「自然の近くで暮らしたい」「地方でゆったりとした生活を送りたい」など、地方移住に興味を持つ人は少なくありません。
一方で、実際に地方移住を考えてみると、仕事や子どもの学校、現在の住まいなど、変えなければならないことも多くあります。
「地方移住には興味があるけれど、今の仕事や生活をすべて変えるのは難しい」
と感じる場合は、都市部と地方の2つを生活拠点とする二拠点生活も選択肢の一つです。
今回は、地方移住と二拠点生活の違いを整理しながら、地方移住を考える人が知っておきたい二拠点生活という暮らし方について紹介します。
地方移住を考える人が増えている

地方移住を考えるきっかけは人によってさまざまです。
自然の近くで暮らしたい
都市部でずっと生活していると、自然に囲まれた環境で暮らすことに憧れることがあります。
山や海、田畑などが身近にある地方では、都市部とは異なる環境で日々を過ごせるという違いがあります。
休日にアウトドアを楽しんだり、子どもと自然の中で遊んだり、家庭菜園を始めたりするなど、地方ならではの暮らしを楽しめることも魅力です。
「休日に地方へ遊びに行く」だけではなく、実際にその地域で暮らしてみたいと考えるようになり、地方移住を検討する人もいるでしょう。
地方ならではの暮らしを楽しみたい
地方での暮らしには、自然環境以外にもさまざまな魅力があります。
地域で採れた野菜や魚などの食材を楽しんだり、地元の人との交流を持ったり、都市部より広い住環境を選んだりすることもできます。
また、都市部では時間や場所に追われがちな生活から少し離れて、自分の趣味や家族との時間を大切にしたいと考える人もいるでしょう。
こうした「暮らし方そのもの」への関心から、地方へ移住を考えるケースもあります。
一方で「すぐに移住する」ことには不安もある
地方暮らしに魅力を感じても、実際に移住するとなると考えておきたいことがあります。
たとえば、現在の仕事をどうするのか、子どもの学校をどうするのか、今住んでいる家をどうするのかといった問題です。
家族で移住する場合は、家族全員が地方移住を希望しているとは限りません。
また、旅行で訪れたときには魅力的に感じた地域でも、実際に生活してみると「思っていた暮らしと違った」と感じる可能性もあります。
このように考えると、地方で暮らしたいからといって、必ずしも最初から生活の拠点を地方へ移す必要はありません。
そこで知っておきたいのが、都市部での生活を維持しながら地方でも暮らす「二拠点生活」という選択肢です。
地方移住の前に知っておきたい「二拠点生活」とは?

二拠点生活とは、その名前の通り、都市部と地方など2つの地域を生活拠点として行き来する暮らし方です。
都市と地方の2つを生活拠点にする暮らし
二拠点生活のスタイルは一つではありません。
たとえば、平日は都市部の自宅で仕事をして、週末は地方の家で過ごす方法があります。
一方で、テレワークを活用して週の半分を地方で仕事をしたり、月に数回地方へ通ったりする人もいるでしょう。
大切なのは「どのくらい地方に滞在するか」ではなく、都市部と地方の両方を生活の場として活用することです。
そのため、仕事や家族構成、移動距離などに合わせて、自分たちに合ったスタイルをつくることができます。
月に数回、地方で過ごすスタイルも二拠点生活
「二拠点生活」というと、毎週のように都市と地方を行き来するイメージがあるかもしれません。
しかし、必ずしも頻繁に移動する必要はありません。
月に数回地方で過ごしたり、長期休暇を利用してまとまった期間を地方で過ごしたりする方法もあります。
最初は月1回程度から始め、地方で過ごすことに慣れてきたら滞在日数を増やすなど、段階的に生活スタイルを変えていくこともできます。
別荘や実家を生活の拠点にする方法も
地方で過ごす場所として、別荘や地方にある実家を活用する方法もあります。
別荘というと、休日のレジャーや避暑・避寒のための場所というイメージがありますが、テレワーク環境を整えれば、仕事をしながら滞在することもできます。
また、地方の実家がある場合は、実家に住んでいる家族がいるかどうかで実現度は変わってきますが、活用するのも一つの方法です。
「地方に移住するための家」と考えるのではなく、まずは地方で過ごすためのもう一つの場所を持つと考えると、二拠点生活をより身近に感じられるでしょう。
地方移住と二拠点生活は何が違う?
地方移住と二拠点生活は、どちらも地方で暮らす方法ですが、生活の拠点をどうするかという点に大きな違いがあります。
| 地方移住 | 二拠点生活 | |
|---|---|---|
| 生活の拠点 | 地方へ移す | 都市+地方 |
| 都市部の住まい | 手放す場合もある | そのまま |
| 仕事 | 転職が必要な場合も | 現在の仕事を続けやすい |
| 子どもの学校 | 転校が必要な場合も | 現在の学校を続ける |
| 地方での生活 | 日常生活の中心 | 定期的な滞在 |
| 始め方 | 生活を大きく変えることが必要 | 段階的に始めやすい |
もちろん、移住しても現在の仕事を続けられるケースや、二拠点生活を始めるために仕事や住まいを変えるケースもあります。
ここでは、それぞれの暮らし方の一般的な違いとして考えてみましょう。
移住は生活の拠点そのものを地方へ移す
地方移住では、これまで暮らしていた都市部から地方へ生活の拠点を移します。
住まいだけでなく、仕事や子どもの学校、日常の買い物など、生活に関わるさまざまなことが地方中心になるのが特徴です。
その分、地方での暮らしを日常として深く楽しみやすい一方、移住にあたっては生活環境を大きく変える必要があります。
二拠点生活は都市部の暮らしを残しながら地方でも暮らす
二拠点生活では、都市部での生活を残しながら、地方にも定期的に滞在します。
そのため、現在の仕事や住まい、子どもの学校などを維持しながら、地方で過ごす時間をつくりやすいのが特徴です。
「地方で暮らしてみたいけれど、今の生活をすべて変えるのは難しい」という場合に、検討しやすい暮らし方といえるでしょう。
二拠点生活なら地方移住のハードルを下げられる?

地方移住を考えたときに感じるハードルの一つが、生活環境を大きく変えることです。
しかし二拠点生活なら、こうしたハードルを抑えながら地方暮らしを経験できる可能性があります。
仕事を変えずに地方で暮らせる可能性がある
地方移住を考える際、「仕事をどうするか」は大きなポイントです。
地方で転職する方法もありますが、これまで築いてきたキャリアや現在の仕事内容を考えると、仕事を変えることに抵抗がある人もいるでしょう。
二拠点生活なら、テレワークやリモートワークなどを活用して、現在の仕事を続けながら地方で働く方法を検討できます。
たとえば、平日は都市部を拠点に仕事をし、テレワークが可能な日には地方の家から仕事をする、といったスタイルです。
もちろん、勤務先の制度や仕事内容によってできることは異なります。
ただ、「地方で暮らすためには仕事も変えなければならない」と考えるのではなく、現在の働き方を維持したまま地方で過ごす方法がないかを考えることで、選択肢が広がる場合があります。
家族の生活を大きく変えずに済む
地方移住では、家族全員の生活を変えることになる場合があります。
特に子育て世帯では、子どもの学校や習い事、友人関係なども含めて考える必要があります。
その点、二拠点生活なら、現在の生活を維持しながら地方で過ごす時間をつくることができます。
たとえば、子どもは都市部の学校に通いながら、週末や長期休暇は地方で過ごすという方法です。
また、夫婦で地方移住に対する考え方が異なる場合でも、まずは二拠点生活をしながら、それぞれが地方での暮らしを体験してみることができます。
家族にとってどのような暮らし方が合っているのかを、実際の生活を通して考えられるのは二拠点生活の特徴の一つです。
まず地方移住を「試してみる」ことができる
旅行で地方を訪れるのと、実際にそこで生活するのでは、感じ方が違うことがあります。
旅行では気にならなかった移動時間や買い物のしやすさ、仕事環境、地域との距離感なども、生活してみることで見えてきます。
二拠点生活なら、いきなり移住するのではなく、まず地方で定期的に暮らしてみることができます。
たとえば、
旅行で訪れる
→ 定期的に滞在する
→ 二拠点生活を始める
→ 地方で過ごす時間を増やす
というように、少しずつ地方での暮らしを深めていくことも可能です。
「地方移住に興味はあるけれど、自分や家族に合うかわからない」という人にとって、実際の暮らしを経験する機会にもなるでしょう。
こんな人は二拠点生活を検討してみては?

二拠点生活は、地方移住を考えているものの、すぐに生活の拠点を地方へ移すことに迷いがある人にとって、一つの選択肢になります。
地方移住に興味はあるけれど、仕事を変えたくない人
「地方の自然に囲まれて暮らしたいけれど、今の仕事も続けたい」という人は、二拠点生活を検討してみてもよいでしょう。
テレワークなど、現在の働き方を活用できれば、仕事を続けながら地方で過ごす時間をつくれる可能性があります。
子どもの生活環境を変えずに地方暮らしを経験したい人
子どもの学校や生活環境を考えると、家族全員でいきなり移住することに迷いがあるケースもあります。
そのような場合も、現在の生活を維持しながら、週末や長期休暇などに地方で過ごすことで、家族で地方暮らしを経験できます。
夫婦や家族で地方移住への考え方が違う人
「自分は地方で暮らしてみたいけれど、家族は今の生活を続けたい」という場合もあるでしょう。
二拠点生活なら、都市部と地方の両方に生活の場を持つことで、それぞれの希望をすり合わせられる可能性があります。
実際に地方で過ごす中で、家族にとってどのような暮らしが合っているのかを考えていくこともできます。
将来的な地方移住を考えている人
将来的には地方へ移住したいものの、「いきなり移住するのは不安」という人にとっても、二拠点生活は選択肢になります。
まずは都市部での生活を続けながら地方へ定期的に通い、二拠点生活を始める。
そこで地方での仕事や生活環境、地域との関わり方などを経験し、暮らしを少しずつ深めていく。
その結果、地方での生活が自分たちに合っていると感じれば、将来的に生活拠点を地方へ移すことを考えてもよいでしょう。
地方移住は「都市部から地方へ一度に移る」という方法だけではありません。
都市部で暮らしながら地方に通い、二拠点生活を経て、その先の暮らし方を考えることもできます。
まとめ
今回は、地方移住と二拠点生活の違い、地方移住を考える人が知っておきたい二拠点生活という暮らし方について紹介しました。
- 仕事や家族の生活を維持しながら地方で暮らす方法として、二拠点生活という選択肢がある
- 自分や家族に合うかを確かめてから、将来的な移住を考えることもできる
- まずは二拠点生活から地方との関わりを始めてみるのも一つの方法

