公開日:2023年6月27日
更新日:2026年6月3日
二拠点生活を始める際、「住民票はどちらに置くべき?」と悩む人は少なくありません。
都市部で仕事を続けながら地方の家を利用したり、将来的な移住を見据えて地域と関わったりと、暮らし方が多様化する中で、住民票の考え方も変わり始めています。
特に2026年からは「ふるさと住民登録制度」が始まり、住民票を移さなくても地域と継続的につながる新しい仕組みがスタートしました。
一方で、移住支援金や住宅補助などは現在も住民票が条件となるケースが多くあります。
今回は、二拠点生活における住民票の基本的な考え方や、住民票を移すメリット・デメリット、2026年時点の最新制度についてわかりやすく解説します。
二拠点生活で住民票は移すべき?

住民票は「生活の本拠」が基準になる
二拠点生活を始める際、多くの人が悩むのが「住民票をどちらに置くべきか」という問題です。
住民票は、単純に長く滞在している場所だけで決まるわけではありません。
住民基本台帳法では、「生活の本拠」がある場所に住民票を置くことが原則とされています。
たとえば、
- 主に仕事をしている場所
- 家族が生活している場所
- 日常生活の拠点
- 継続的に居住している場所
などを総合的に見て判断されます。
そのため、都市と地方を行き来する二拠点生活では、どちらを生活の本拠地と考えるか迷ってしまいますよね。
二拠点生活では迷う人が多い理由
二拠点生活では、人によって生活スタイルが大きく異なります。
「平日は都市部で仕事、週末は地方の別荘」であったり、「子供は都市部の学校にいるが、将来的には地方移住予定している」など、生活の重心が分散しやすい特徴があります。
そのため、「どちらが本拠地なのか」を明確に決めにくいケースも少なくありません。
特に最近では、テレワークやワーケーションの普及により、以前よりも柔軟な暮らし方を選ぶ人が増えています。
住民票を「移す」メリット

まずは、住民票を移すメリットを見ていきましょう。
行政サービスを利用しやすい
住民票を移す最大のメリットは、「行政サービスを利用しやすい」という点です。
たとえば、
- 子育て支援
- 医療・福祉
- ごみ処理
- 学校関連
- 地域インフラ
などは、基本的に住民票がある自治体をベースに提供されています。
特に子育て世帯の場合は、保育園や学童、医療費助成、学校関連など、日常生活に関わる制度の多くが住民票ベースで運用されているため、どこに住民票を置くかが重要になるでしょう。
移住支援制度を利用できる場合がある
2026年現在でも、多くの自治体の移住支援制度は「転入」や「住民票の移動」を条件としています。
たとえば、
- 移住支援金
- 空き家購入補助
- 住宅取得補助
- リフォーム補助
- 子育て支援
などは、実際に住民票を移して定住することが前提となっているケースが一般的です。
そのため、将来的に地方移住を検討している場合は、住民票を移すことで利用できる制度が増える可能性があります。
地域住民として関わりやすくなる
住民票を移すことで、その地域の正式な住民として地域コミュニティに参加しやすくなるというメリットもあります。
自治会や地域活動、子ども会などは、住民登録を前提にしている場合も多く、地域とのつながりを深めやすくなります。
「将来的には完全移住したい」と考えている人にとっては、地域との関係づくりの第一歩にもなるでしょう。
住民票を「移さない」メリット

続いて、住民票を移さないメリットも見ていきましょう。
仕事や生活基盤を維持しやすい
都市部に仕事や生活基盤がある場合、住民票を移さないほうが都合が良いケースもあります。
特に、通勤や会社手続き、各種契約、子どもの学校など、現在の生活基盤が都市部にある場合は、無理に住民票を移さないほうがスムーズに二拠点生活を続けられるかもしれません。
「まずはお試し」がしやすい
二拠点生活を始めたばかりの段階では、いきなり住民票を移さない人も多いです。
まずは、
- 本当にその地域が合うか
- 継続できるか
- 家族との相性はどうか
などを確認しながら、段階的に判断するケースが増えています。
最近では、「いきなり移住する」のではなく、平日は都市部・週末は地方で過ごす二拠点生活や、長期滞在を繰り返しながら地域との距離を縮める半移住という方法を取る人も多くなりました。
定住はしなくても継続的に地域と関わる“関係人口”という形で、段階的に地域とつながる人も増えています。
子どもの学校や生活環境を変えずに済む
子どもがいる家庭では、転校や生活環境の変化が大きな負担になることもあります。
また、地域によっては18歳未満まで医療費助成が受けられる自治体もあり、現在利用している制度や、慣れたかかりつけ医を変えたくないと考える家庭も少なくありません。
そのため、「学校は都市部、週末や長期休暇は地方」という形で、今の生活環境を維持しながら二拠点生活を続けるといった選択もあります。
二拠点生活における住民票の考え方は変わり始めている

2026年から「ふるさと住民登録制度」がスタート
2026年からは、総務省による「ふるさと住民登録制度」が始まり、二拠点生活における地域との関わり方も変わり始めています。
この制度は、住民票を移していなくても、継続的に関わる地域に「ふるさと住民」として登録できる仕組みです。
背景には、人口減少や地域の担い手不足に加え、「関係人口」を増やしていきたいという自治体側の動きがあります。
従来は、「地域と深く関わるには移住する」という考え方が一般的でしたが、現在では二地域居住やワーケーション、多拠点生活など、地域との関わり方や暮らし方も多様化しています。
そうした流れを受けて、住民票を移さなくても地域と関われる制度として整備が進められています。
住民票を移さず地域と関わる人も増えている
最近では、
- 週末だけ地方で暮らす
- 将来的な移住準備として通う
- 地域活動へ継続参加する
といった形で、住民票を移さずに地域と関わる人も増えています。
「まずは関係人口として地域とつながる」という考え方は、今後さらに広がっていく可能性があります。
ただし行政サービスや補助制度は住民票ベースが中心
一方で、2026年現在でも、多くの行政サービスや補助制度は住民票ベースで運用されています。
そのため、「ふるさと住民登録制度が始まったから、住民票は不要」というわけではありません。
特に、
- 移住支援金
- 子育て支援
- 空き家補助
- 住宅取得補助
などは、実際に転入して住民票を移すことが条件になっているケースが多いです。
そのため、
「本格移住したいのか」
「二拠点生活を続けたいのか」
「関係人口として関わりたいのか」
によって、住民票の考え方も変わってきます。
「ふるさと住民登録制度」の仕組みやメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

住民票を決めるときに考えたいポイント

滞在日数だけで決めない
二拠点生活では、「長くいる場所=住民票」という単純な話ではありません。
- 家族構成
- 仕事
- 子どもの教育
- 将来設計
なども含めて、総合的に考えることが大切です。
補助金や支援制度を確認する
自治体によっては、独自の移住支援制度や二地域居住支援を行っているケースもあります。
たとえば、長野県では、テレワーク移住や二地域居住を支援する制度が各自治体で進められており、住宅取得や空き家改修への補助を行う地域もあります。
また、福島県川俣町では、「二地域居住」を前提とした取り組みも進められており、地域との継続的な関わりを支援しています。
さらに、2026年から始まった「ふるさと住民登録制度」のモデル事業では、北海道のニセコ町や岩手県平泉町など7道県21自治体が、関係人口づくりに力を入れ始めています。
自治体によって制度内容は大きく異なりますが、住民カードの発行、自治体情報の発信、公共施設の割引などが受けられます。
二拠点生活を検討する際は、事前に確認しておくことをおすすめします。
将来的な移住予定があるか考える
現在は二拠点生活でも、
「将来的には完全移住したい」
「老後は地方中心にしたい」
「子育てのタイミングで移住したい」
など、ライフステージによって考え方が変わることもあります。
今だけでなく、数年後の暮らし方も含めて考えることが大切です。
まとめ
今回は、二拠点生活における住民票の基本的な考え方や、住民票を移すメリット・デメリット、2026年時点の最新制度について解説しました。
- 二拠点生活の住民票は、「生活の本拠」を基準に考える
- 移住支援金や住宅補助などは住民票が条件の自治体も多く、事前確認が重要
- 2026年からは「ふるさと住民登録制度」が始まり、住民票を移さず地域と関わる選択肢も

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