「地域おこし協力隊に興味はあるけれど、実際にはどれくらいお金がもらえるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
地域おこし協力隊では、毎月の報酬だけでなく、自治体ごとにさまざまな支援制度が用意されています。
一方で、募集内容によって待遇も大きく異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
今回は、地域おこし協力隊でもらえるお金の種類や給料の目安、自治体ごとの違いなど、お金に関する疑問をわかりやすく解説します。
地域おこし協力隊でもらえるお金は給料だけではない

地域おこし協力隊というと、「地方に移住して給料をもらいながら地域で働く制度」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、実際には毎月の報酬以外にも、活動を支えるためのさまざまな支援が用意されています。
特に自治体によって違いが大きいのが、住宅支援や活動経費です。
家賃の全額または一部を補助してくれる自治体もあれば、活動用の車両やパソコンを貸与してくれる自治体もあります。
まずは、地域おこし協力隊でもらえる主なお金を一覧で見てみましょう。
| 報酬(給料) | 毎月支給される生活費・給与にあたるお金 |
|---|---|
| 活動費 | 活動に必要な備品の購入や交通費、イベント運営費など |
| 住宅補助 | 家賃補助や自治体所有住宅の提供など |
| 車両・燃料費 | 公用車貸与、ガソリン代補助など |
| 研修費 | 活動するために必要な資格取得や研修会参加費など |
報酬と活動費は別のお金
地域おこし協力隊について調べていると、「年間○○万円支給」という表現を見かけることがあります。
しかし、この金額には生活費として受け取る報酬と、地域活動に必要な経費として使う活動費が含まれている場合があります。
活動費は、イベント開催費や消耗品、出張費、車両維持費などに充てられるもので、自由に生活費として使えるお金ではありません。
募集要項を見る際は、「報酬(月額)」と「活動費(経費)」が分けて記載されているかを確認することが重要です。
支援内容は自治体によって大きく異なる
地域おこし協力隊は総務省の制度ですが、実際に募集や雇用を行うのは各自治体です。
そのため、報酬額や住宅補助、福利厚生、副業の可否などは自治体ごとに異なります。
例えば、同じ「月額20万円前後」の報酬でも、
- 家賃が無料で生活費を抑えられる自治体
- 家賃補助はないものの報酬が高めの自治体
- 業務委託契約で副業しやすい自治体
など、実際の暮らしやすさには大きな違いがあります。
そのため、「給料が高いかどうか」だけではなく、住宅支援や活動内容も含めて総合的に比較することが、地域おこし協力隊選びで後悔しないポイントです。
地域おこし協力隊の給料はいくら?

地域おこし協力隊の給料は、全国一律ではありません。
ここでは、実際の募集要項をもとに、給料の目安を見ていきましょう。
月収・年収の目安
2026年に募集されている地域おこし協力隊の例をまとめると、以下のようになります。
(例)
| 自治体 | 月額報酬 | 待遇 | 雇用 |
|---|---|---|---|
| 埼玉県児玉郡神川町 | 205,200円~ | 住宅・燃料費等補助あり、期末・勤勉手当あり | 会計年度任用職員 |
| 静岡県駿東郡小山町 | 240,000円 | 住居等の報償費(月121,000円まで) | 業務委託(委嘱) |
| 長野県松本市 | 291,600円 | 活動費支給(年間最大200万円) | 業務委託(委嘱) |
※募集内容は2026年時点の一例です。募集年度や職種によって条件は変更される場合があります。
このように、月額20〜29万円程度と大きく幅がありますが、住宅補助や活動経費まで含めて考えると、実際の生活負担は自治体によって大きく異なります。
例えば、神川町は報酬額こそ20万円程度ですが、活動期間中の家賃を市が負担し、勤勉手当(ボーナス)が支給されます。
一方、小山町や松本市は月額報酬が高めですが、業務委託契約のため、期末・勤勉手当はなく、社会保険への加入も自分で行う必要があります。
参照サイト
神川町:【埼玉県神川町】神川町の魅力発信!地域おこし協力隊募集します!
松本市:令和8年度松本市アルプスエリア 地域おこし協力隊 募集要項
年収だけで比較しないことが大切
地域おこし協力隊に応募するにあたって収入は一番気になるところですが、月額報酬だけで比較するのはおすすめできません。
例えば、
- 月額20万円でも家賃が無料の自治体
- 月額29万円でも住宅費を自己負担する自治体
- ボーナスが支給される自治体
- ボーナスはないが副業が認められている自治体
では、実際に自由に使えるお金や生活のしやすさが変わってきます。
また、地域おこし協力隊は都市部より家賃や物価が低い地域で活動することも多く、都市部と同じ報酬額でも生活費を抑えられるケースがあります。
そのため、報酬額だけではなく、「家賃補助」「活動費」「福利厚生」「副業の可否」まで含めて比較することが重要です。
ボーナスや社会保険はある?
ボーナスや社会保険の有無は、雇用形態によって異なります。
会計年度任用職員
自治体に雇用される「会計年度任用職員」の場合は、一般的な自治体職員に近い待遇となります
主な特徴は次のとおりです。
- 社会保険・厚生年金に加入
- 雇用保険の対象になることが多い
- 期末・勤勉手当(ボーナス)が支給される場合がある
- 勤務時間や休日が明確
例えば、神川町では月額約20万円に加え、期末・勤勉手当が支給され、社会保険も市で加入します。
業務委託(委嘱)
業務委託型の地域おこし協力隊は、自治体との雇用関係がありません。
主な特徴は次のとおりです。
- 社会保険や国民年金は自分で加入
- 確定申告が必要になる場合がある
- 副業しやすい
- 働き方の自由度が高い
松本市や小山町の募集では、業務に支障がない範囲で副業が可能とされており、将来的な起業やフリーランスとしての独立を見据えて活動する人にも選ばれています。
自分に合った待遇を選ぶことが重要
地域おこし協力隊は、「給料が高い自治体」が必ずしも自分に合っているとは限りません。
例えば、
- 安定した収入や福利厚生を重視するなら、会計年度任用職員として募集している自治体
- 副業や起業を視野に入れて自由度を重視するなら、業務委託型の自治体
というように、自分がどのような働き方をしたいかによって選ぶべき自治体は変わります。
募集要項を見る際は、月額報酬だけでなく、住宅補助や福利厚生、任期終了後の支援制度まで確認することで、より自分に合った地域おこし協力隊を選びやすくなるでしょう。

給料以外にもらえる支援

地域おこし協力隊の魅力は、毎月の報酬だけではありません。
自治体によっては、活動のためのさまざま支援があります。
ただし、支援内容は自治体によって大きく異なるため、募集要項をよく確認することが大切です。
家賃・住居補助
地方へ移住する際、多くの人が気になるのが住まいです。
地域おこし協力隊では、住宅に関する支援が充実している自治体が多く、例えば次のような制度があります。
- 自治体が借り上げた住宅を無償で貸与
- 家賃の全額または一部を補助
- 空き家を活動拠点兼住居として提供
都市部から地方へ移住する場合、住居費は生活費の中でも大きな割合を占めます。
家賃補助の有無によって、実際に手元に残るお金は大きく変わるため、報酬額だけで比較しないことが重要です。
活動費
地域おこし協力隊には、「活動費」が用意されている自治体も多くあります。
活動費とは、地域で活動するために必要な経費のことで、生活費とは別に管理されます。
- パソコンやプリンターなどの備品、消耗品
- ガソリン代
- 活動用車両の維持費
- イベント開催費
- 広告・チラシ制作費
これらは自治体のルールに沿って使用する必要があり、自由に使えるお金ではありません。
「年間400万円支給」といった情報だけを見ると、高収入のように感じるかもしれませんが、この金額には報酬だけでなく活動経費も含まれている場合があります。
そのため、募集要項では報酬額と活動費を分けて確認することが大切です。
車・通信費などの支援
地域によっては、日々の活動に必要な設備や経費を自治体が負担してくれることもあります。
主に以下のような経費が対象となります。
- 公用車の貸与
- ガソリン代の補助
- 携帯電話・通信費の補助
- パソコンの貸与
- 作業服や工具の支給
山間部や公共交通機関が少ない地域では、自動車が欠かせません。
車両を貸与してもらえる自治体であれば、自分で車を購入・維持する負担を減らせます。
一方で、自家用車の持ち込みが必要な自治体もあるため、募集要項で確認しておくと安心です。
地域おこし協力隊でお金について注意したいポイント

地域おこし協力隊は、報酬を受け取りながら地方で活動できる魅力的な制度です。
一方で、「移住しながら収入を得られる」という部分だけに注目すると、実際に暮らし始めてから「想像していた生活と違った」と感じる可能性もあります。
ここでは、地域おこし協力隊のお金について、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
活動費は自由に使えるお金ではない
地域おこし協力隊について調べていると、「年間数百万円の支援が受けられる」という情報を目にすることがあります。
しかし、その中には報酬だけでなく、地域活動に必要な経費である「活動費」が含まれている場合があります。
活動費は、
- 地域イベントの開催費
- 備品購入費
- 広報活動費
- 交通費
- 研修費
など、地域おこし活動のために使われるお金です。
そのため、活動費を生活費や趣味の費用として自由に使えるわけではありません。
応募する際は、募集要項に記載されている「報酬額」と「活動経費」を分けて確認し、実際の生活費として使える金額を把握しておくことが大切です。
自治体によって待遇の差が大きい
地域おこし協力隊は、国の制度を活用した取り組みですが、実際の募集条件や待遇を決めるのは各自治体です。
そのため、同じ地域おこし協力隊でも、
- 月額報酬
- 住宅補助
- 車両貸与の有無
- 活動費の範囲
- 副業の可否
- 任期終了後の支援
などには大きな違いがあります。
例えば、月額報酬が高い自治体でも住宅補助がなければ生活費の負担が増える可能性があります。
一方で、報酬額は少し低くても、家賃補助や車両貸与がある自治体であれば、結果的に余裕を持って暮らせるケースもあります。
給与額だけで判断せず、「地方で暮らした場合に毎月いくら残るのか」まで考えることが重要です。
副業できるか確認する
総務省の令和7年度調査によると、地域おこし協力隊の任期後の定住率は全国平均70%とされています。
そのため、任期終了後の起業や独立を見据えて活動する人も少なくありません。
参照:令和7年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果-総務省
そういったことから、活動中の副業の可否は自治体選びの重要なポイントになります。
例えば、
- 地域の特産品を使った商品開発
- 写真や動画制作
- ECサイトの運営
- Web制作
- 農業や観光関連の仕事
など、地域活動と並行して自身の仕事を育てていく人もいます。
ただし、副業の扱いは雇用形態によって異なります。
会計年度任用職員の場合は地方公務員としてのルールが適用される場合があり、業務委託型の場合は比較的自由度が高いケースがあります。
「任期終了後も地域に関わり続けたい」「地方で仕事を作りたい」と考えている場合は、応募前に副業や起業支援について確認しておくとよいでしょう。

お金だけで選ぶと後悔することもある

地域おこし協力隊を検討する際、報酬や補助制度はもちろん重要な判断材料です。
しかし、お金だけを基準に自治体を選ぶと、活動開始後にギャップを感じる可能性があります。
地域おこし協力隊の活動は、一般的な会社員の仕事とは異なり、地域の人との関係づくりや、自分自身で仕事を作っていく場面も多くあります。
そのため、応募前には以下のような点も確認しておきましょう。
- 自分が興味を持てる活動内容か
- 地域の雰囲気が自分に合っているか
- 任期終了後の暮らしをイメージできるか
- 地域側が隊員に何を期待しているか
例えば、「地方で農業に挑戦したい」という目的がある場合、報酬額よりも募集案件や地域との相性が重要になることがあります。
地域おこし協力隊は、単に給与をもらう制度ではなく、地方で新しい暮らしや働き方を作るための制度です。
お金の条件だけでなく、3年後、5年後の生活まで考えて選ぶことが大切です。
まとめ
今回は、地域おこし協力隊でもらえるお金の種類や給料の目安、自治体ごとの違いなど、お金に関する疑問を解説しました。
- 地域おこし協力隊の報酬は、自治体によって大きく異なる
- 住宅補助や活動費など、給料以外の支援内容も含めて比較することが大切
- 任期終了後の起業支援や定住支援まで確認し、任期後の暮らしも考えて検討

