公開日:2024年9月18日
更新日:2026年7月8日
「二拠点生活を始めたい」
「別荘を購入したい」
と考えた時に、まとまった資金を用意するのが難しい場合は「セカンドハウスローン」という手段があります。
しかし、「住宅ローンと何が違うの?」「金利は高い?」「審査は厳しい?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
今回は、セカンドハウスローンの仕組みや住宅ローンとの違い、審査のポイント、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
セカンドハウスローンとは?

セカンドハウスローンとは、自宅とは別に所有する住宅を購入するためのローンです。
対象となるのは、休日を過ごすための別荘や二拠点生活の拠点、将来的な移住先として利用する住宅など、日常生活の拠点とは異なる住まいです。
一般的な住宅ローンは「本人が主として居住する住宅」を対象としているため、セカンドハウスや別荘の購入では利用できない場合があります。
そのようなケースで利用されるのが「セカンドハウスローン」です。
なお、セカンドハウスローンの取り扱いは金融機関によって異なります。
そのため、利用を検討する際は、購入予定の物件が対象となるかどうかを事前に確認することが大切です。
セカンドハウスローンが利用されるケース
セカンドハウスローンは、さまざまなライフスタイルに合わせて利用されています。
二拠点生活の住まいを購入したい
近年は、都市部で仕事を続けながら地方にも生活拠点を持つ「二拠点生活」を選ぶ人が増えています。
週末だけ自然豊かな地域で過ごしたり、リモートワークを活用して平日は地方で暮らしたりと、ライフスタイルはさまざまです。
こうした二拠点生活用の住宅を購入する際に、セカンドハウスローンを利用するケースがあります。
別荘を購入したい
趣味や家族との時間を楽しむために別荘を購入する場合も、セカンドハウスローンの対象となることがあります。
「ホテルや旅館を利用するより、自分たちだけの空間でゆっくり過ごしたい」「アウトドアや家庭菜園を楽しみたい」といった理由から、別荘を所有する人も少なくありません。
将来の移住先として先に購入する
「定年後に地方へ移住したい」「子どもが独立したら自然豊かな地域で暮らしたい」と考え、将来住む予定の住宅を先に購入するケースもあります。
今は週末だけ利用し、将来的には本格的な住まいとして使う予定であれば、セカンドハウスローンが選択肢となる場合があります。
セカンドハウスローンを検討する前に知っておきたいこと
セカンドハウスローンは便利な制度ですが、「借りられるかどうか」だけで判断するのはおすすめできません。
実際には、購入後も固定資産税や火災保険料、光熱費、建物のメンテナンス費用など、継続的な支出が発生します。
特に別荘や二拠点生活用の住宅は、自宅とあわせて維持していくことになるため、毎年かかる費用まで含めた資金計画が欠かせません。
ローン返済額だけではなく、「長く無理なく所有し続けられるか」という視点で計画を立てることが、後悔しない二拠点生活への第一歩といえるでしょう。
セカンドハウスローンと住宅ローンの違い

セカンドハウスローンと住宅ローンは、どちらも住宅を購入するためのローンですが、利用目的や審査基準などに違いがあります。
以下の表で主な違いを見てみましょう。
| 項目 | 住宅ローン | セカンドハウスローン |
|---|---|---|
| 利用目的 | 主に居住する自宅の購入 | 別荘・二拠点生活の住まい・将来の移住先など |
| 対象となる住宅 | 主たる居住用住宅 | 自宅以外の住宅 |
| 金利 | 比較的低い | 住宅ローンより高い |
| 審査 | 一般的 | やや厳しい |
| 住宅ローン控除 | 条件を満たせば対象 | 原則として対象外となるケースが多い |
それぞれの違いを詳しく解説します。
金利は住宅ローンより高くなる傾向
金融機関によって金利は異なりますが、セカンドハウスローンは、一般的に住宅ローンよりも金利が高めに設定されています。
また、ローンを比較するときは金利だけを見るのではなく、
- 毎月の返済額
- 総返済額
- 繰り上げ返済のしやすさ
- 保証料や手数料
などもあわせて確認しましょう。
審査が厳しいと言われる理由
セカンドハウスローンは、自宅購入のための住宅ローンと比べると、「審査が厳しい」と言われています。
理由は、返済中の住宅ローンが残っている人が利用するケースも多く、より高い返済能力を必要とするためです。
そういったことから、
- 現在の住宅ローン残高
- 毎月の返済負担
- 年収に対する借入額
- 他社からの借入状況
などを総合的に確認し、無理なく返済できるかを判断します。
また、物件の利用目的や資産価値などが確認されることもあります。
「自宅の住宅ローンが通ったから今回も大丈夫」と考えるのではなく、新たな借入として審査を受けることを理解しておきましょう。
住宅ローン控除との違い
住宅ローンでは、一定の条件を満たすことで住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象となる場合があります。
一方、セカンドハウスローンで購入する住宅は、自宅として日常的に居住する住宅ではないため、住宅ローン控除の対象外となるケースが一般的です。
そのため、購入費用だけでなく、税制上のメリット・デメリットも踏まえて資金計画を立てることが重要です。
セカンドハウスローンの審査のポイント

セカンドハウスローンを利用するには、金融機関による審査を受ける必要があります。
審査基準は公表されていませんが、多くの金融機関では返済能力や信用情報などを総合的に判断しています。
ここでは、一般的に重視されるポイントを紹介します。
年収
最も重要な判断材料の一つが年収です。
年収が高ければ必ず審査に通るというわけではありませんが、借入希望額とのバランスが重視されます。
また、住宅ローンが残っている場合は、その返済も含めた返済負担率が確認されます。
無理のない返済計画であることを示すことが大切です。
勤続年数・雇用形態
勤務先や勤続年数も重要な判断材料です。
一般的には、
- 正社員である
- 勤続年数が長い
- 安定した収入がある
ほど、返済能力が高いと判断されやすくなります。
一方で、自営業やフリーランスの場合でも利用できる商品はありますが、収入状況や事業実績など、より詳しい資料の提出を求められることがあります。
他の借入状況
住宅ローン以外にも、自動車ローン、教育ローン、カードローン、キャッシングなどの借入がある場合は、返済状況も確認されます。
借入件数や返済遅延の有無なども審査に影響する可能性があるため、事前に整理しておくと安心です。
現在の住宅ローン残高
自宅の住宅ローンを返済中の場合は、その残高や毎月の返済額も確認されます。
住宅ローンとセカンドハウスローンを同時に返済することになるケースもあるため、金融機関は家計全体の返済負担を慎重に判断します。
「今の返済に加えても無理なく返済を続けられるか」がポイントになります。
頭金の有無
頭金を用意できるかどうかも、審査に影響する要素の一つです。
頭金が多いほど借入額を抑えられるだけでなく、自己資金を堅実に貯められる計画性がある人という判断となります。
また、購入後の維持費や修繕費などに備えて、手元資金をある程度残しておくことも大切です。
頭金に資金を使い切ってしまうと、急な修繕や設備交換に対応できなくなる可能性があります。
セカンドハウスローンが利用できる金融機関は?

セカンドハウスローンは、すべての金融機関で取り扱っているわけではありません。
また、同じ「セカンドハウスローン」でも、対象となる物件や利用条件、金利などは金融機関ごとに異なります。
ここでは、主な金融機関ごとの特徴を紹介します。
都市銀行
いくつかの都市銀行では、セカンドハウス向けのローン商品を取り扱っています。
都市銀行のメリットは、全国に支店があり、相談しやすいことや商品内容が充実している点です。
一方で、審査基準は比較的慎重な傾向があり、利用条件が細かく設定されていることもあります。
商品内容や金利は変更されることがあるため、最新の情報は各金融機関で確認しましょう。
地方銀行
地方銀行でも、セカンドハウスや別荘購入向けのローンを取り扱っているケースがあります。
特に、その地域で別荘地やリゾートエリアを多く扱っている地方銀行では、地域の実情に合わせた商品を用意していることがあります。
購入する物件が地方にある場合は、その地域の地方銀行も選択肢に入れるとよいでしょう。
信用金庫・信用組合
地域密着型の信用金庫や信用組合でも、住宅関連ローンを取り扱っています。
営業エリアや会員資格など一定の条件がある場合もありますが、地域とのつながりを重視した相談ができる点は魅力です。
購入予定地の近くにある信用金庫なども確認してみるとよいでしょう。
ネット銀行
近年は、一部のネット銀行でもセカンドハウス向けローンを取り扱っています。
店舗へ行かずに申し込みから契約まで進められる場合もあり、忙しい方には嬉しいサービスです。
ただし、対面で相談できないケースもあるため、不安な点がある場合はサポート体制も確認しておくことをおすすめします。
フラット35は利用できる?
住宅ローンを検討している方の中には、「フラット35は利用できるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
フラット35は全期間固定金利の住宅ローンで、全国300以上の提携金融機関が扱っており、最長35年間固定金利で融資を受けられます。
二重で借り入れができないため、現在フラット35を利用していないこと、住宅ローン控除が利用できないことなど条件はありますが、セカンドハウスの購入にも利用できる場合があります。
金利だけで選ばないことが大切
ローンを比較する際は、「金利が低いから」という理由だけで決めるのはおすすめできません。
以下のような点も比較しましょう。
- 借入可能額
- 借入期間
- 繰り上げ返済のしやすさ
- 保証料や事務手数料
- 団体信用生命保険の内容
- 相談しやすさ
二拠点生活や別荘の購入は長期的な資金計画になります。
自分のライフスタイルに合った金融機関を選ぶことが、無理のない返済につながります。
セカンドハウスローンを利用するメリット

セカンドハウスローンを利用すると、まとまった自己資金がなくても二拠点生活や別荘購入を実現しやすくなります。
一方で、借入には返済の責任も伴うため、メリットを正しく理解した上で利用することが大切です。
自己資金を手元に残せる
購入資金をすべて自己資金でまかなうと、預貯金が大きく減ってしまうでしょう。
ローンを利用すれば、急な出費や将来の修繕費に備えた資金を手元に残しながら住宅を購入できます。
特に別荘は、設備の交換や自然災害による修繕など、予想外の費用が発生することもあります。
余裕を持った資金計画を立てることは、安心して所有し続けるためにも重要です。
希望するタイミングで購入できる
「十分な貯蓄ができるまで待とう」と考えているうちに、気になっていた物件が売れてしまうこともあります。
ローンを利用すれば、資金が貯まるのを待たずに希望するタイミングで購入を検討できます。
二拠点生活や地方移住では、立地や周辺環境との出会いも重要です。
良い物件と巡り合った際に選択肢を広げられることは、大きなメリットといえるでしょう。
将来の移住準備を早めに始められる
今すぐ移住する予定はなくても、将来的な住まいとして先に住宅を購入するケースもあります。
まずは週末だけ利用し、仕事や子どもの進学などライフスタイルの変化に合わせて本格的に移住するという使い方も可能です。
このように、将来を見据えて計画的に住まいを確保できることも、セカンドハウスローンを利用するメリットの一つです。
セカンドハウスローンを利用するデメリット・注意点

便利なセカンドハウスローンですが、利用前に知っておきたい注意点もあります。
住宅ローンより金利が高い傾向がある
前述したように、セカンドハウスローンは住宅ローンより金利が高めに設定されていることが多いです。
そのため、無理のない返済計画を立てることが、長く二拠点生活を楽しむポイントです。
維持費も考慮する必要がある
住宅を購入すると、ローン返済だけではなく、さまざまな維持費が発生します。
- 固定資産税
- 火災保険・地震保険
- 光熱費
- 管理費
- 修繕費
- 庭木の手入れや建物のメンテナンス
特に別荘は利用しない期間もあるため、適切な管理を行わないと建物の劣化が進み、結果として修繕費が高額になることもあります。

利用しない期間の管理も考えておく
二拠点生活や別荘では、「利用しない期間」があることも特徴です。
長期間空き家にすると、
- カビの発生
- 水回りのトラブル
- 雑草や庭木の繁茂
- 害虫・害獣の侵入
などのリスクがあります。
住宅を購入する前に、「どう管理するのか」まで考えておくと安心です。

セカンドハウスローン以外にかかる費用

セカンドハウスや別荘を購入する際は、ローン返済だけでなく、購入時や購入後にもさまざまな費用がかかります。
ここでは、事前に把握しておきたい主な費用を紹介します。
購入時にかかる主な費用
物件価格とは別に、次のような諸費用が必要になります。
- 仲介手数料(仲介会社を利用した場合)
- 登記費用
- 印紙税
- 不動産取得税
- ローン事務手数料
- 保証料(金融機関による)
- 火災保険・地震保険料
これらの諸費用は、物件価格とは別にまとまった資金が必要になるケースもあります。
資金計画する際は、物件価格だけではなく諸費用も含めて考えましょう。
購入後にかかる維持費
セカンドハウスや別荘は、購入した後も継続的な維持費が発生します。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険・地震保険
- 電気・ガス・水道などの光熱費
- インターネット回線利用料
- 管理費(管理別荘地の場合)
- 建物や設備の修繕費
- 庭木の手入れや草刈り費用
利用頻度が少なくても、所有している限り発生する費用もあります。
そのため、住宅ローンと同じように「毎年どれくらい維持費がかかるのか」を把握しておくことが大切です。
利用しない期間の管理費も忘れずに
二拠点生活や別荘では、自宅のように毎日利用するわけではありません。
利用しない期間が長くなると、さまざまなリスクがあります。
- 建物の換気不足によるカビ
- 水回りのトラブル
- 雑草や庭木の繁茂
- 台風や積雪による被害の発見遅れ
こうしたトラブルを防ぐためには、自分で定期的に管理を行うか、管理サービスを利用することも選択肢の一つです。
購入費用だけでなく、「維持していくための費用」まで含めて考えることで、安心してセカンドハウスを所有できます。

二拠点生活・別荘購入で失敗しないための資金計画

セカンドハウスローンを利用すれば、憧れの二拠点生活や別荘ライフを実現しやすくなります。
ただし、資金計画で大切なのは「借りられるかどうか」ではありません。
ここでは、二拠点生活や別荘購入を失敗しないために、資金計画を立てるときの考え方を紹介します。
まずは「年間でいくら使うか」を把握する
資金計画を立てるときは、毎月の返済額だけを見るのではなく、年間の総負担額で考えることが大切です。
ローン返済に加えて、税金や保険料、交通費、管理にかかる費用なども含めると、実際の負担感は大きく変わります。
二拠点生活では、交通費やレジャー費、家具・家電の購入など、新しい生活に伴う支出も増えることがあります。
自宅とセカンドハウスの両方にお金がかかるため、「住宅費がもう一軒増える」という感覚で家計を見直しておくと安心です。
生活費と切り分けて予算を決める
セカンドハウスの資金は、日常の生活費と混同しないように分けて考えるのがおすすめです。
たとえば、
- 毎月の生活費
- 教育費や老後資金
- 緊急時の生活防衛資金
- セカンドハウス用の予算
のように、用途ごとにお金の役割を分けておくと、無理のない判断がしやすくなります。
「今ある貯蓄をどこまで使ってよいか」を先に決めておくことで、購入後に家計が苦しくなるリスクを減らせます。
利用頻度から物件の規模を考える
二拠点生活や別荘は、使う頻度によって適した物件が変わります。
たとえば、年に数回しか使わないのであれば、広さや設備が充実した物件よりも、管理しやすく負担の少ない物件のほうが向いている場合があります。
一方で、週末ごとに通う、あるいは将来的に移住する予定があるなら、多少コストがかかっても利便性や居住性を重視したほうが満足度は高くなります。
資金計画は「いくら借りるか」だけでなく、どのくらい使うかから逆算して考えることがポイントです。
将来の使い方が変わる前提で考える
セカンドハウスは、購入時と将来で使い方が変わることがあります。
- 週末の滞在拠点として使っていたが、将来は移住先になる
- 家族で使っていたが、子どもの独立後は利用頻度が減る
- 仕事の都合で通えなくなり、別の活用方法を考える必要が出る
といったケースです。
そのため、購入時点で「今の使い方」だけに合わせるのではなく、将来の変化にも対応できるかを考えておくと安心です。
まとめ
今回は、セカンドハウスローンの仕組みや住宅ローンとの違い、審査のポイント、メリット・デメリットを解説しました。
- ローン返済だけでなく、購入時の諸費用と購入後の維持費も見込んでおく
- 二拠点生活や別荘は、年間の総負担額と家計全体のバランスを見る
- 利用頻度や将来のライフスタイルの変化も見据えて計画する


