秋が深まると、街路樹だけでなく山や渓谷でも木々が赤や黄色に染まり始めます。
そんな季節にぜひ家族で出かけたいのが「紅葉狩り」。
忙しい平日を抜け出して、都心から少し車や電車で移動すれば、自然の中で心も体もリフレッシュできます。
今回は、東京都内からアクセスしやすい関東・甲信エリアのおすすめ紅葉スポット8選をご紹介します。
紅葉の見頃時期やアクセス情報も併せてご覧ください。
紅葉狩りを家族で楽しむポイント

子ども連れでも安心の選び方
小さなお子さんや小学生のお子さんと一緒に紅葉狩りを楽しむ場合、「歩きやすい道」「休憩場所がある」「トイレが近い」などがポイントとなります。
舗装された散策路や、ベビーカーでも無理なく通れる遊歩道があると、安全にゆったり楽しめます。
また、「ちょっと疲れた」というときにベンチや東屋があると助かります。
この時期は、季節柄気温が下がりやすいので、重ね着・防寒対策もきちんとしておくと良いでしょう。
混雑を避けてゆったり楽しむコツ
人気スポットでは、紅葉のピーク時期になると駐車場が満車、交通渋滞、遊歩道が混む…といったことも。
特に家族連れでは「ココで疲れた」「渋滞で子どもぐずった」という声も聞きます。
そこでおすすめなのが、早めの到着(午前中)や平日訪問、また公共交通の利用を検討すると良いでしょう。
さらに、駐車場の台数・料金・シャトルバスの有無などを事前にチェックしておくと「車停められない!」というハラハラを避けられます。
紅葉+αを楽しもう
ただ「紅葉を見る」だけではなく、家族で何か体験を組み合わせると旅の満足度がぐっと上がります。
たとえば、紅葉散策の後に「温泉」、「遊覧船」、「ロープウェイ」、「渓流散歩」など。
紅葉以外の体験を用意しておくことで、紅葉そのものだけでなく旅そのものが記憶に残ります。
また、写真を撮る時には「落ち葉を拾ってみる」「葉っぱアートをする」など、子どもと一緒に遊びながら楽しむ方法もおすすめです。
都心から行ける紅葉スポット8選(時期順)

長野県:上高地(松本市)【見頃:10月中旬~10月下旬】
北アルプスの穂高連峰を背景に、清流・梓川沿いを歩くだけで紅葉のパノラマが広がる上高地。
標高約1,500 mという高地のため、紅葉シーズンは比較的早めです。
お馴染みのカエデの紅葉の他、終盤には黄金色のカラマツも楽しめます。
公共交通機関 | (大正池)松本電鉄新島々駅からバスで約60分、大正池下車徒歩すぐ (河童橋)松本電鉄新島々駅からバスで約65分、上高地バスターミナル下車徒歩5分 |
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車(所要目安) | 長野自動車道松本ICから国道158号経由沢渡まで約60分 |
駐車場 | あり 1980台(有料) |
ライトアップ | なし |
公式サイトなど | 上高地公式ウェブサイト |
栃木県:いろは坂(日光市)【見頃:10月中旬~11月上旬】
いろは坂は日光を代表する紅葉の名所として知られています。
下りの第1いろは坂、上りの第2いろは坂あわせて48ヵ所のカーブが続き、美しい紅葉の風景を眺めることができます。
いろは坂を上る途中の展望スポットから見下ろす景色は圧巻です。
公共交通機関 | JR日光駅から東武バスに乗り約45分、明智平下車 東武電鉄東武日光駅から東武バスに乗り約40分、明智平下車 |
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車(所要目安) | 日光宇都宮道路清滝ICから奥日光方面へ約20分 |
駐車場 | あり(一部有料) |
ライトアップ | なし |
公式サイトなど | 日光市公式観光WEB |
群馬県:吹割の滝(沼田市)【見頃:10月下旬~11月上旬】
高さ7メートル、幅30メートルのスケールで、「東洋のナイアガラ」と称される吹割の滝。
滝の水音と紅葉が一体となる迫力の景観と、渓谷美は圧巻です。
観瀑台や遊歩道が整っており、子ども連れでも比較的安心して散策できます。
公共交通機関 | JR上毛高原駅からバスで約70分、吹割の滝停留所下車徒歩10分JR沼田駅からバスで約45分、吹割の滝停留所下車徒歩10分 |
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車(所要目安) | 関越自動車道沼田ICから約25分 |
駐車場 | あり 10台 民間駐車場は滝遊歩道付近(有料) |
ライトアップ | なし |
公式サイトなど | 沼田市観光公式サイト |
茨城県:袋田の滝(大子町)【見頃:11月上旬~11月中旬】
高さ120m、幅73mを誇る、日本三名瀑の1つに数えられる袋田の滝。
周囲の紅葉のコントラストと滝の絶景を楽しめます。
観瀑トンネルや展望デッキが整備され、夜はライトアップも実施され幻想的な風景に。
子ども連れでも観覧道が整っていて安心です。
公共交通機関 | JR水郡線袋田駅からバスで約10分滝本停留所下車、徒歩10分 |
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車(所要目安) | 常磐自動車道那珂ICから約50分 |
駐車場 | あり 無料/有料どちらもあり |
ライトアップ | 2025年11月1日(土)~2026年1月12日(月)日没~20:00(12月・1月は~19:00) |
公式サイトなど | 大子町観光協会 |
埼玉県:長瀞(長瀞町)【見頃:11月上旬~11月下旬】
荒川沿いに広がる長瀞渓谷は、紅葉と500メートルにわたって続く岩畳、川下りの組み合わせが魅力です。
他にもSL列車やロープウェイなど、子どもも楽しめるアクティビティが豊富です。
電車でのアクセスも良いため、混雑するこの時期は電車での移動がおすすめです。
公共交通機関 | 秩父鉄道長瀞駅から徒歩5分 |
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車(所要目安) | 関越自動車道花園ICから国道140号経由約30分 |
駐車場 | あり 無料/有料どちらもあり |
ライトアップ | 11月14日(金)~11月24日(振休)16:00~21:00 |
公式サイトなど | 長瀞町観光協会 |
山梨県:河口湖(富士河口湖町)【見頃:11月上旬~11月下旬】
湖畔に連なる約100本の巨木もみじが続く「もみじ回廊」や、約1.5キロメートルのもみじ並木「もみじ街道」が楽しめる絶景スポットです。
見どころは湖面に映る紅葉と景色。
11月中は紅葉祭りを開催。昼は出店で賑わうため、子ども連れでの紅葉狩りにぴったりなスポットです。
公共交通機関 | 富士急行河口湖駅からタクシーで約20分 富士急行河口湖駅から河口湖周遊バスで久保田一竹美術館下車徒歩すぐ |
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車(所要目安) | 中央自動車道河口湖ICから約20分 東名高速道路富士IC・御殿場ICから約60分 |
駐車場 | あり 200台(無料/一部有料駐車場あり) |
ライトアップ | あり(紅葉まつり期間中) |
公式サイトなど | 富士河口湖町観光サイト |
神奈川県:芦ノ湖(箱根町)【見頃:11月上旬〜11月下旬】
湖面に映る紅葉を遊覧船や貸し出しボートで間近に見ることができます。また、湖ほとりの恩賜箱根公園からは、外輪山の紅葉と芦ノ湖、天気がよければ富士山までも見渡せます。紅葉狩り+温泉旅の組み合わせもおすすめです。
公共交通機関 | JR・小田急小田原線小田原駅からバスで約60分 |
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車(所要目安) | 東名高速道路厚木ICから約70分 |
駐車場 | 観光地周辺に有料・無料駐車場あり |
ライトアップ | なし |
公式サイトなど | 箱根観光公式 |
千葉県:養老渓谷(大多喜町)【見頃:11月中旬〜12月上旬】
房総半島の奥深く、養老渓谷は渓流沿いの遊歩道に紅葉が広がる隠れた名所です。
山々を眺望できる大福山展望台や中瀬遊歩道、滝めぐり遊歩道といった川沿いの散策コースのほか、懸崖境・筒森もみじ谷などがあり、楽しみ方が色々あります。
公共交通機関 | (中瀬遊歩道)小湊鉄道養老渓谷駅から徒歩30分 (粟又の滝)小湊鉄道養老渓谷駅からバスで約20分 小湊鉄道・いすみ鉄道上総中野駅からバスで約20分 |
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車(所要目安) | 圏央道市原鶴舞ICから約40分 |
駐車場 | あり 700台(有料) |
ライトアップ | あり |
公式サイトなど | 大多喜町観光協会 |
紅葉狩りを安全に楽しむための注意点

足元の安全対策
紅葉スポットとなっている、渓流沿いや滝の近く、石畳は落ち葉が濡れて滑る場所が多いので、滑りにくい靴(ソールがしっかりしたもの)を履いて、転倒防止に注意してください。
防寒・雨具の備え
この時期は寒暖差が激しく朝夕の冷え込み、山の風、突然の雨があります。
日中は過ごしやすくても、軽いダウンジャケット、ウィンドブレーカー、レインポンチョなどを持参すると安心です。
休憩・トイレの場所を確認
散策前に地図を確認し、遊歩道の途中にベンチ・あずまや・トイレの有無をチェックしておくと、子どもが「疲れた」「お手洗い!」と言い出した時に慌てません。
混雑・交通状況の見込み
紅葉ピーク時は駐車場満車、バス待ち行列、渋滞が発生しやすいため、交通状況を確認して、時間に余裕をもって行動すると良いでしょう。
特に人気スポットは渋滞が数時間となるケースも多いため、事前の確認が重要です。
紅葉旅で「家族のベストショット」を撮るには

紅葉スポットへ出かける時、ただ「紅葉がキレイだね」で終わるのではなく、「家族で笑顔になれる/写真に残したくなる一枚」を狙いたいものです。
ここでは、子ども連れファミリーだからこそ意識したい撮影のコツをまとめます。
①光と時間帯を意識しよう
紅葉の美しさは色だけでなく「光」によっても変わります。
例えば、朝や夕方の光(いわゆる「ゴールデンアワー」)は、木々を柔らかく染めて、家族写真も優しい雰囲気に仕上がります。
また、少し曇っている日の方が影が少なく、子どもの顔がくっきり撮れるという指摘もあります。
そのため、「朝早めに現地に着く」「夕方もうひと歩きして撮る」というプランを入れておくと、いい写真が残りやすいでしょう。
②構図・視点を工夫しよう
構図や視点を意識することで、いつもと違った写真を撮ることができます。
例えば、
- 子どもの目線に合わせて撮る
しゃがんだり、子どもと同じ高さにカメラを持つことで、自然な表情が撮れます。 - 前景や背景に紅葉を入れる
例えば、落ち葉を抱きしめる子どもを前にして、その背後に赤や黄の木々を入れることで「季節感」が強くなります。 - 反射を狙う
湖、川、滝など水辺のあるスポットでは、木々の色が水面に映る瞬間が絶好のシャッターチャンスです。 - 動きを入れる
子どもが葉を投げる・走る・ジャンプするなど「動き」のある瞬間を捉えると、写真が生き生きとします。ゲーム感覚で「3・2・1で葉っぱ投げて!」と楽しみながら撮るのもおすすめ。
③色・コントラストを活かそう
紅葉の赤や橙、黄色は非常に鮮やかです。写真に収める際、次のようなポイントがあります
- 鮮やかな葉と青空の組み合わせ
例えば赤/橙+青空という「反対色」の組み合わせで、葉の色がより映えます。 - 落ち葉のじゅうたんを活用
地面一面に落ちた葉っぱを背景や前景に入れると、「秋らしい」雰囲気がぐっと増します。 - 子どもの服の色も意識
例えば自然の中なら、あまり背景と同化しない色(明るめ・暖かな色合い)を着せると、子どもが紅葉の中で点として引き立ちます。
④撮る瞬間を遊びに変えよう
子ども連れでの撮影では、その場でポーズと言うだけでは退屈になりがちです。
そこで、撮影そのものを遊びにしてしまうのがコツです。
例えば、
- 葉っぱを集めて「せーの」で投げる →その瞬間を撮る
- 並木道を歩きながら「葉っぱひろい競争」→その後グループ写真
- 親子で葉っぱの上を歩く音を楽しみつつ撮影
こうした工夫で「撮られた感」が減り、自然な笑顔や動きのある写真が残せます。
⑤周りの安全や配慮も忘れずに
ベストショットを撮ることに夢中になって、周りへの安全や配慮が欠けてしまっては楽しい旅行も台無しです。
写真を撮る時には、立ち入り禁止ではないか、危ない場所ではないか、周りの人の迷惑になっていないかも確認しましょう。
紅葉スポットでは管理されている区域もあり、貴重な植物があるため立ち入ってはいけなかったり、触れてはいけない物もあります。
ルールとマナーを守って楽しみましょう。
まとめ
今回は、東京都内からアクセスしやすい関東・甲信エリアのおすすめ紅葉スポットをご紹介しました。
- 紅葉狩りは防寒、足元、トイレの確認など安全・快適に楽しむ準備を
- 人気スポットは混雑、交通情報を確認して時間に余裕をもって行動を
- 構図や光の反射を意識した写真で思い出をもっと楽しく