しました。
クラウドサービスやオンライン会議ツールもさらに進化し、離れた場所にいるメンバー同士でも円滑に仕事を進められるようになっています。
例えば、Web制作、プログラミングだけでなく、コンサルティングの職種では、働く場所の制約が以前よりも小さくなっています。
そのため、都市部の仕事を続けながら地方で過ごすという働き方も現実的な選択肢となりました。
「どこで働くか」よりも、「どのような暮らしを実現したいか」が重要な時代になりつつあります。
二拠点ワークという選択肢が注目される理由

働き方が多様化する中で、近年注目を集めているのが二拠点ワークです。
二拠点ワークとは、自宅のある都市部と地方の拠点を行き来しながら仕事をする働き方を指します。
移住のように生活基盤をすべて移す必要がなく、現在の仕事や人間関係を維持しながら地方との関わりを持てる点が特徴です。
移住ではなく「地域と関わる」という考え方
地方との関わり方は、移住だけではありません。
近年では「関係人口」という新しい考え方が広がっています。
関係人口とは、その地域に住んでいなくても、継続的に地域と関わりを持つ人々のことです。
例えば、
- 地域のイベントへ参加する
- 地元のお店を利用する
- 地域活動に関わる
- 定期的に滞在する
といった関わり方も含まれます。
二拠点ワークは、この関係人口になるための入り口としても注目されています。
いきなり移住するのは不安でも、まずは月に1回訪れるところから始めれば、その地域との相性や暮らしやすさを知ることができます。
将来的な移住を検討している人にとっても、二拠点ワークは失敗を減らすための有効な方法と言えるでしょう。
仕事も暮らしも諦めない働き方
地方移住に興味はあっても、
- 希望する仕事が見つからない
- 給与水準が変わることが不安
- 子どもの教育環境が気になる
といった理由で踏み出せない人も少なくありません。
二拠点ワークであれば、都市部の仕事を続けながら地方で過ごす時間を増やすことができます。
平日は都内の会社で働き、週末は自然豊かな地域で過ごす。あるいは月に数日だけ地方の拠点へ滞在しながら仕事をする。
その時々のライフスタイルに合わせて柔軟に調整できることが、二拠点ワークの大きな魅力です。
仕事か暮らしかを選ぶのではなく、両方をバランスよく取り入れる。そんな新しい働き方として、多くの人から関心を集めています。
二拠点ワーク3つのスタイル

都市部に居住しつつ、週末や短期間で地方を活用する「二拠点ワーク」は、大きく分けて3つのスタイルに整理できます。
①週末・短期型
最も手軽なのが、週末や連休を活用した短期滞在型です。
仕事は変えずそのままに、金曜夕方に地方の拠点へ移動し、土日や月曜午前を地方で過ごします。
- 地域例:千葉県大多喜町、養老渓谷や養老の滝で有名な自然豊かな里山。東京から特急・高速道路で約1時間半。
- 施設例:大多喜町「MUJI BASE OIKAWA」のコワーキングスペース。同施設内に宿泊施設や無印良品の売店もあり、短期滞在におすすめ。
- メリット:週末リフレッシュと仕事の両立が可能
②中期滞在型(1週間〜1か月)
1週間〜1か月単位で地方拠点に滞在しながら働くスタイルです。
- 地域例:山梨県北杜市。自然環境や別荘文化が成熟
- 施設例:駅前にある図書館併設の「長坂コミュニティ・ステーションコワーキングスペース」+北杜市のお試し住宅や貸別荘を利用
- メリット:「仕事+休日」といったワーケーションとの組み合わせで、リフレッシュしながら仕事も可能
③長期滞在・セカンドハウス型
長期滞在を前提に、都市部勤務を維持しながら地方拠点をメインに生活するケースです。
- 地域例:長野県安曇野市。自然環境に恵まれつつ、コワーキング施設が充実。
- 施設例:「龍門渕てらす」、「安曇野コワーキングスペース」、「ライフホップ」コワーキングスペース+空家バンクでセカンドハウスを購入(リフォーム補助金あり)
- メリット:都市部オフィスと連携しつつ、地方生活と地域コミュニティ体験が可能
二拠点ワークを支えるコワーキングスペース活用術

地方で仕事をする際に心強い存在となるのがコワーキングスペースです。
近年は自治体が企画や運営するコワーキングスペースも増えており、全国各地に整備が進んでいます。
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースは、個人や企業のオフィス機能を兼ね備えた共有型の作業環境です。
高速インターネット、デスク・椅子、会議室、プリンターなどの設備が整っており、都市部オフィスと同等の業務環境で仕事を進めることができます。
地方では、観光施設や民間宿泊施設と連携しているケースもあり、短期滞在型から中期滞在型まで幅広く対応可能です。
仕事環境を確保する
地方で仕事をする際に気になるのが作業環境です。
オンライン会議や資料作成などを行う場合、自宅以外でも快適に仕事ができる場所が必要になります。
コワーキングスペースであれば、
- 高速インターネット環境
- 電源設備
- 会議スペース
- 集中しやすい作業環境
が整っているため、都市部と変わらない環境で仕事を進めることができます。
地域とのつながりをつくる
2026年現在、コワーキングスペースは単なる仕事場ではありません。
地域事業者や移住希望者、フリーランスなど、さまざまな人が集まる交流拠点としての役割も担っています。
地域イベントや交流会が開催されている施設も多く、思わぬ出会いや情報交換につながることもあります。
地方との関わりを深めたい人にとって、コワーキングスペースは地域との接点をつくる入口と言えるでしょう。
お試し移住の拠点として活用する
将来的に移住を検討している場合にも、コワーキングスペースは役立ちます。
実際にその地域で仕事をしながら、
- 通信環境は問題ないか
- 日常生活は快適か
- 地域との相性は良いか
などを確認できます。
移住後の生活を具体的にイメージしやすくなるため、お試し移住の第一歩として活用する人も増えています。
二拠点ワークのモデルケース

事例① 週末型:東京都在住・40代会社員、千葉県富津市
- スタイル:週末・短期ワーケーション
- 拠点:富津市「marumo」+宿泊施設
- 滞在期間:金曜〜日曜夕方
- 活動内容:コワーキングスペースで集中して業務を行い、合間に海沿いの散策やサーフィンを楽しむ
実践者の声
「普段は出社スタイルの会社ですが、テレワークもOKなので、たまに金曜からテレワークにしてプチワーケーションしています。海を眺めながら仕事をしていると、心が癒されて月曜の仕事へのモチベーションも高まります。」
事例② 中期滞在型:東京都在住・50代会社員、長野県安曇野市
- スタイル:中期滞在
- 拠点:安曇野コワーキングスペース+ゲストハウス
- 滞在期間:1週間
- 活動内容:リモート会議や資料作成を行いながら、空き時間に登山や地元の農産物市場を訪問
実践者の声
「都会の喧騒を離れ、自然に囲まれた環境で集中して業務ができました。地元のカフェで打ち合わせをするなど、通常では得られない体験も。地方での生活リズムや地域文化に触れることができ、帰京後も仕事の効率が上がったと感じます。」
実践者事例から見える共通ポイント
- 仕事の効率・集中力が向上
自然環境や静かな環境で作業することで、都市部では得にくい集中時間を確保できる。 - リフレッシュ効果による生産性向上
週末や中期滞在でも、仕事と休暇の切り替えによって心身のリセットが可能。 - 地方との接点・体験が可能
地元コミュニティとの交流や文化体験が、移住や長期滞在への興味につながる。
まとめ
今回は、二拠点ワークが注目される理由やコワーキングスペース活用術について解説しました。
- 現在の仕事を維持したままでも、テレワークを活用すれば地方滞在が可能
- 通信環境や宿泊、交通アクセスを事前に確認して、地域や施設を選ぶことが重要
- コワーキングスペースを活用して、地域のつながりをつくる

